第71回カンヌ国際映画祭「監督週間」で初上映され、賛否両論真っ二つに分かれた中で<芸術映画賞>受賞を果たした、ギャスパー・ノエ監督作『CLIMAX クライマックス』が11月1日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開となる。
公開に先駆けトークイベント付き上映イベントが開催された。脚本・監督のギャスパー・ノエを迎え、さらに無類のギャスパーファンを公言しているDJ SUGIURUMNがMCとして登壇。
これまでの日本への思い、魅力についてギャスパー・ノエ監督は、「東京は本当に愛すべき都市だ。いろんな国に行くが、その中でも東京は、好きになってしまった都市の1つ。そんな東京で、英語の作品を撮ることができるとは思っていなかった。それが実現し、その作品が日本で上映できることが光栄だ」と過去に撮影した思い出を語り、続けて、「映画を撮影していて日本の仕事の仕方、流儀が海外では通用しないなと思った」と文化の違いに驚いたことを語った。
音楽が絶え間なく流れる本作。数々の音楽の選曲について、「自分の好きな曲を選んだ。テクノミュージックもいくつか使っているが、東京に来た時に出会った音楽で、2000年くらいには日本に頻繁に来ていて『MANIAC LOVE』でディスコテイク、テクノという音楽に出会った。その年代の音楽を中心に選んだが、特にダフト・パンク、エイフェックス・ツインが気に入っている」とこだわりを語った。
日本では本作がR-18指定となったことについては、「本当は18歳以下の若い子に観てほしい。なぜならお酒やドラッグがいかに有害か、不幸な結果をもたらすかわかってほしいんだ」と本作に込めたメッセージを語った。
さらに、映画内に登場するダンサーたちのほとんどが素人だと明かし「ネット上でバトルダンスをしている動画を見て動きを決めた。冒頭のダンスシーンは振付師が、それ以外のダンスは全部即興なんだ」と観客を驚かせた。最後に、映画を楽しみにしている観客に「安全ベルトを締めて観てください」と冗談交じりに話し、会場の笑いを誘った。
Live Info.
『CLIMAX クライマックス』
監督・脚本:ギャスパー・ノエ
出演:ソフィア・ブテラ、ロマン・ギレルミク、スエリア・ヤクーブ、キディ・スマイル
2018/フランス、ベルギー/スコープサイズ/97分/カラー/フランス語・英語/DCP/5.1ch/日本語字幕:宮坂愛/原題『CLIMAX』/R-18 /配給:キノフィルムズ/木下グループ ©2018 RECTANGLE PRODUCTIONS-WILD BUNCH-LES CINEMAS DE LA ZONE-ESKWAD-KNM-ARTE FRANCE CINEMA-ARTEMIS PRODUCTIONS