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【ライブレポート】9月13日下北沢SHELTER公演"phenomenon presents 第二回超常現象学会"

2011.09.17

9月13日(火)下北沢SHELTER
phenomenon presents 第二回超常現象学会
phenomenon / blueglue / パスピエ

DSC_7181.jpg 9月13日、phenomenon presents「第二回超常現象学会」@下北沢SHELTER。「学会」という奇妙な名前のついたイベントが、5月9日以来二回目の開催となった。気候は明らかにまだ夏、そして会場の熱量も夏そのものだった。
 18時半のオープンから、会場にはphenomenonが各バンドのために選んだというBGMが流れ始める。そして19時過ぎ、1番目に“パスピエ”が登場。テクニックとセンスを併せ持った演奏と、絶妙なポップ感のボーカルが絡み合ったライブで、会場のボルテージは急上昇。まさにトップバッターから「超常現象巻き起こし」のライブが始まった。

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 続いてはBlueglueが登場。「学会」に先行して、phenomenonが関西を回った「西の超常現象ツアー」にも同行した彼らのライブパフォーマンスは、そのツアーを経て確固たる軸が見えるものとなっていた。演奏の安定感、エンターテイメント性の増したライブはまた、これからの進化をも予期させるものであった。
 そしてついにphenomenonが登場。毎回自主企画ではその衣装が話題となるphenomenonだが、今回男子チームのドラムス・澤 瑞樹彦、ギター・ヤマモトショウはともにシックな黒のシャツスタイル。前回の「学会」の奇抜ともいえる衣装とは間逆の選択だったが、ツアーを経てよりタイトに生まれ変わった演奏とそのスタイルは非常に親和性のあるもので、むしろステージに映える衣装だった。そして観客のひとつの最大関心事でもあろう女子チームはというと、ベース・ちひろは今にも飛んでいきそうな白を貴重としたふわふわの衣装、ボーカル・長谷川槙子は赤いブラウスに大きなスカートで、どちらもまるでヨーロッパのお人形のようなスタイル。そこに、激しい動きが加わる対比が印象的だった。
 そして、いつものとおりに澤、ちひろ、ヤマモトの順にSE『超常現象の発見』で登場。SEをそのまま引き継いで『超常現象の発見』の演奏が始まったところに赤いサングラス姿の長谷川が登場。前回から完全にリアレンジされたこの楽曲は、よりライブ本編への期待をたかめるエモーショナルなものとなっていた。そして、澤のタイトなドラムパターンから長谷川がサングラスを投げ『現代のねばり』がスタート。全員のキレは最初から良く、各自のソロパートがあるこの楽曲で会場はいきなり大きく揺れた。そして「phenomenonです。よろしく」と短いMCの後にアッパーチューン『恋する脳細胞』。普段はライブのラストに演奏されることも多いこの曲で会場の熱量はマックスに。ヤマモトもすさまじいテンションのまま客席ギリギリのところで、前奏のギターをかき鳴らし、ちひろの曲中のきめ台詞「ずるいわ」が響きわたる。そして「ここにいるあなたとコミュニケーションを」という長谷川のMCからダンスチューン『コミュニケーション過剰です。』。前奏の変拍子リズムリフに絶妙の照明が重なり、それまで以上に大きなエネルギーを感じさせる曲となっていた。メンバーもミドルダンスチューンに体を揺らし、中間の掛け声がはいるリズムリフではヤマモトの「シェルター!」の叫びから、さらに会場が一体化。まさにバンドと観客の「コミュニケーション過剰」状態となっていた。
 そして澤のツアー話から、phenomenonには数少ないスローテンポの『猫石』、ここ最近でリアレンジしたという“ダブバージョン”での演奏となった。より洗練されたドラム、ベース、ギター、そして「にゃあ」という鳴き声が深いリバーブにのって会場に響いた。そしてそのまま“動物シリーズ”という『かえるのなみだ』が続く。さらに「ベースちひろ!」の合図の後、ベースフレーズが印象的な『ふらりふらりと』へ。中盤でもっともアップテンポなダンスナンバーでメンバーのテンションも絶頂へ。曲間のMCではめずらしくちひろがトーク。9月からこのRooftop webでコラムの連載が始まることを発表した。
 バンドは畳み掛けるように、ここ最近のライブ定番曲になっているという『お時間ありましたら』を披露。さらには、現在までのところphenomenonのライブでは「学会」でしか演奏しないという特別な曲『夜更かしメトロ』を演奏。独特のベースサウンドと、四つうちの快感が会場をつつみ、5月に披露されたとき以上に名曲の様相を呈してきた。そして本編ラストは、フロント3人が全員リードボーカルをとる『イルミネットワーク』。phenomenonでも最もファストなナンバーで、バンドの勢いを象徴するかのようなライブ本編が幕を閉じた。

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 会場にはアンコールがかかり、それにあわせて会場には新しいアンプや機材が運び込まれるものの、なかなかメンバーは登場しない。そして少し経った後、ヤマモトが再登場。さらに澤、ちひろ、長谷川を呼び込むと各メンバーが1人ずつステージに現れる。そしてヤマモトの口から重大発表が。10月11日下北沢SHELTERで、大先輩バンドのDe+LAX、そしてNACANOとのスリーマンが行われるとのこと。そしてなんとそのライブから、ゲストギターにPLINGMINのギター・新田智彦がphenomenonに参加することを発表した。会場には歓声が沸き起こる。さらに今年3月13日に予定していた自主企画イベントのことが語られる。延期ではでなく「中止」にした理由、そして新たなイベントという形でそれを昇華させたいという旨を話し、12月5日に下北沢SHELTERで待望の初ワンマンライブ“超常現象の検証”を開催することを発表した。
 アンコールは澤のドラムが入り、長谷川の「さよならコンピュータ!」の合図が入ると、再びヤマモトがマイクを持ち、10月から参加する予定の新田智彦を呼び込む。そのまま五人体制でキラーチューンの『さよならコンピュータ』を。新田の参加によって、楽曲の持つエネルギーがより濃縮された形になり、会場はヒートアップ。メンバーも各自がより自由になり、心から演奏を楽しんでいるようだ。ラストにはphenomenonが初期から演奏しているナンバー『彼は着メロ』を披露。五人編成で全曲が演奏される10月のスリーマン、そして12月のワンマンへ、大きな期待を残すアンコールとなった。(photograph:名倉哲明/hair&make up:田村奈央)

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9月13日「第二回超常現象学会」
phenomenon セットリスト

1.超常現象の発見
2.現代のねばり
3.恋する脳細胞
4.コミュニケーション過剰です。
5.猫石(ダブバージョン)
6.かえるのなみだ
7.ふらりふらりと
8.お時間ありましたら
9.夜更かしメトロ
10.イルミネットワーク

アンコール(with 新田智彦from PLINGMIN)
en1.さよならコンピュータ
en2.彼は着メロ
 

Live Info.

phenomenon
2011/10/11 下北沢SHELTER w/De+LAX/NACANO
2011/12/05 下北沢SHELTER 「超常現象の検証」ワンマン

新田智彦(PLINGMIN)
2011/09/18 「Greatest hits!」名古屋ROCK'NROLL

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