「NEWS」の一員として活躍しながら、 作家としても2012年のデビュー作上梓以来、 『Burn.-バーン-』『傘をもたない蟻たちは』『チュベローズで待ってる』など話題作を発表し続け、 精力的に活動している加藤シゲアキ。
旅がテーマの本連載「できることならスティードで」は、 日本文藝家協会による「ベストエッセイ2018」にも選ばれた「Trip4 岡山」をはじめとする、 スリランカやパリ旅行など狭義の旅のエピソードから、 “円環”をキーワードに身体感覚と思考をつなげる野心作「Trip3 肉体」や、 学校に行く意味と人生の不思議を自身の思い出も絡めて考えた「Trip8 小学校」など広義の旅の話まで、 3年にわたり様々に綴ってきた。
今回「小説トリッパー」19年冬季号に掲載となる最終回のタイトルは「Trip13 浄土」。 今年の夏に経験した、 唯一無二の大切な人との別れについて、 切なく壮大に描き、 会心の一編となっている。