NoGoDのヴォーカリストとして活動中の団長が、#stayhomeな今の社会情勢に寄り添う形であり、全国各地に隈なく想いを届ける術として、6月下旬にWEB SHOP限定販売のもと、初のソロ・ミニアルバム「凡人歌集」を発売する。アコースティックギターにNoGoDのshinnoを、パーカッションには同じくNoGoDのKを迎え、それぞれブースを区切ったソーシャルディスタンスな形のもと、一発録りでレコーディング。生歌/生演奏ならではの迫力と臨場感を持ったアンプラグドな作品を作りあげた。
収録した楽曲はどれも、NoGoDでは表現し得ない曲調や歌詞の内容ばかり。もともと、NoGoDの表現枠から外れた楽曲を、団長がソロライブ時にアコースティックなスタイルで披露していた背景もあるように、どの楽曲もNoGoDの延長線上にありながらも、すべての歌に、団長自身のマインドが色濃く反映されている。
収録した6曲について、団長は、以下のように想いを語ってくれた。
凡人哀歌
「世の中で天才と呼ばれている人たちに比べたら、自分は凡人だと思っています。俺が本当に天才だったら、もっと人に評価されているはず。まぁ、そこにはいろんな皮肉を込めた意味を詰め込んでいますけど…。 NoGoDとして足を運ぶには難しい場所や規模的に小さな環境の箱でもソロでなら歌を届けられるとの想いから、弾き語りでライブ活動を始めたのが数年前のこと。「凡人哀歌」を作ったのも、その頃でした。いわゆるNoGoDで表現するには難しいからソロで…ではなく、この歌はあえて、ベタベタな昭和のフォークソングをと狙って作りました。中で「ライララーラライラライ」と歌っているように、みんなで合唱したい想いも、もう一つの狙いとしてあったことでした。想いは真っ直ぐですが、歌詞が皮肉めいて聞こえるのも、NoGoDでならあえて制限をかけてしまう表現さえ無くし、気持ちのままに記したからだと思います。中へ綴った「今日も人は学ばない」の歌詞を、今のコロナ情勢に重ね合わせる方もいますが。昔も今も、人々が立ち上がり訴えを起こす行動は世界中で生まれています。だけど、同じようなことが何度も繰り返されるように、人はなかなか学ぶことが難しいのが現実です。そういう動きを傍目で観ながら、結局は何が出来るわけでもなく過ごす人たちも大勢いる。でも、しょうがないんですよ。自分も含め、みんな凡人なんだから。そんな、人が持つ人生の哀切さを歌にしました」
凸凹
「自分が初めてアコースティックギターを手にしたのが高校生のとき。その頃にブームだったのが、ゆずや19、唄人羽のようなアコースティックデュオ。「凡人哀歌」が昭和のフォークソングなら、「凸凹」では平成のフォークソングをやりたかったんです。
歌詞では、互いに価値観は違うけど、お互いに求めあっている。そんな凸凹な関係であることが、「僕等 お似合いだから」という互いの幸せに繋がっていることを歌にしています」
続くといいね
「こちらもソロ活動を始めた頃に作った曲。もう、厭味の塊ですよ(笑)。5年前と言えば、NoGoDの結成10周年の時期。その当時の自分は、理想と現実のギャップにとてもストレスを感じていました。あの当時も、今もそう。「大好き、大好き」と熱狂してくれていた人たちほど、何かをきっかけにパッと離れていく。就職や恋愛、結婚や出産など、そこにはいろんな理由があると思います。そこで繋ぎ止められず、その人の熱を冷ましてしまった原因は自分たちにもあると思います。自分たちもそうだけど、人は、生きてく環境の中で意識や考え方も変わってゆくもの。ただ、あんなにも熱狂していたことを、恥ずかしいもののように否定や拒否はしないで欲しい。自分だって、ガキの頃から聴いてきた音楽性とは変わっていても、あの頃に好きだった音楽は今でも「好きだな」と思っています。よく「わたしはこのバンドを上がったから」「ヴィジュアル系を上がったから興味ないの」と無下に否定するように言う人たちがいますけど、その当時は本気で好きだったんだから、その姿を認めてあげてもいいじゃない。「続くといいね」は、ぜひ全世界のバンギャルさんたちに聴いていただきたいですね」
希望の朝
「この曲は自粛期間中に作りました。この歌でも「凸凹」のように、相手の(男女の恋愛における)気持ちや価値観の違いを歌にしています。「凸凹」では、それがポジティブに向いていましたが、「希望の朝」ではネガティブな方向へ向いています。たとえどんなことがあろうと、等しく夜は明ければ、朝は来るんですよ。ラジオ体操の一節ではないですが、最期に「希望の朝が来た」と歌っているように、嫌でも朝が来たら新しい明日へ進んでいくしかないんだからと、そこには希望を込めています。もちろん、その結末を皮肉と捉えてもらっても構いません。僕らは凡人だから、自分の気持ちさえも割り切るしかないんですよ。それくらい未練がましい想いも歌にしていれば、人ってそういうものだろうとも自分では受け止めています」
冗談じゃない
「これも5年前頃に作った楽曲です。お客さんらと一緒にシンガロング出来る景気の良い楽曲が好きで、ライブの最期にかならず演奏をしている鉄板曲です。レコーディングにあたり、SNSを通し、みんなから歓声や手拍子をいただき、それも加えました。この歌詞、すごくひねくれていますけど。「どんな状況だろうとやるしか…生きるしかない」という今のご時世にもピッタリな内容に聞こえてくると思います。「毎日毎日僕らは鉄板の上~」と記したブロックの歌詞は、「およげ!たいやきくん」をオマージュしています。もう何十年も前から人としての本質を突いていたことがすごいなと思って。この歌詞には、いろんなパロディなどシニカルな表現も散りばめました」
good night
「作ったのは2年前頃。「冗談じゃない」で本編が終了し、ボーナストラック的な意味合いとして「good night」を入れました。冒頭の「凡人哀歌」と最期の「good night」のみ、アコギと歌だけの演奏にすれば、すぐ横で唄い爪弾くような生々しいミックスにも仕上げました。この歌の最期も「希望の朝」と同じ景色ですが、最期に「良い事があると願って 明日に」と書いたように、しっかり希望を持たせました。でも、「希望の朝」も「good night」も、根底にある想いは一緒なんですよね」
団長は、本作を通し、「天才も凡人も、幸せを覚えている人も悲しみを背負っている人も、生きてくことに優劣はない。自分は特別じゃなく、自分と同じ境遇の人はたくさんいれば、同じ命を授かった以上は、等しく頑張って生きていこうぜ」と伝えてきた。
今後も、団長としてソロライブを行う際には収録した曲たちを唄い続ける。が、ソロ活動やソロ作品は、あくまでもNoGoDの活動を補う延長上にあること。緊急自体宣言の解除を受け、メンバーたちも久しぶりに顔を合わせ、6月に入り、ようやくNoGoDとしての新しい動きに着手しだした。制作に関しては本格的に動き出す予定だが、まだまだ表立ったライブ活動は難しいことから、6月と7月は配信ライブという形を取りながら、NoGoDは音楽を届けてゆく。8月以降は、各都道府県の条令を守ったうえで、ソーシャルディスタンスを取りながら、少しずつ観客たちを入れたライブ活動を行えるようにと準備も進めている。
NoGoDの今後の動きについては、続報が入り次第お届しよう。それまでは、NoGoDの延長上にある団長の意志を濃密に詰め込んだミニアルバム「凡人歌集」を通し、想いの数々を受け止めていただきたい。
TEXT:長澤智典
商品情報
凡人歌集
品番:APCRD-2002G
価格:¥2,300+税
1.凡人哀歌
2.凸凹
3.続くといいね
4.希望の朝
5.冗談じゃない
6.good night