本日6月28日(水)、坂本龍一の言葉を身近で聞いてきた有志で立ち上げた、「坂本龍一と神宮外苑を心配する」と題したウェブサイトが公開された(URLはこちら)。
このウェブサイトは、坂本龍一の意思を引き継ぐのではなく、一人ひとりがこの課題を知り考え、それぞれの意見と意志を持ち、行動するきっかけとなる「道具」を提供することを目的としているという。
坂本龍一が最後まで心配し続けた神宮外苑再開発に関わる彼自身の言葉をまとめるとともに、この開発にまつわる公式文書の一覧を作成。また、東京都環境局により環境影響評価審議会でのやりとりやイコモスなどの指摘の引用や、図解の掲載や配布する。
【「坂本龍一と神通外苑を心配する」プロジェクト実行委員会プレスリリースより】
「緑豊かな都市景観を保全し、にぎわい溢れるスポーツの拠点をさらに発展させる、大規模まちづくりを目指す」という「神宮外苑地区第一種市街地再開発事業」、いわゆる「神宮外苑再開発」がついに本格始動しました。推進ありきで計画は進行されてきたので、本来であればプロジェクトに関わることが望ましい多様なステークホルダーの声は重視されていません。結果的に、人々が約100年をかけて守り育ててきた神宮外苑の貴重な自然や景観が大きく改変されようとしています。
その計画に「一度、立ち止まりませんか?」と声を上げたのが、闘病中であった坂本龍一でした。自身のSNSでの情報発信はもちろん、小池百合子東京都都知事に手紙を送り、さまざまなメディアを通じてメッセージを届け、未来の世代が生きる世界を案じ続けていました。それらが坂本龍一の「最期のメッセージ」として、逝去の報道とともに世界中に広がっていったのはご存知かと思います。その後、多くの市民、文化人、知識人、報道関係者が声をあげてはいますが、残念ながら社会的なイシューになったとは言えない状況です。
開発を推進する事業者は、十分な広告宣伝費をかけ、計画のポジティブな面を大々的に語ります。しかし私たちは、今回の課題の是非判断するために十分な情報が人々に届いているとは考えていません。「坂本龍一と神宮外苑を心配する」では、行政の公開資料、専門家による考察の引用、それをわかりやすく翻訳した図など、さまざまな資料を読み込み、まとめることで、一人ひとりがこの課題に対して考え、意見と意志を持ち、行動するきっかけとなるような「道具」を提供したいと考えています。
私たちは、この道具を市民だけでなくメディアのみなさんにも使っていただきたいと考えています。
事業者側の資料は、使用制限がかけられているものも少なくなくありません。当プロジェクトの作成資料や写真は基本的に「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」として公開します。