卓越した演技力で観る者を圧倒し続ける俳優・藤原竜也。 独特な色彩美で幻想的な世界へいざなう写真家・映画監督の蜷川実花。 ふたりの異才が、 ファッション誌『Oggi』でフォトセッション。 オンナ心を惑わす「悪い男」をテーマに濃密な撮り下ろしに挑んでいる。
セッションは、 蜷川が旬の俳優やアーティストを撮り下ろす同誌の不定期連載「悪い男」で実現。 演出家の故・蜷川幸雄の薫陶を受けた藤原と、 娘・実花という特別な関係のセッションは、 かねてから親交の深い間柄だけに息の合った撮影になった。
今回、 藤原が演じた「悪い男」の設定は、 「もしも藤原竜也さんが居候だったら」。 写真にはこんな物語が添えられる。 <ただそこにいるだけで妖しい魅力を放つ人。 引き留める理由は見つからないし、 きっと彼も留まる理由はないけれども、 お互い逃げられないでいる>。 <別にどうだっていいじゃないか・・・藤原竜也はいい加減な男>
裸のままベッドの上で過ごす“居候”と、 離れられない男女の関係。 退廃的な愛のかたちを、 蜷川があえてモノクロームで撮影し、 40歳を手前にあふれ出す藤原の大人の色気を白と黒の世界で妖しく写し出す。 現在公開中の主演映画『鳩の撃退法』では、 かつて直木賞を受賞した天才作家役を演じている藤原だが、 写真には映画を連想させる、 万年筆と原稿用紙を手にするシーンも。 モノクロの世界で裸で執筆するその姿はデカダンの作家をも連想させる。
撮影は、 メイクルームから登場して1分にも満たない間に始まり、 なんと15分で終了。 普通では考えられない高速セッションからも、 ふたりの信頼の強さがうかがえた。
「それぞれの作品の現場で『やりやすい、 やりにくい』ということを考える方ではないのですが、 実花さんに関してはそれと別に真剣に向き合わなきゃ、 という気持ちになります。 映像でも写真でも面白いんですよ、 実花さんのお仕事。 今日も楽しかったです」(藤原)
ふたつの才能が生み出した奇跡の写真は、 明日27日(金)発売の『Oggi10月号』で。