初のベストアルバム『SKY-HI's THE BEST』をリリースしたSKYHIが、9/26に自身の実家からオンラインライヴ「#SKYHI実家ワンマン」を開催した。3月にはリハーサルスタジオから、5月には一部をJ-WAVEと連動して自宅から、6月には自身が初めてワンマンライヴを開催した新宿BLAZEから、7月にはAR/VR演出を取り入れKT Zepp Yokohamaからと、コロナ禍においても活動を止めることなく積極的に活動してきたSKY-HIだが、今回は彼自身が育った実家にステージを移してオンラインライヴを開催した。
オーセンティックなHIPHOPビートの上にスクラッチで乗っかる「光啓、起きなさい!」という母親の声から始まったこのライヴ、序盤は実父母も参加しながらポップ曲を披露。縦に横に、時には身振り手振りをもする2人に、『Blanket』や『Count Down』等ではお馴染みのコール&レスポンスを誘うSKY-HIの姿はなんとも微笑ましいもの。
リビングにSKY-HIのみが残されてからは、スペースを縦横無尽に巧妙なステップで動き回るいつも通りのパフォーマンス。『Goodbye To The System』『Sexual Healing』ではほんのりとした暖色ライトで演出。
『何様 feat.ぼくのりりっくのぼうよみ』ではYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」のためにリアレンジしたアコースティックバージョンを交えた新しいスタイルでライヴとしては初披露。落ち着きとシリアスが入り混じったなんとも絶妙な雰囲気は「実家でライヴ」というそれと似通っているものすら感じ得られた。
バラード曲ではセッティングされたキーボードでの演奏をも交えながら、SKY-HIのライヴとしては定番のパフォーマンス。しっとりと歌いあげた『LUCE』から続くこのゾーンでは「何度聞いても刺さる」「今だからこそこの曲の意味が深く感じる」という声が多く寄せられ、改めてSKY-HIが活動を通して発信するメッセージを強く感じることができた。
ライヴ本編にはゲストに出演として、先日日本デビューを果たしたタイのポップスター・STAMP、親友である韓国のラッパー・Reddyが登場。また盟友のラッパー・SALU、楽曲「Sexual Healing」をプロデュースした韓国のシンガーソングライター・Samuel Seoや、親友・たなかは動画コメント越しに「#SKYHI実家ワンマン」を盛り上げた。
後半では、SKY-HIから「大事な話」として、自身が発起人及び代表取締役CEOとしてアーティストマネジメント及び音楽レーベルの新会社“BMSG”(読み:ビーエムエスジー)を設立したと発表。「才能を殺さない為に。」をスローガンに掲げた同社の契約第1弾アーティストとして、若い世代を中心に強い人気を誇るラッパー・Novel Coreが、avexと共同設立となるレーベル“B-ME”(読み:ビーミー)からメジャーデビューすることを発表。そのNovel Coreもサプライズゲストとして登場しメジャーデビューシングル「SOBER ROCK」を歌唱し、SKY-HIとのコラボ楽曲「Doze Off」も披露した。
SKY-HIは「実家という愛のある空間」からこの生配信ライヴを行ったことに対して「俺が幸せである意思表示になった」と語った。両親のパフォーマンスを「最高!」と讃えれば、汗を拭くタオルを乞う一面もあり、はたまた終盤では食卓の準備をする母にさりげなく台所の電気をつけたり・・・SKY-HIという人間が育った深い愛の漂う空間は、このコロナ禍で一際強く感じ得てしまう「寂しさ」「恋しさ」をまるで埋めてくれるような、なんとも温かいものだった。最後の楽曲は『New Verse』。「生まれ直し」を意味するこの楽曲に「自分の弱さを認め、そんな自分でも愛してあげよう」というSKY-HIらしい言葉を乗せてライヴは終了、前代未聞の「実家ワンマン」は幕を下ろした。
ライヴについて視聴者からは終始多くの声が寄せられ、Twitterの日本トレンド3位、また配信終了後YouTubeでは急上昇ランク2位にまで浮上。「本当の家とは思えない」「実家でこのクオリティはすごい」と、マイクを持ったその場所をどこでもステージにたちまち変貌させるSKY-HIのマジックには視聴者も感嘆の声を上げていた。
SKY-HIが立ち上げた新会社ではNovel Coreの契約の他に、2021年デビュー予定のボーイズグループのオーディション開催も発表され、オフィシャルサイトでは募集が開始されているとのこと。また2020年いっぱいで活動休止を発表しているAAAのメンバーでもあるSKY-HIはエイベックス・マネジメント(株)とのアーティスト契約は継続される模様で、両社ともに前向きで良好な関係とのこと。
「食べていけるまでの道筋、売れた後の道筋、メンタルサポート、悩みを晒せるコミュニティづくり、対等な契約、そしてファンとの本当の意味での信頼関係の構築や共生など、今まで必要とされながらも用意されることのなかった、新しい仕組みをつくっていこうと思う」とSKY-HIは語っており、音楽業界に新たな風穴を開けるべく、大きく動き出している。
また、「#SKYHI実家ワンマン-Family Homesession- 」のセットリストをまとめたプレイリストをApple Muisic、Spotifyにて公開中。ぜひこちらも合わせてチェックしてみてはいかがだろうか。