2020年6月25日(木)に児童書『何かが奇妙な物語 墓標の町』『何かが奇妙な物語 緩やかな別れ』を2冊同時発売。表紙は、2冊とも、伊藤潤二氏描き下ろしのオリジナルイラスト。
伊藤潤二氏といえば、 言わずと知れたホラーマンガ界の第一人者。 氏の作品は、 国内はもちろん、 海外でも高い人気と評価を得ている。 代表作は『富江』シリーズや『うずまき』など。 画風は細密でグロテスクでありながら、 奇妙なおかしさや妖しい美しさもあり、 見る者に強烈なインパクトを与える。
しかし伊藤潤二氏が織りなす恐怖は、 絵だけで成り立っているのではなく、 独特の世界観や物語性にしっかりと支えられている。 単なる幽霊譚や異形の者たちへの恐れとは一線を画し、 常識を歪ませる不思議な現象や、 人間の心の闇が生み出す怪異など、 作品ごとにテイストの異なる戦慄を味わうことができるのが、 最大の魅力なのだ。
恐怖を感じるのは、 「想像力」がある証拠ですし、 「よい恐怖」ほど、 子どもたちの想像力を刺激するきっかけになる。 『何かが奇妙な物語 墓標の町』『何かが奇妙な物語 緩やかな別れ』は、 “伊藤潤二ワールド”を小説化することで、 物語に緩急をつけ、 より恐怖を際立たせている。 不穏な雰囲気を感じながら読み進めていると、 ふいに現れる原作マンガの驚愕シーン。ホラー好きの小中学生を対象にした児童書とはいえ、 忖度はいっさいなし。ページをめくるときには心の準備が必要な、 悪夢のような読書体験、 そして想像を超えた恐怖体験をお約束。
数多ある伊藤潤二氏の傑作短編の中から厳選し、 『何かが奇妙な物語 墓標の町』には12編、 『何かが奇妙な物語 緩やかな別れ』には11編を収録。 本書は、 大人が読んでも楽しめる作品集。 今まで“伊藤潤二ワールド”を知らなかった人への、 最初の道標としてもお勧めだ。