47年7カ月もの獄中生活を送ってきた袴田巖さんを追ったドキュメンタリー映画『拳と祈り —袴田巖の生涯—』が10月19日(土)ユーロスペースで公開するほか、静岡での劇場公開も決定した。10月19日(土)よりMOVIX清水、イオンシネマ富士宮、シネマサンシャイン沼津、11月15日(金)より静岡シネ・ギャラリー、11月29日(金)シネマイーラほか全国順次公開となる。
静岡での公開の知らせを聞き、本作のチラシを手に姉・秀子さんと並んで映る、袴田巖さんの近影と秀子さんのコメントも届いた。
また、再審判決(9月26日)まで1カ月を切り、本作の予告編も完成した。
▼ドキュメンタリー映画『拳と祈り —袴田巖の生涯—』予告編
『拳と祈り —袴田巖の生涯—』作品概要
2014年3月、東京拘置所。死刑囚の袴田巖さんが、突如釈放された。1966年6月に静岡県で味噌会社専務一家4人が殺害され、放火された事件の犯人とされ、47年7カ月もの獄中生活を送ってきた。明日突然、死刑が執行されるかもしれない。そんな恐怖の日々をくぐり抜け、30歳の元プロボクサーは78歳になっていた。ワゴン車で東京拘置所を後にした時、本作監督の笠井千晶が助手席でまわすカメラが捉えたのは、まるで夢から覚めたような袴田さんの表情だった。その夜、半世紀近く引き裂かれていた姉と弟が枕を並べた。さらに続くことになる司法との闘いを覚悟しながら、カメラは2人の生活を記録し、対話を重ね、袴田さんの心の内面深くに迫っていく。
袴田さんの無実の訴えは裁判所、そして世間からも黙殺された。そんな過酷な状況下でも、リングに上がり拳ひとつで闘った遠い記憶は、生き抜くための支えとなっていた。やがて袴田さんは獄中で、自らを「神」と名乗り始める。釈放され、生きて歩く死刑囚──。その存在は、権力によって覆い隠されてきた「死刑」という刑罰の残酷さを、白日のもとに晒す。釈放から10年の節目に完成する本作は、死刑囚のまま生きることを強いられた、袴田巖さんの闘いの軌跡だ。22年間にわたって袴田さんを追い続けてきた笠井監督は現在もカメラを回し続けている。そして、来るべき再審判決(2024年9月26日)の結末を見届け、いよいよ劇場公開される。
袴田秀子さんコメント全文
▲本作のチラシを手に姉・秀子さんと並んで映る、袴田巖さん
2014年3月27日、巖が、釈放された時、笠井さんとは同じ車で行動を共に致しました。私が、泊まり掛けで、出掛ける時など、巖の面倒など、見て頂いて居りました。監督と言うよりも、家族みたいな、関係でございます。映画の完成で、そのことがよく出ていると思います。上映にあたり、多くの皆様に、ご覧頂きたいと思います。
商品情報
映画『拳と祈り ―袴田巖の生涯―』
出演:袴田巖、袴田秀子
監督・撮影・編集:笠井千晶
音楽:Stephen Pottinger
タイトル題字:金澤翔子
ナレーター:中本 修、棚橋真典
整音:浅井 豊
撮影協力:三上誠志、原 徳則、永田靖、福田典嗣(スチール)
デスク:杉浦邦枝
海外コーディネーター:Todd Mckay
特別協力:
WBC(世界ボクシング評議会)
日本プロボクシング協会 袴田巖支援委員会
川崎新田ボクシングジム
企画・製作:Rain field Production
配給・宣伝:太秦
【2024年/159分/16:9/カラー/日本】
©︎ Rain field Production
10月19日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開