DEPAPEPEの三浦拓也がナビゲーターを務める新たなトーク&セッションイベント『ミュージッククラス#1』が、10月30日(日)に東京・銀座ヤマハホールで開催され、第1回目のゲストとして、シンガーソングライターでギタリストの弓木英梨乃が出演した。
ヤマハでは2022年10月を、ヤマハアコースティックギター月間とし様々なイベントでヤマハアコースティックギターの魅力を伝えてきた。締め括りを打診された三浦は、「楽器を弾いたことがない人が弾きたくなるようなイベントにしたい」と考え、「放課後の音楽室に集まって、みんなで楽しく話してる遊び場」を提案。ギターの講師と生徒ではなく、観客もクラスメイトであるという思いを込めて、“ルーム”ではなく、“クラス”と名付けたという。
イベントは、まず、ホストである三浦が一人でステージに上がった。オープニングナンバーとして、三浦のオリジナル曲『Kanji』を勢いよくプレイすると、冒頭から自然とクラップが沸き起こった。続いて、本イベントの趣旨を説明し、「今日でお会いするのは2回目ですが、弓木さんのエレキギターのカッティングが好きで呼びました」というゲストの弓木を招き入れ、ギターを抱えながらのトークを展開。お互いのプロフィールを紹介し合い、音楽を始めたきっかけやギターとの出会いなどを掘り下げていくと、弓木が「クラシックギターの教室に通い始めた時に2小節で断念した」という『禁じられた遊び』をいきなり二人で演奏してみることになったが、やはり2小節から先には進まず、同じ箇所を何度もループすると、場内からは笑い声も溢れた。また、ステージ上には、20周年を迎えた<サイレントギター>やリバーブがかかる<トランスアコースティックギター>、ガットギターやエレキギターなど、合計17本のギターを準備されており、二人はトークの流れに合わせて次々と楽器を持ち替えながら、それぞれの楽器の音色の違いを聴かせてくれる時間もあった。
さらに、セッションコーナーでは、アコギとエレキ、アコギとアコギなど、楽器の組み合わせによる面白さも追求。DEPAPEPEの代表曲『START』はモデルの異なるアコースティックギター2本で演奏し、キリンジ『エイリアンズ』は、ホールの残響音も生かしながら、リバーブのかかったエレキギター2本で優しく深遠なる世界観を表現。弓木が「楽しいですね、ギターって!」と満面の笑顔を見せた後、三浦の楽曲『ふるさと』はナイロン弦ではなく、ガット弦でプレイ。三浦が大好きな恐竜であるヴェロキラプトルをモチーフにした『Dinosaur Dance』では、弓木は恐竜の咆哮のように耳をつんざくワイルドなソロを響かせると、場内からは拍手が沸き起こった。
終盤には弓木が「中2から15年間、聴き続けた曲でライブで歌うのが夢だった」だというシックスペンス・ノン・ザ・リッチャーのヒット曲『Kiss Me』を軽やかに明るく歌い上げ、三浦のルーツであるニュー・オリンズ・ファンクの代表格であるミーターズの名曲『Cissy Strut』では、三浦が演奏の途中でギターを持ち替えるという試みに挑戦。
最後に、三浦が「楽器を練習をしていて、嫌になったり、努力がしんどくなることもあると思うんです。そんな時に一番大事なのは、初心に返って、楽しいってことを思い出すことだと思います」と語りかけ、弓木がトークコーナーで「一番最初にギターで弾きたいと思った楽曲」だと語ったザ・ビートルズ『Ob-La-Di, Ob-La-Da』を二人で歌唱。アンコールでは、アニメ「凪のあすから」の劇伴として使用された『Blue Water』アンプやスピーカーを通さずに、アンプラグドで演奏。ヤマハホールという最高の音響施設が整った空間ではあるが、まるで音楽室や楽屋での演奏を聴いているような生の体験を提供し、みんなで音楽を楽しむという純粋な気持ちで溢れたイベント豊かな音色と残響とともに締めくくられた。
『ミュージッククラス#1』を終えた三浦は、12月よりビルボードライブにて『DEPAPEPE WINTER LIVE 2022 at Billboard Live』を開催する。(文・永堀アツオ / 写真・関口佳代)
セットリスト
1. Kanji
2. START
3. エイリアンズ
4. ふるさと
5. Dinosaue Dance
6. Kiss Me
7. Cissy Strut
8. Ob-La-Di, Ob-La-Da
<アンコール>