アップアップガールズ(仮)[以下、アプガ(仮)]が、9月23日(金・祝)に神奈川・YOKOHAMA BAY HALLでワンマンライブ『アップアップガールズ(仮)ツアー2022 アップROCKチョッパー ツアーファイナル』を開催した。
ライブでは、体調不良により6月から無期限活動休止していたリーダーの関根梓がサプライズでステージに登場。グループ活動の復帰を宣言し、8人体制のアプガ(仮)の再始動することが告げられた。
アプガ(仮)は関根が不在の3カ月半、古谷柚里花、鈴木芽生菜、工藤菫、鈴木あゆ、小山星流、青柳佑芽、住田悠華という2020年12月に加入した7人編成で活動を行なってきた。TIFや@JAM EXPOといった大きなアイドルフェスに出演し大きく成長した彼女たち。本公演は、タフさを増した7人編成アプガ(仮)の、夏の成果を見せる熱いライブとなった。
会場に「overture(仮)2021」が響く中、ステージにメンバー7人が登場すると「メチャキュン サマー ( ́ ▽ ` )ノ」からライブはスタート。暑い夏の余韻をポップにファンに届けたアプガ(仮)は、続けてキャッチーなアップチューン「バレバレI LOVE YOU」を披露。7人のメンバーは弾けるようなパフォーマンスを繰り広げ、ライブ冒頭から大勢のファンと熱く盛り上がった。
MCタイムでファンに挨拶と自己紹介をすると、夏の新曲「プールサイドモンスター」を歌唱。この日にMVが公開された「プールサイドモンスター」は、作詞をラッパーのvalkneeとmichitomo、作曲をmichitomoが手がけたアッパーなダンスチューン。レーザーとカラフルなライトに包まれる中、“Na Na Na 夏! マジで常夏!!”というサビがバウンシーなビートとともに繰り返される。メンバー7人のクレイジーなアゲっぷりに全観客がヒートアップ。曲が終わると青柳が「みんながもっともっと「プールサイドモンスター」になっちゃうところが見たいです!」と声を上げ、なんと2回目連続で「プールサイドモンスター」が披露される。予想外の展開に会場のボルテージはますます高まった。なんともアプガ(仮)らしい、いい意味でイカれたライブ展開。
その勢いのまま、彼女たちは疾走感たっぷりの「キラキラミライ」、和のテイストの勇ましさ溢れる「宣戦 Brand New World!」、パワフルなビートが炸裂する「BIG BANG」をブチかます。さらにメンバー7人は、「野性神風燃ゆ戦場」を鋭いレーザーの光とともに激しくパフォーマンスし観客を圧倒した。
アツアツのステージを少しクールダウンさせるように、彼女たちは爽快なメロディが光る「一歩目のYES!」を披露。しなやかなメロディのハウスナンバー「24/7」、ミディアムポップな「パーリースタリー」で会場を心地いい空気に包む。攻めだけではなくしなやかさも表現できる、現在のアプガ(仮)の幅の広さを観客に見せた。
なごみタイムが終わるとライブ後半戦に突入。ここからは、ライブモンスターのアプガ(仮)が牙を剥き楽曲を連続で披露していく。突き抜けるメロディが光るロックナンバー「今日も私が冴え渡る」、明るく前向きな「Up↑Up↑Up↑」を届ける。「アップアップタイフーン」ではメンバー7人と観客がタオルを回し、燃えるような空間を作った。「お願い魅惑のターゲット」で会場のボルテージはさらにアップし、「Lady→Go!」でライブのスピード感はますます加速していく。
激しいライブだけに、リアルに言えばメンバーも観客もかなりの疲労度のはず。しかし、その先にある強烈な恍惚感こそがアプガ(仮)のライブの真骨頂。メンバーと観客は「チョッパー☆チョッパー」でブチアガり、「ジャンパー!」で汗だくの魂の連続ジャンプを競い合う。そして「ソラハレルヤッ!!」を激しく楽しく笑顔で踊りまくり、会場は怒涛の盛り上がりを見せた。
ライブも残すところあと1曲。ここで鈴木あゆが、このツアーで感じたことを交えて曲紹介する。彼女は「私たちはこのツアーをしながら、悔しいことも悲しいことも辛いことも正直たくさんありました。泣いて逃げ出したくなるような夜もありました。でも、そんなときに頭に思い浮かんだのは応援してくださるみなさんの顔でした。やっぱり私は、みんなにもっともっと楽しんでもらいたいし、幸せになってもらいたいし、みんなともっともっといろんな景色を見に行きたいというのが根本にあって、今こうしてステージに立っています。私はいつもみんなに『ありがとう』って言葉にして伝えているんですけど、このツアーで思ったのは、言葉だけじゃほんとの『ありがとう』の気持ちが伝わらないことがある、ということです。私は言葉だけじゃなくて、ライブ中にみんなとコミュニケーションを取ったり、一緒に幸せを感じたりってことを大事にしていきたいと思いました。そういうものをまっすぐ全力でぶつけて伝えていける、そんなかっこいいグループにアプガ(仮)をしていきたいです。みんなとそういうふうになりたいと心から思います。私たちはこれからも走り続けます!」と思いの丈を口にする。
そしてメンバー7人は、眩い光の中、前に進んでいく思いが詰まったソリッドなロックチューン「アルストロメリア」を披露する。リーダーであり精神的支柱の関根を欠きながらも、アプガ(仮)として必死にがんばってきた7人のメンバー。「アルストロメリア」の歌詞の世界観と完全に一体化した彼女たちは、感情のこもりまくった歌とダンスで観客の心を惹きつけ、エモーショナルにライブ本編は終了となった。
鳴り止まない拍手に応えてメンバー7人がステージ戻ると、まだまだ夏は終わらないと言わんばかりに「サマービーム!」を披露。カラフルなライティングの中、楽しく熱く盛り上がりハッピーなムードでステージを終えた。
最高のツアーファイナルもいよいよ終了といったところで、どこからともなく「アップアップガールズ(仮)は何人ですか?」の声が聞こえてくる。すると無期限活動休止中の関根がサプライズでステージに登場。予想外の出来事に、メンバーは歓喜の声を上げ、鈴木あゆは泣き崩れ、ファンは大きな拍手で彼女を向かい入れる。関根は「リーダーの赤担当、お久しぶりです関根梓です!」と声を上げると再び会場は大拍手。興奮気味のメンバーは「お帰りなさい!」「本物ですか?」とステージ上はすっかり賑やかな状態。
そして「口下手なので」という関根は手紙を読み上げる。「アップアップガールズ(仮)赤担当リーダー・小悪魔の関根梓です! 体調も無事に回復致しまして、今日9月23日より活動を再開させていただきます! アプガfamilyの皆様・関係者の皆様に長らくご心配をおかけしてしまい大変申し訳ございませんでした。そしてメンバーのみんな、アップアップガールズ(仮)として楽しくステージを守り続けてくれて本当にありがとう! 休止期間中、しっかり休んでくださいとメンバーに言われたものの、やっぱりみんなの姿を見たくてずっと配信の画面で見守ってました。そして、早く戻って一緒に歌いたくて踊りたくてウズウズしてました。活動を休止している間、私はずっと音楽に励まされました。私も早く復帰をして、私の音楽とステージで誰かの背中を押したいと強く思い続けてました。完全復帰にはもう少々お時間をいただくことにはなりますが、また改めてアプガの赤として、アプガの小悪魔として大好きなステージを守り続けたいと思いますので、これからも応援宜しくお願い致します!」と自身の思いを語った。
なお、関根は3ヶ月半という長期の休養だったこともあり、万全な状態を取り戻してからのライブ復帰を目指すという。それまではアプガ(仮)は7人編成でステージを実施。そして、11月に予定されている表参道GROUND公演、12月3日に本公演の会場YOKOHAMA BAY HALLでの単独ライブには8人のアプガ(仮)がステージに立つ予定であることも伝えられた。
久々にメンバー8人がステージに並ぶ姿は感動的。彼女たちは「以上、アップアップガールズ(仮)でした。ありがとうございました!」と全員で声を上げ、これ以上無いほどのハッピーなエンディングでライブは締めくくられた。
7人のメンバーは確実にステージ力をアップさせ全観客を巻き込むライブをやり遂げた。そこにカムバックした関根が加わるのだから期待は大きい。より強靭なアイドルになること間違い無しのアプガ(仮)の今後の活躍に期待していただきたい。