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トップレポート『映画:フィッシュマンズ』映画完成報告イベント&アコースティックライブ!

『映画:フィッシュマンズ』映画完成報告イベント&アコースティックライブ!

2021.04.22

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フィッシュマンズ 30周年記念トーク&アコースティックライブ “Time passes and the future is now”が21日、都内からライブ配信され、茂木欣一、小嶋謙介、HAKASE-SUN、木暮晋也、原田郁子、手嶋悠貴監督が出演。7月9日(金)より新宿バルト9、渋谷シネクイントほかにて公開される『映画:フィッシュマンズ』についての映画完成報告会も展開された。
 
今年デビュー30周年を迎える孤高のバンド“FISHMANS(フィッシュマンズ)”。楽曲のほぼすべての作詞・作曲を担当していたボーカル・佐藤伸治が1999年に急逝してから今年で22年。現在も活動を続け、音楽シーンに多大なる影響を与えており、海外での評価も高まっている。
 
そんな“FISHMANS”のドキュメンタリー映画となる本作。2019年2月の「闘魂2019」のリハーサルから撮影を開始し、明治学院大学ソング・ライツ部室、渋谷La.mama、渋谷クラブクアトロ、三軒茶屋クロスロードスタジオ、VIVID SOUND STUDIO、日比谷野外音楽堂など、メンバーのゆかりの地を訪れインタビューを敢行。今まで多くを語ることがなかった現・旧メンバーがカメラの前で当時の事を振り返り、貴重な話がライブシーンとともに織り交ぜられている。また、関係者が大切に保管していた100本以上のVHSなどの素材をデジタイズ化した本邦初の映像を多数収録し、音楽ドキュメンタリーとしては異例の172分におよぶ渾身の作品となっている。
 
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オープニングでは、FISHMANSリーダーで、東京スカパラダイスオーケストラのドラマーとして活動している茂木と、FISHMANSの初期メンバーであり、現在はアートディレクターとして活動している小嶋が登場。茂木は30年前のこの日に発売されたFISHMANSのデビューシングル『ひこうき』を手にし「この8cmシングルから始まって今日で30年ということで、本当に感慨深い気持ちでいっぱいなんですけど、時の流れがこんなに早いものかと思って、いろんなことを思い出します」としみじみと語った。
 
そして、手嶋監督も登場して本作についてのトークを展開。茂木から、本作が完成した心境を尋ねられた手嶋監督は「実はまだ完成していないんですけど、茂木さんと2018年の夏に話して始まったものが、3年近い月日が経ってようやくできたということで、正直ホッとしています」と胸をなで下ろし、「みなさんが大事にしているFISHMANSなので、どこまで喋っていただけるのかとかも含めて不安もあったんですけど、メンバーの方々が真摯に向き合ってくれて、素晴らしい言葉をカメラの前で喋っていただいたことは、僕にとっても貴重な経験になりましたし、映画的にも素晴らしいものができたんじゃないかなと思っています」と仕上がりに自信を覗かせた。
 
また、茂木は本作が完成するまで他のメンバーが喋った内容を知らなかったそうで「完成した映画を見て、1人ひとりのメンバーが、ここまで語ってくれたんだってことに心から感動して、監督もFISHMANSに関してすごく勉強してくださったでしょうし、たくさんの準備をしてくれて、大きな愛を持って1人ひとりのメンバーに出会ってくれたんだろうなって感じられました。めちゃくちゃ嬉しかったです」と手嶋監督に感謝した。
 
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さらに、FISHMANSが結成された明治学院大学に撮影で訪れたという話題となり、手嶋監督が「映画には入っていないんですけど、新歓の時期に撮影に行って、『ソング・ライツ』の現役生の子たちが勧誘をしていて、入部シートに茂木さんが名前を書いていたのが面白かったです(笑)」とエピソードを明かすと、茂木は「まさにあれと同じことを35年前にやっていたわけだ。そのときの先輩の顔とか思い出して、好きなアーティストのところに“ザ・フー”“プリテンダーズ”って書いたら、(先輩が)『こんな奴がいるぞ!絶対にソング・ライツに入ったほうがいい』って。そのおかげで佐藤伸治にも会えたし、みんなにも会えたので(先輩には)感謝しています。そういうちょっとしたキッカケのどれが欠けても今日って日はなかったってことを思わせてくれましたね」と感慨深げに語った。
 
そして、サウンドミックスを担当するZAKとのMA業務に感動したという手嶋監督は「あんなに変わっていくんだなというのをマジマジと見られたのがすごかったですね。最初に音源を聞かせていただいたときも衝撃的でしたけど、(ZAKとMA業務を行い)“ここまでやるんだ”、“こういうところまでこだわるんだ”って非常に勉強になりましたね」と感嘆し、「本作を届けることによって、FISHMANSの音楽がもっと愛されたらいいなと思いますし、今後、若い人たちを含め、FISHMANSと新しく出会った人たちが、“FISHMANSってどういうバンドだったんだろう”“佐藤(伸治)さんってどういう人だったんだろう”っていうのが伝わる作品になってくれればいいなと心から思います」と吐露した。
 
その後に行われたアコースティックライブでは、HAKASE-SUN、木暮晋也、クラムボンの原田郁子も加わり、デビューシングル『ひこうき』など計8曲を披露。加えて、原田が30周年を祝うケーキを持って登場する一幕もあり、ローソクに灯る火を茂木と小嶋が吹き消して祝福の拍手を浴びていた。
 
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オンラインイベント:”Time passes and the future is now” 
配信日時:4月21日(水) 20:00〜22:00 
出演:フィッシュマンズ
4月28日(水)までアーカイブしますので、イベントの様子をお楽しみ頂けます。
 
<セットリスト>
2021.4.21 @キチム
M-1. なんてったの
M-2. ひこうき
M-3. あの娘が眠ってる
M-4. 頼りない天使
M-5. WALKING IN THE RHYTHM
M-6. SEASON
M-7. いかれたBaby
M-8. ナイトクルージング
 
©2021 THE FISHMANS MOVIE
 

Live Info.

『映画:フィッシュマンズ』

90年代の東京に、ただ純粋に音楽を追い求めた青年たちがいた。彼らの名前は、フィッシュマンズ。プライベートスタジオで制作された世田谷三部作、ライブ盤「98.12.28 男達の別れ」をはじめ、その作品は今も国内外で高く評価されている。だが、その道のりは平坦ではなかった。セールスの不調。レコード会社移籍。相次ぐメンバー脱退。1999年、ボーカリスト佐藤伸治の突然の死……。ひとり残された茂木欣一は、バンドを解散せずに佐藤の楽曲を鳴らし続ける道を選ぶ。その想いに仲間たちが共鳴し、活動再開。そして2019 年、佐藤が世を去ってから20年目の春、フィッシュマンズはある特別な覚悟を持ってステージへと向かう――。過去の映像と現在のライブ映像、佐藤が遺した言葉とメンバー・関係者の証言をつなぎ、デビュー30周年を迎えたフィッシュマンズの軌跡をたどる。
 
佐藤伸治
茂木欣一 小嶋謙介 柏原譲 HAKASE-SUN
HONZI 関口“dARTs”道生 木暮晋也 小宮山聖 ZAK
UA ハナレグミ YO-KING(真心ブラザーズ)
原田郁子(クラムボン) こだま和文
 
監督:手嶋悠貴 企画・製作:坂井利帆  
配給:ACTV JAPAN/イハフィルムズ
2021/日本/カラー/16:9/5.1ch/172分                       
©2021 THE FISHMANS MOVIE
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