たった2カ月弱でここまで人は成長を遂げるものだろうか。
19歳のシンガーソングライター崎山蒼志が、折坂悠太、Cody Lee(李)、小林私、SASUKE、佐藤千亜紀、スカート、スガ シカオ、Dos Monos、七尾旅人、MOROHA(五十音順)といった、崎山自身がリスペクトして止まない豪華アーティスト陣を招き、6月23日から9都市12公演と全国にまたがる自身初の対バンツアー『人間旅行2022』を開催することを発表。本来であれば本日8月5日(金)の公演でツアーファイナルを迎えるはずだったが、惜しくも新型コロナウイルスの影響により3公演が延期、1公演が内容変更で開催を余儀なくされた。それでも各公演を重ねていく中、それぞれの対バンアーティストからのパワーと熱を感じ取り吸収してきた効果が、その成長速度につながっているのだろう。さらに7月30日(土)に出演したフジロックフェスティバル’22での圧巻のパフォーマンスでもそれは形となって表れていた。
さらに進化を遂げた崎山と、彼にとって“念願”だった七尾旅人との対バンライブをレポートする。
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2020年2月、東京・リキッドルームで開催される予定だった七尾旅人との2マンライブ。だが残念ながら新型コロナウイルスの影響で公演は中止となってしまった。今夜はまさに当時のリベンジ公演。エモーショナルな奇跡の一夜となった。
お互いバンドは背負わず、弾き語りスタイルでのパフォーマンス。
まず登場した七尾旅人は、自身が10代の時に制作された「おもひで! おもひで!!」や、「七夕の人」「きみはうつくしい」など崎山に捧げるようなセットリストで、唯一無二の世界へとオーディエンスを誘う。ラストには崎山をゲストに招き、「迷子犬を探して」をセッション。2年半越しの競演を楽しむかのように、声と弦を掛け合わせていた。
やがて七尾旅人に送り出され登場した崎山蒼志。1曲目から早速代表曲「Samidare」を披露するが、いつもと違いエレキギターを背負う崎山。なんとシンセサイザーと歪みまくったギターサウンドでアレンジした「SAMIDARE」をドロップし、いきなり会場をドープな世界へと引きずりこむ。
そしてアコギに持ち変え、「夏至」を披露したのち、「1曲目で暴れすぎちゃって…」と苦笑いをしながらも「七尾さんのステージが本当に、感銘を受けたというか、背中を押された気がして。音楽をやってるからこそこういう機会をいただけて、本当にありがたいばかりです」と七尾旅人への溢れんばかりのリスペクトを語る。
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ここでMC。「昔は新曲しかやっていなかったけど、今はなかなかそういうこともなくなったので緊張しますね」と言いつつ未発表曲「前日」を披露。レアな状況に驚きと注目が集まる中、届けられたのはバラード。やさしい歌詞とメロディーが降り注ぎ、ぐっと心に染みわたる。
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このあと振替公演として、8月30日(火)に福岡、31日(水)に広島で折坂悠太と、9月4日(日)に仙台でMOROHAとの対バンが控える。まだまだ、崎山の進化は止まらないだろう。今日のライブを見て、確かに感じたことだった。
崎山蒼志 対バンツアー『人間旅行 2022』@東京・渋谷クラブクアトロ セットリスト / 2022.8.5
01. SAMIDARE
02. 夏至
03. 感丘
04. 告白
05. 前日
06. 踊り
07. ソフト
08. I Don’t Wanna Dance In This Squall
09. Samidare
10. タイムケース
En. 国