1989年の結成から唯一無二の存在感を放つギタリスト、EDDIE(エディ)を中心に精力的に活動し、今やガレージパンク界のレジェンドとも言える3ピースインストロックバンド“MAD3”(マッドスリー)が2026年6月をもって活動休止となる。
休止直前のレコ発ワンマンライブが10月10日(金)下北沢SHELTERにて行なわれ、10月27日(月)にはラストミニアルバム『VINZELLA(ビンゼラ)』(CD5曲入り / アナログ7インチレコード2曲入り)をリリース。

そのアルバムタイトルと同じく“VINZELLA”と名付けられたEDDIE監修のコラボエレキギターが、福岡のギターメーカー Caramel's Guitar Kitchen(キャラメルズ・ギター・キッチン:以下、CGK)から10月3日(金)に発売された。

CGKは5年前に立ち上げられたハンドメイドエレキギターメーカーで、ヴィンテージ風なデザインを装いながら実用性を兼ね備え、トラディショナルとモダンを融合したコンセプトで注目を集めている。
福岡にて元ラーメン屋という異色の経歴を持つクラフトマン、片田武司が一人で木工から塗装、組み立てを行なっており、塗装のなかでも手間暇のかかるニトロセルロースラッカー塗装で一つ一つ手作業で仕上げている。
片田は以前からMAD3の活動に注目しており、今回、CGKから声がけをして実現したコラボギターは、片田自身の熱い想いも込められている。

制作段階からEDDIE本人の希望するスペックやボディカラーをすり合わせ、基本はCGKのセミアコS1_SicilyBlackと同型になるが、ピックアップはSeymour DuncanのPSYCLONE VINTAGE Filter’Tronが2つマウントされ、出力も高くパワフルで厚みのあるローが出ている。
そのほかナットの溝幅やマスターボリュームの位置、アームの取手を360℃回転できるようにするなど細部にわたってEDDIEのこだわりが詰まっている。
それに呼応するように、本人のテイストを熟知した片田がピックガードやトラスロッドカバーなどオリジナルデザインを所々に散りばめていった。

EDDIE コメント

“VINZELLA”とは私の理想の女性像であり、そのイメージと美学をこのギターに集約した。
セミホロウ・ボディーにセンターブロックという基本構造、ピックアップはSEYMOUR DUNCAN社初のフィルター・トロン・タイプ“Psyclone”を搭載。
塗装はビンテージ・ライクなオフホワイトにCGKの誇るバインディングが施され、とてもチャーミングなギターに仕上げて頂きました。

美しいクリーン・トーンから、ダーティーだが心地良い歪んだトーンまで、マルチなサウンドを生み出すことが出来る、まさに私のロックンロール人生の結晶とも言えるギターが誕生した。
クラフトマン・片田武司 コメント
今回のEDDIE氏のモデル制作依頼はとても光栄な事でした。以前から彼のギタープレイは動画サイトなどで何度も観ていたのでオンラインミーティングではEDDIE氏からボディーのカラーといくつかの拘りポイントだけ伝えられただけでしたが、やりたいことがすぐにわかってとてもスムーズでした。あとは“あなたのセンスに委ねます”と私に託されているように感じました。それはとても有難くやり甲斐を感じるものです。きっと彼自身もギターへの造詣が深く、その方が良い結果になると知っていたのでしょう。彼の人柄が窺えました。
ボディのトップ、バック、サイドともにメイプル材プライウッドを使用し、マホガニーとメイプル材を組み合わせた独自のセンターブロック構造の薄型ボディです。
ボディーはアイボリーにシルバーのチェッカードステッチ。大きめのヘッドに白鳥貝でチェッカードステッチを施しました。Fホールは上品になり過ぎない大胆なカーブで描き、それに僕が彼をイメージしてデザインしたコウモリ風のピックガードを付けました。
いちばん苦労したのはEDDIE氏から手書き風のデザインが送られてきた指板のEDDIEロゴとドクロマーク。既存のフォントではなかったので、データをトレースしてアレンジしました。

ピックアップセレクターを左肩に、右肩にマスターボリュームの追加。これに関してもすぐに理解できました。グレッチを使っている彼ならではのアイデア。僕自身20歳の頃からグレッチを使っていたのでマスターボリュームが便利な事はすごく分かります。演奏中にソロやバッキングでピックアップを使い分けるEDDIE氏ならセレクターの位置はとても重要。

ピックアップは本人持込みのセイモア・ダンカン製。かなりパワーのあるピックアップでセンターブロックのセミアコとの組み合わせでクリーンから歪みまでとても心地良いです。あとはフレットの端を落とさないでほしい。弦が落ちるのがもっとも嫌だと言っていたのは印象的でした。とにかく製作していて楽しかったです。仕上がりを見て、素晴らしいギターだと言って頂き、即ライブで使用してくれたことが大変嬉しかったです。

このコラボモデルは、CGKオンラインショップにて完全受注生産で10月3日(金)より販売開始。
仕上がりには約6カ月を要するが、1年以上待ちの国産ギターも多いことを考えれば早いほうかもしれない。細部に渡り同じ仕様となるが、希望によってはスペックの変更も可能。
また、ネックの”EDDIE”のインレイはアルファベットを変更可能とのこと(いずれも変更には追加料金が発生する場合あり)。EDDIEと同じ仕様を持つのも良し、自分なりのアレンジを加えて自分の名前を入れるのも良いだろう。

MAD3の音楽と活動が一旦休止してしまうのは残念だが、結成時からずっと尖り続けた彼らの姿勢と、独学でギター作りを学び個性を爆発させるCGKのコラボモデルは、この時にふさわしい化学反応だったかもしれない。

▲シリアルナンバー入り
10月10日(金)に下北沢SHELTERで行なわれるワンマンライブではこのギターが弾かれるはずだ。
彼らを愛するゲストミュージシャンも駆けつけ、豪華な宴となるだろう。ぜひSHELTERでEDDIEの渾身の爆音プレイを体感していただきたい。(Photo:Yusuke Arai)
CGK_SE1_EDDIE VINZELLA

販売価格:394,000円(税別)/ 433,400円(税込)※ロゴ入りハードケース付き
発売日:2025年10月3日(金)
販売サイト:CGKオフィシャルオンラインショップ
<Specification>
Body:Maple Plywood
Body Finish:Nitrocellulose Lacquer
Neck Material:Mahogany
Fingerboard:rosewood 300R
Frets:22
Fret Size:Medium
Scale Length:628mm MediumScale
Nut:Graph Tech TUSQ
Pickups:SeymourDuncan Psyclone Vintage Filter’Tron
Switching:toggle switch(Switchcraft)
Controls:MasterVolume×1(CTS)/ Volume×2(CTS)/ Tone×2(CTS)
Selector : 3position(switch craft)
Tail Piece : Bigsby B3 Vibrato Tailpiece
Bridge:GOTOH Arch Top T.O.M.Ebony Base
Peg:GOTOH SD90
Strap Pin:GOTOH Ep-B3
商品情報
MAD3『VINZELLA』
発売日:2025年10月27日(月)
品番:RNR13
仕様:CD+7インチ•レコード2枚組
税込定価:¥3,300
発売元:ROCK'N'ROLL KINGDOM
流通:diskunion
【CD収録曲】
VINZELLA(Eddie)
444(Eddie)
CLASH ON 45(Eddie)
FEMME FATALE FROM HELL(Eddie)
JACK THE VIOLENCE(Eddie)
【アナログ7インチ・レコード収録曲】
VINZELLA(Eddie)
444(Eddie)
Live Info.
“VINZELLA” Release Anniversary One Man Show

出演:MAD3
ゲスト:Natsuko, ダイヤ・ピアノ・サンタ, ラム会長(暗黒プロレス組織666)
DJ:DADDY-O-NOV / ROCK(The Numbers!)
2025年10月10日(金)下北沢SHELTER
開場19:00 / 開演19:30
前売¥3,500 / 当日¥4,000(共にドリンク代別)
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