昨年90周年を迎えた名門デッカ・レコードとブルーノートがタッグを組み、10月2日に日本先行発売されるアルバム『ブルーノート・リイマジンド』。現在のUKジャズ界を代表するアーティストが集結しブルーノートの名曲を鮮やかにカヴァーしている本作だが、日本盤のボーナス・トラックとして収録されるKan Sanoの「シンク・トゥワイス」が、同日10月2日にデッカ・レコードから配信シングルとして全世界リリースされることが分かった。
クラシック音楽を取り扱うデッカ・クラシックスはこれまでに小澤征爾や村治佳織などの日本人アーティストをリリースしてきたが、ジャズやポップスなどを扱うデッカ・レコードが日本人アーティストの楽曲を全世界リリースするのは、今回のKan Sanoが史上初。かねてよりトム・ミッシュやジャイルス・ピーターソンなどUKジャズ界からも称賛されているKan Sanoだが、かつてザ・ローリング・ストーンズの「ベガーズ・バンケット」や「レット・イット・ブリード」といった名盤を生み出し、デビュー前のザ・ビートルズをオーディションで落選させたという伝説も持つ名門中の名門である英国レーベルの歴史に、日本人として初めて名を刻むことになった。
この快挙について、Kan Sanoは「デッカ・レコードから日本人アーティストとして初めて楽曲をリリースすることについてまだ実感がまったくないのですが、とても光栄なことです。日本には新しいジャズを生み出している素晴らしいアーティストがたくさんいますし、他の誰かが「初めて」になっていた可能性もあります。自分はただラッキーなだけだと思います」とコメントしている。
また、今回参加した『ブルーノート・リイマジンド』については、「ウェイン・ショーターの『ナイト・ドリーマー』のカッコよさに気づいたのが20年前。気がつけば十代の頃から今までずっとブルーノート作品に魅了されていますが、こうしてブルーノートと関われることが嬉しいです。今回の『ブルーノート・リイマジンド』参加アーティストはそれぞれかなり自由に解釈、再構築していて素晴らしいです。あらゆる音楽のエッセンスが詰まっている。これが今のジャズだと思います」と語っている。