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音楽を届けるならNoGoDという姿勢だし、そこは今も変わってない。団長(NoGoD)インタビュー公開!

2020.06.18

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「人類皆等しく凡人なり」、団長(NoGoD)が「凡人」宣言!!

 
 NoGoDのヴォーカリストとして活動中の団長が、#stayhomeな今の社会情勢に寄り添う形であり、全国各地に隈なく想いを届ける術として、6月下旬にWEB SHOP限定販売のもと、初のソロ・ミニアルバム「凡人歌集」を発売する。アコースティックギターにNoGoDのshinnoを、パーカッションには同じくNoGoDのKを迎え、それぞれブースを区切ったソーシャルディスタンスな形のもと、一発録りでレコーディング。生歌/生演奏ならではの迫力と臨場感を持ったアンプラグドな作品を作りあげた。
  収録した楽曲はどれも、NoGoDでは表現し得ない曲調や歌詞の内容ばかり。もともと、NoGoDの表現枠から外れた楽曲を、団長がソロライブ時にアコースティックなスタイルで披露していた背景もあるように、どの楽曲もNoGoDの延長線上にありながらも、すべての歌に団長自身のマインドが色濃く反映されている。
 そんなミニアルバム「凡人歌集」の魅力を、近況も交え、団長に語っていただいた。
 

音楽を届けるならNoGoDという姿勢だし、そこは今も変わってない。

 
――世の中が不要不急の外出を制限していた4月や5月の時期、団長はSNSなどのオンラインを通し、自宅からのリモートワークという形で精力的に動いていましたよね。その時期に、同時に水面下で押し進めていたのが、6月下旬よりWEB SHOP限定で販売になる団長初のミニアルバム「凡人歌集」だったわけですね。
 
団長 :そうです。ただし、楽曲はもともとあったもの。ソロとしてちゃんと人前で弾き語りをやるようになったのが、10周年の時期だから5年前頃。弾き語りを始めたきっかけは、NoGoDとして足を運ぶのが難しい地域や規模的に小さな会場でも、自分一人が弾き語りとして出向くぶんにはフットワーク軽く行けるなという理由から。つまり、NoGoDの活動の延長上で始めたことでした。
  俺自身が、ソロ活動をしたいわけでもなければ、ソロデビューを飾りたい願望は今もまったくないように、音楽を届けるならNoGoDという姿勢だし、そこは今も変わってないです。
 
――それが、なぜ今回のソロ作品の制作へと進んだのかが気になります。
 
団長 :春先から今のような状況へ陥り不要不急の外出を制限されたこともあって、NoGoDとして表立った活動が出来なくなりました。NoGoDに関しては4月と5月の2ヶ月間、共に行動するどころか、メンバーらと会うことも出来ない環境へ陥りました。だからと言ってNoGoDの活動を止まりたくはなかったし、その時期に出来ることは何だろうと模索していた中で思い立ったのが、配信ライブだったら、たとえ一人でもアコースティックなスタイルでなら出来るし、ちょうどいいやと思ったのが、最初のきっかけでした。
 
――ソロとしての楽曲も、けっこうストックしていたわけですよね。
 
団長 :ソロ活動を始めた当初こそ、NoGoDの楽曲をアコースティックなスタイルで演奏していましたけど、その形にアレンジするのがとても難しいこともあって、そこからアコースティックな形で演奏にするのに似合うオリジナルの楽曲を作ろうという意識になり、それで曲も制作し始めました。
  結果、この数年間の中でアルバムを作るに相応しい曲数が揃ったことや、今回、表だった活動が難しくなった環境もあり、自粛期間のこのタイミングでソロアルバムを作ろうという意識になりました。加えて、先にKyrieがNoGoDの楽曲をインストアレンジしたアコースティックなミニアルバムを発売したこともあり、そこへ続こうという想いも、良い意味で気持ちを後押ししてくれたなと思います。
 
――楽曲は、けっこう溜まっていたのでしょうか?
 
団長 :全部で11曲くらいはありました。ただ、アコースティックなスタイルでフルアバムにするよりは、ミニアルバムのほうが耳心地好く入るなと思い、その形にしました。ソロの場合は自分の感情や欲求のみで作るように、尖ったり、ひねりを効かせたりというアプローチは、NoGoDの楽曲以上に強く出ているのではないかと思います。
 
――ミニアルバム「凡人歌集」を聴いて感じたのが、NoGoDで表現するとき以上にストレートかつダイレクトに言葉をぶつけてゆくんだなということでした。
 
団長 :自分で歌うための楽曲を作る中で一番「楽しい」と思えるのが、一切の制限もなく100%の自分自身を出せること。NoGoDの場合は、みんなでブラッシュアップしてゆくのが楽しいように、いろんな人たちと意見を交わす中で生み出すことに面白さがある。でも、ソロの場合は自分の感情や欲求のみで作るように、尖ったり、ひねりを効かせたりというアプローチは、NoGoDの楽曲以上に強く出ているのではないかと思います。
 
――言葉を使い方も、かなり真っ直ぐというか、ギミック無しに届けていますよね。
 
団長 :ソロで歌っているのは、バンドで使うには難しい曲たちのように、NoGoDらしさとは違う表情が出ていますからね。
 
――そこに、ソロとして歌う意味を感じているわけだ。

団長 :そうです。それと、4月や5月の時期は、作品を発売してもリリースイベントも出来ないどころか、CDショップも動いていなかった。もちろん、観客を入れたライブ活動を行うなんてもっての外の環境だったからこそ、待ってくれているファンたちのために少しでも前向きになれる発表であり、みんなの励みになることをと思い、今回のリリースに至った面もありましたからね。
  今回の作品を通販オンリーにしたのも、まだまだCDショップに足を運ぶのが難しい環境の人たちが多いことから。ソロとしてのライブ配信はもちろん、これからNoGoDとしてもオンラインを通してライブ配信を行おうと思っているんですけど。その手段を取ったのも、配信ならどこの環境にいようと、ネットさえ繋がっていればNoGoDのライブを楽しんでもらえるなという気持ちからなんです。
 
――ということは、これからは無観客でのライブ配信を軸に据えて活動を行うということでしょうか?

団長 :まだ、お客さんを入れてライブ活動が難しい6月と7月は、その形を取ってのライブを届けていくつもりです。8月以降は、各都道府県の条令や条件、箱ごとのソーシャルディスタンスを心がけながら、お客さんを入れた形でのライブにしていきたいなということで、いろいろ準備に奔走しています。とにかく、早くNoGoDとして音を出したいんです!!
 
――そこへ繋げるためにも、まずは配信ライブからスタートしようと。

団長 :うです。きっとその時期は、いろんな人たちが配信ライブを始めると思います。自分は、団長ソロとしてすでに無観客での配信ライブを行ない続けてきた経験もあるように、他の人たちとは違う、配信ライブだからこその意味や醍醐味を持った見せ方をしていきます。そこで、他のバンドさんらとの差別化を図っていくように、リアルでも感じれない、配信ライブでしか観れないNoGoDの演奏や映像を届けていくつもりです。        
 

「凡人歌集」全曲解説!!

 
――ここからは、ミニアルバム「凡人歌集」に収録した曲たちについて語っていただければと思っています。まずは冒頭を飾った、人よりも秀でたものもなければ、想いとは裏腹に行動にも起こせない。でも、ほとんどの人が凡人なんだから、そんな自分を認めて生きようと歌う「凡人哀歌」からお願いします。

団長 :世の中で天才と呼ばれている人たちに比べたら、自分は凡人だと思っています。俺が本当に天才だったら、もっと人に評価されているはず。まぁ、そこにはいろんな皮肉を込めた意味を詰め込んでいますけど…。
  NoGoDとして足を運ぶには難しい場所や規模的に小さな環境の箱でもソロでなら歌を届けられるとの想いから、弾き語りでライブ活動を始めたのが数年前のこと。「凡人哀歌」を作ったのも、その頃でした。いわゆるNoGoDで表現するには難しいからソロで…ではなく、この歌はあえて、ベタベタな昭和のフォークソングをと狙って作りました。中で「ライララーラライラライ」と歌っているように、みんなで合唱したい想いも、もう一つの狙いとしてあったことでした。
  想いは真っ直ぐですが、歌詞が皮肉めいて聞こえるのも、NoGoDでならあえて制限をかけてしまう表現さえ無くし、気持ちのままに記したからだと思います。中へ綴った「今日も人は学ばない」の歌詞を、今のコロナ情勢に重ね合わせる方もいますが。昔も今も、人々が立ち上がり訴えを起こす行動は世界中で生まれています。だけど、同じようなことが何度も繰り返されるように、人はなかなか学ぶことが難しいのが現実です。そういう動きを傍目で観ながら、結局は何が出来るわけでもなく過ごす人たちも大勢いる。でも、しょうがないんですよ。自分も含め、みんな凡人なんだから。そんな、人が持つ人生の哀切さを歌にしました。
 
――次は、「凸凹」ですね。

団長 :自分が初めてアコースティックギターを手にしたのが高校生のとき。その頃にブームだったのが、ゆずや19、唄人羽のようなアコースティックデュオ。「凡人哀歌」が昭和のフォークソングなら、「凸凹」では平成のフォークソングをやりたかったんです。
  歌詞では、互いに価値観は違うけど、お互いに求めあっている。そんな凸凹な関係であることが、「僕等 お似合いだから」という互いの幸せに繋がっていることを歌にしています」
 
――「続くといいね」では、ファン側が抱くバンドに対する想いと、バンド側からのファンへの気持ちを描写。「好き」と熱狂しつつ離れてしまう人たちへ向けた切ない皮肉と、変化を求めないファンに向け、僕らは変わり続けたいとバンド側の持つ本音を比較するように記しながら、「人の価値観が変わってゆくのは仕方がない。でも、好きだった気持ちまで否定はしないで欲しい」と、団長は歌いかけました。
 
団長 :こちらもソロ活動を始めた頃に作った曲。もう、厭味の塊ですよ(笑)。5年前と言えば、NoGoDの結成10周年の時期。その当時の自分は、理想と現実のギャップにとてもストレスを感じていました。
  あの当時も、今もそう。「大好き、大好き」と熱狂してくれていた人たちほど、何かをきっかけにパッと離れていく。就職や恋愛、結婚や出産など、そこにはいろんな理由があると思います。そこで繋ぎ止められず、その人の熱を冷ましてしまった原因は自分たちにもあると思います。
 自分たちもそうだけど、人は、生きてく環境の中で意識や考え方も変わってゆくもの。ただ、あんなにも熱狂していたことを、恥ずかしいもののように否定や拒否はしないで欲しい。自分だって、ガキの頃から聴いてきた音楽性とは変わっていても、あの頃に好きだった音楽は今でも「好きだな」と思っています。よく「わたしはこのバンドを上がったから」「ヴィジュアル系を上がったから興味ないの」と無下に否定するように言う人たちがいますけど、その当時は本気で好きだったんだから、その姿を認めてあげてもいいじゃない。「続くといいね」は、ぜひ全世界のバンギャルさんたちに聴いていただきたいですね」
 
――「凸凹」と同じようなシチチュエーションを「希望の朝」には感じました。

団長 :この曲は自粛期間中に作りました。この歌でも「凸凹」のように、相手の(男女の恋愛における)気持ちや価値観の違いを歌にしています。「凸凹」では、それがポジティブに向いていましたが、「希望の朝」ではネガティブな方向へ向いています。たとえどんなことがあろうと、等しく夜は明ければ、朝は来るんですよ。ラジオ体操の一節ではないですが、最期に「希望の朝が来た」と歌っているように、嫌でも朝が来たら新しい明日へ進んでいくしかないんだからと、そこには希望を込めています。
  もちろん、その結末を皮肉と捉えてもらっても構いません。僕らは凡人だから、自分の気持ちさえも割り切るしかないんですよ。それくらい未練がましい想いも歌にしていれば、人ってそういうものだろうとも自分では受け止めています」
 
――経験を重ねるごとに知る、理想と現実との違い。それでも生きていくしかない現実に向けて吠えた「冗談じゃない」は、ライブでも人気の高い楽曲です。

団長 :これも5年前頃に作った楽曲です。お客さんらと一緒にシンガロング出来る景気の良い楽曲が好きで、ライブの最期にかならず演奏をしている鉄板曲です。レコーディングにあたり、SNSを通し、みんなから歓声や手拍子をいただき、それも加えました。
  この歌詞、すごくひねくれていますけど。「どんな状況だろうとやるしか…生きるしかない」という今のご時世にもピッタリな内容に聞こえてくると思います。「毎日毎日僕らは鉄板の上~」と記したブロックの歌詞は、「およげ!たいやきくん」をオマージュしています。もう何十年も前から人としての本質を突いていたことがすごいなと思って。この歌詞には、いろんなパロディなどシニカルな表現も散りばめました」
 
――最期は、心が、どんなに掻き乱れようと誰にでも等しく「前を向ける明日が来る」ことを、願いを込めて歌った「good night」ですね。

団長 :「good night」を作ったのは2年前頃。「冗談じゃない」で本編が終了し、ボーナストラック的な意味合いとして「good night」を入れました。冒頭の「凡人哀歌」と最期の「good night」のみアコギと歌だけの演奏にすれば、すぐ横で唄い爪弾くような生々しいミックスにも仕上げました。
  この歌の最期も「希望の朝」と同じ景色ですが、最期に「良い事があると願って 明日に」と書いたように、しっかり希望を持たせました。でも、「希望の朝」も「good night」も、根底にある想いは一緒なんですよね」
 

天才も凡人も、幸せを覚えている人も悲しみを背負っている人も、生きてくことに優劣はない。

 
――団長は、ミニアルバム「凡人歌集」を通し「天才も凡人も、幸せを覚えている人も悲しみを背負っている人も、生きてくことに優劣はない。自分は特別じゃなく、自分と同じ境遇の人はたくさんいれば、同じ命を授かった以上は、等しく頑張って生きていこうぜ」と伝えてきましたよね。

団長 :この作品で言いたかったのは、世の中の9割5分は凡人。自分も含め、みんな特別秀でているわけでもなければ、人と違うこともない。「わたしだけが息苦しい」じゃなくて、それもみんなの中へ等しくあること。日々の悩みだって「キミだけに起きた特別なこと」ではなく、みんなが持っていること。さらに言うなら、"凡人だろうが、天才だろうと、生きていかざるを得ないように、そこに何も違いはない。要は、「だから頑張って生きていこうぜ」ということなんです。
 
――なるほど。

団長 :天才も凡人も、幸せを覚えている人も悲しみを背負っている人も、生きてくことに優劣はない。自分は特別じゃなく、自分と同じ境遇の人はたくさんいれば、同じ命を授かった以上は、等しく頑張って生きていこうぜこの作品を聴いて、少しでも心の荷物を下ろしてもらえたら嬉しく思います。
 
――最期に、NoGoDの近況も教えてください。

団長 :NoGoDは、4月と5月に関しては一切の活動を止め、メンバー各々のスキルを磨く時間や、未来を見据えた創作活動へ費やしてきました。だからこそ6月と7月は、ライブハウスから精力的に配信ライブを行えば、8月以降より、ソーシャルディスタンスなど諸条令を守ったうえで、リアルなライブ活動を再開するための準備も始めています。
 今は、NoGoDの15周年を祝ういろんな企画が延期になっているように、この15周年企画を演り終えるまでは15周年イヤーを続けるつもりです。それに加え、今年の頭から開催してきた「Ism」ツアーで配布したり会場販売してきた曲たちも含め、2020年度のNoGoDの活動の集大成となる作品を出す計画で今いろいろ動いているように、そちらも楽しみにしていてください。
 
TEXT:長澤智典
 
 

商品情報

凡人歌集


品番:APCRD-2002G
価格:¥2,300+税

1.凡人哀歌
2.凸凹
3.続くといいね
4.希望の朝
5.冗談じゃない
6.good night

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