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トップニュース高橋悠治と坂本龍一による幻の対談本『長電話』が発売前に重版決定。朝吹真理子、TaiTan、若林恵による復刊に寄せたコメントを公開中

高橋悠治と坂本龍一による幻の対談本『長電話』が発売前に重版決定。朝吹真理子、TaiTan、若林恵による復刊に寄せたコメントを公開中

2024.08.28

坂本龍一が生前から準備していた図書構想「坂本図書」の第二弾として、今年8月30日(金)に書籍『長電話』(発行:一般社団法人坂本図書、発売:バリューブックス・パブリッシング)復刊。このたび発売前に重版が決定した(重版分の出来は9月末を予定)。
 
復刊にあたり、編集者・若林恵や小説家・朝吹真理子、ラッパー・TaiTanらによるコメントが寄せられた。

『長電話』復刊によせてのレビューコメント

朝吹真理子|小説家
本をひらくと、ふたりがいましゃべりはじめたようにきこえてくる。言葉は、読むひとがいるかぎり、新鮮に、何度も生まれなおす。
電話での会話は、文字になることはないから、切った後、おしゃべりした体感だけ残るものなのに、通話が文字で残ってしまった。約40年前の通話記録だけれど、いまとなにが違うのだろうと思って怖くもなる。
時間は、昨日今日明日へと一本の線でつづいているようにふるまっているだけで、現在(いま)はあらゆる時間とつながって同時に流れている。その感覚を読みながら思いだしていた。
 
TaiTan|ラッパー
言葉が遅くて安心する。これだけ博識同士の会話なのだから、さっさと結論を急げばいいのに、ふたりはそうしない。あくまでも会話のための会話を楽しむように、意味よりもリズムを、情報よりも冗談を、断定よりも可能性を、常に優先する。どんなに議論が深まって核心へ迫っても、どちらかが必ず筋を逸らして、「フフフッフ」とか笑いながら別の話題へと逃げてしまうのだ。無論、その度に、読者は宙吊りになる。だけれども、なぜだろう。そうしたやりとりの応酬が、現代を生きる私には羨ましい。ふたりは普通に会話をしているだけだろうに、たったそれだけのことが充分に羨ましい。総じて、言葉が論破だとか動員だとかの道具に成り果てた時代の処方箋として読んだ。今、復刊されることに価値がある。
 
若林恵(編集者・黒鳥社)による長文レビューは以下より読むことができる。
 
『長電話』の復刊によせて:ラディカルな編集のスタイルズ

『長電話』について

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『長電話』は、1984年に坂本龍一主宰の出版社《本本堂》から最初に出版された、作曲家・ピアニストの高橋悠治と坂本龍一の対話を収録した一冊。
長電話で語られる内容は音楽や芸術の枠を超え、多岐に渡り、二人の軽妙な会話から飛び出す言葉の数々は大きな示唆に富むものだった。事実、この本は“長電話“という手法も含め、多くのアーティストに影響を与えることとなり、絶版である今では幻の名著と呼ばれるに至っている。
 
なお、バリューブックスの予約特典付き購入ページはこちら(8月29日正午まで購入可能)。

商品情報

長電話

【著者】高橋悠治、坂本龍一
【ISBN】978-4-910865-08-9
【デザイン】日本デザインセンター 色部デザイン研究所
【発行】一般社団法人坂本図書
【発売】バリューブックス・パブリッシング
【発売日】2024年8月30日(金)
【価格】3,080円(税込)
【頁数】225ページ
【判型】四六判

【対話の話題】※一部抜粋
長電話、大好き/電話というメディア/ウォークマン/ブルース/ロックンロール/ヴィジュアルなコンサート/パフォーマンス/目立ちたがり/見守られる不快/夢の時/現代音楽・コンピュータ・未来/時代のファッション/社会の経済的余裕/都合のいい考え/主義主張/武道館で音楽が成立する時代/正義は勝つか/国家か企業か/CM表現/アメリカの桁/仕事の断り方/お金の話

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