『ロッキング・オン』の創刊同人、内田裕也のマネージャー、フジロック『アトミック・カフェ』の主催者として知られる大久保青志が、『フェスとデモを進化させる 「音楽に政治を持ち込むな」ってなんだ!?』を4月19日にイースト・プレスより上梓する。
本書は、ブルーハーツ、尾崎豊、浜田省吾らを反核フェスにブッキングしたフェスとデモの仕掛け人による戦いの記録であり、「市民運動と音楽ファンがクロスする新しい動きを作った中心が大久保さんだった」と語る津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト、「アトミック・カフェ」司会)との対談、「古い友人で尊敬できる人間。俺は大久保みたいにはできないもん」と語る日高正博(フジロック・フェスティバル主催)との対談も特別収録されている。
「アトミック・カフェのデモでは、ブルーハーツが先頭に立ってアコースティック・ギターを弾きながら歌ったりもしていたし、まさにサウンドデモの走りだった。それはSEALDsや反原連とかの運動にも繋がっている、と僕は思ってるんだけどね」と綴られる本書は、「音楽と政治の融合」を通じて大久保が語る新たなる音楽史と言えるだろう。
本書の内容は以下の通り。
【はじめに】音楽と政治の平和なシナジーを目指して
【第1章】音楽とフェスに社会的メッセージを
◉「社会性を持ったフェス」フジロックの立ち上げ
◉なぜ日本のミュージシャンは政治的発言を避けるのか?
◉日本初、政治と音楽の合体フェスティバル
◉野音のステージから飛び降りた尾崎豊
◉尾崎豊インタビュー
◉渋谷東映の椅子破壊、野音炎上で始末書
◉ブルーハーツがアコギでパレードを先導
◉「プロ市民」だけでやっていても広がらない!
◉「ロッキング・オン」の創刊同人になった
◉デビュー直後のユーミンを学園祭に呼ぶ
◉バースデーソングとスナフキン
◉正気の沙汰ではない郡山ワンステップ・フェスティバル
◉イベントは無理無益こそが素晴らしい
◉内田裕也の葬儀で思ったこと
◉内田裕也のマネージャー時代
◉「日本のバンドを海外のバンドと対等に扱え」
◉窮地を救うのはいつも樹木希林
◉日本語ロック論争と内田裕也への曲解を正す
◉ロックンロール好き・フォーク嫌い・イベント好きで裏方志向
◉「キケンするならROCKにヨロシク!」
【特別対談】津田大介 × 大久保青志「芸術を怖がっているのは誰なのか?」
【第2章】デモと政治をフェス化する
◉保坂展人との出会いから政治の世界へ
◉「お尻を出した女性が踊るとは何事だ!」
◉土井たか子だけが市民運動に理解があった
◉「お前が出ろ」と担がれて、都議にトップ当選
◉わんにゃん議員とヤジられて
◉海外視察で実感した日本の浅い民主主義
◉森田健作は応援できない!
◉スティングに対する環境庁の残念な態度
◉野党が与党になって面喰らう
◉ドブ板スタイルになじまず、4年で議員生活終了
◉落選したらどうやって暮らすのか?
◉新党立ち上げで「リベラル」という言葉を使う
◉辻元清美の政策秘書、国交省に出入りする日々
◉音楽業界と政界の人脈を生かして
【第3章】フェス・デモ仕切りの法則
◉デモのプロ「レーベン企画」とは
◉日本初の政治集会専門イベンター
◉5万人規模の集会をどう仕切る?
◉ロック・フェスのノウハウを踏襲して
◉国会前の抗議スピーカーはどこに設置する?
◉右翼の妨害に対応する
◉10万人が集まったら?
◉街宣車、用意できます
【特別対談】日高正博 × 大久保青志「フェス主催者の責任と覚悟」
【第4章】運動にはかっこよさと美しさが必要だ
◉祖父の仕事は音楽家を守ることだった
◉「お前、なんでグレなかったの?」
◉「東大闘争」の演説で運動に目覚める
◉運動にだって、かっこよさとか美しさが必要だろ?