人畜乱弾は先の行動が読めないし、曲も型にハマってないのが面白い
──そして、初対バンから両組の仲が深まっていったのは、どんな経緯だったんですか?
ユダ:対バンした翌日に、人畜が自主企画に誘ってくれたんです。で、人畜乱弾と流血ブリザードと赤いくらげで、スリーマンライブをやって。俺は人見知りやから、自分からはあんまり喋りかけなかったんですけど。ベニスズメタファーが結構、話しかけてくれて、「少林寺拳法やってたんですか?」とか言って二人で少林寺の型をやったり。スズキが「NSC行ってた」って言って「じゃあ、吉本の先輩ですね」って話したり。「意外と共通点多いね」ってなったのが、大きかったんじゃないですかね?
──そこでお互いをよく知った上で、ライブも改めて観て。
ユダ:そうですね。あと、対バンした後にYouTube見てたら、ベニスズが配信みたいなのをやってて。「ジジイがどうの、ババアがどうの」ってずっと悪態ついてて(笑)。それ見てたらなぜか10代の頃、シド・ヴィシャスに出会ったみたいな時みたいな熱い気持ちになってきたんです。そこで言ってることが良かったとか、こんなんするから好きとかじゃないし。トガってるヤツなんていっぱいおるんですけど、ベニスズを見てなんか懐かしい気持ちになるみたいなのがあって。その頃、たまたま友達と占いバーに行く機会があって。タロット占いしてもらったんですけど。「次に継承する側に来てます」みたいなことを言われて。別に俺が人畜に継承するわけじゃないけど、ちょっと意識するようになって。
──ユダさまってこれまで年下よりも、年上を意識してたイメージで。先輩へのリスペクトとか、「アイツらを蹴落としてやる」みたいな気持ちがモチベーションになってた気がするんで、そこが意外だったんですが?
ユダ:そうですね、好きなバンドは上の世代ばっかりですしね。だから、なにするでもないですけど、人畜と出会って年下を意識するキッカケにはなりましたし。単純に年下に声かけてもらえるのは嬉しいですね。
流血ブリザード(Photo by 菊池茂夫)
──人畜は先輩バンドにお声がけするのって、勇気がいったんじゃないですか?
ベニスズ:最近、仲良しすぎて、会ったばかりのことを覚えてない(笑)。でも、めっちゃ一生懸命、文章を考えた気はする。
ユダ:あの頃、めっちゃ可愛いヤツやったんですよ。YouTube出ることになった時も、わざわざ近所の高級どら焼き買ってきてくれたり。もう仲良くなりすぎて、あの頃のベニスズはいないけど(笑)。
スーザン・ボ・イール(以下、スーザン):最初に会った時の挨拶から、土下座みたいにしてて、すごい丁寧だったもんな!?
ユダ:土下座から三点倒立する、謎のパフォーマンスやったけどな(笑)。
スーザン:でもその瞬間、オラは感じたよ。「コイツらしかいねぇ!」って。熱意が伝わって、「コイツらとツアー周りたい」ってオラは思ってたよ。ライブも初めて観た時から、パンツになってウワァ~ッ! とか暴れてて、「こんな型破りなバンド、久々に観た!」って驚いたし、次の行動が読めないのも面白いし、曲も型にハマってないし、演奏も上手いし。
──人畜の曲はアッと驚く展開があったり、他にない発想が面白くてカッコいいです。
スズキ:曲を作る時、「聴いてて飽きないように」っていうのはめっちゃ考えますね。
ゴチル:ドラムとかずっと同じビートだと飽きてきちゃって、イヤになる(笑)。「重力離脱」を作った時も、あの曲が一番まともなドラムなんですけど。途中でちょっとイヤになって、サビ前にキモいフレーズ入れたり、ちょっとリズムを変にしたりして。聴いてて飽きない、演ってて飽きない曲は確かに意識してるかも。良い曲って世の中にいっぱいあるけど、飽きない曲ってあんまりないから。
──聴いててすごく伝わってます。そして流血と人畜の交流が深まっていく中、合同ツアー『きちがいミカン☆ドーロ』が開催されます。
ミリー:「一緒にツアーやろう」って誘ったのは、アタイたちだったよな?
スーザン:それでオラが言った通り、ツアーをやることになって。
ユダ:偉そうに(笑)。で、やってみたらすごい楽しかったんです。ライブも楽しかったし、セッションも楽しかったし、打ち上げも移動も全部楽しかったですね。ホンマ良いツアーで、18年バンドやってますけど、その中でもトップレベルに入るツアーやった。
スーザン:ツアーに向けて会場限定のスプリットCD-Rをオラの家で宅録で作ったりして、ああいうのもすごく楽しくて。
ミリー:スーザンルームで何回も絶叫したもんな(笑)。
ユダ:あと、違うバンドと同じ車で移動したのも初めてですね。10人乗りのバンで移動して、ライブして歌歌って、移動とかサービスエリアとかも含めてツアーみたいな感じで。
ベニスズ:車楽しかったッス、でっかい車! オレは初めての運転もして。
スズキ:そう! ベニと私がめっちゃペーパードライバーなのに、めっちゃデカいグランドキャビンで初めて高速を運転したんです。
ベニスズ:初心者マーク4枚つけて。
ゴチル:横転しなくて良かったね(笑)。
人畜乱弾(Photo by 菊池茂夫)
──人畜はそれまでツアーの経験って?
ベニスズ:2回くらいやってたけど、運転できる人に頼んで、オレらは運転しなかった。
スズキ:初めてのツアーは高速バスだったんだけど、シンドすぎて寝れなくて。「車がいいんだな」と思ってたら、ファンの人で車が運転できる人がいたからお願いしたんです。でも、一回バックレられたことがあって。名古屋から大阪までの運転をお願いしてた人が、連絡取れなくなって「ヤバい!」ってなったんだけど。
ベニスズ:違うジジイが助けてくれたんだよね。ジジイに裏切られて、ジジイに助けられた。
ミリー:あはは! バックレたジジイは、人畜の前に二度と姿を現せられないだろうな(笑)。
ユダ:世の中の縮図ですよ。俺たちもそうだけど、一生ジジイに振り回されるんですよ!
──あはは。この感じだともしかしたら、流血もいないところで「いいジジイとババア」とか呼ばれてるかもしれないですね(笑)。
ユダ:確かに。「やっぱり、ジジイとババアはダメだな」とか言われてるかもしれへん。
ミリー:「いいジジイ」だったら、「悪いジジイ」よりはいいけどな(笑)。
















