全国ツアーはバンドワゴン。ライブ設営から片付けまですべて自らの手で
──では、どうしてもこの質問を。ツアーもする中で“精力的に解散中”という言い方などしなくてもいいのでは? と(一同笑)。
大内:それはこの前ツーマンをした時もMassage Attackにステージ上で怒られました(笑)、友達だから愛のあるイジリとして。でもまぁ、今のところは意地でも再結成はしないということで(笑)やらせてもらってはいますね。
河西:なんでしょう、アクティブ・パッシブの間(あわい)みたいなところな気はしてて、その境目をどこまでぐちゃぐちゃにできるのかみたいなところがちょっとあって。活動してる、じゃあそれって手伝ってくれる大人がいますとか、大きいメーカーからデビューしてプロモーションにお金かかってますとか、それが活動ってことかと言われると必ずしもそうじゃない。と言うか手厳しいことを言うと、ルーティンワーク化してしまっているメジャーのバンドがいっぱいいて。ある意味では会社員としてバンドやってます、みたいな。それはいろんな事情を踏まえてのことでしょうし、批判的なことを言いたいわけじゃないですけど。
大内:うん。いるね。やっぱ、未来のことを決めるのは大変ですからね。(例えば)このライブをやるためにこの1年に何をやるとか、そのためにやるべきことが生じてくる。活動っていうのはもう少し未来のことも皆で考えて決めないといけないと言うか。(OLD JOEは)それをちょっと、ほったらかしにしたいところもあったりするしね。
河西:ね。それで言うとOLD JOEってメチャメチャ逆で(笑)、決めたくないっていう。
大内:僕はOLD JOEで言えば、ただ(活動)できることにかなり意義があると言うか。会場がどこだとか規模がどうとかは現時点では気にしてなくて、もしそういうこともちゃんと思い浮かぶなら再結成して活動しようみたいな話が出るのかもしれないけど、今はなるがままに任せてる感じですかね。あと、僕にとって初めての(バンド)解散で、ちょっと大事な解散なので。この解散をちょっと、特別な解散として持ってたいというのがあって。解散記念日には集まったりしてたもんね。
河西:そうだね、2015年に解散してから毎年集まってたかもしんない。
大内:今回のツアー初日も解散した日でね、せっかくだしこの日に合わせた感じで。『Switch』(vol.42 特集 YONCE/2024)のインタビューで、OLD JOEのことを僕は“お盆”って表現したんですけど、今もその感覚があります(笑)。
河西:今回のツアーはまさにお盆(時期)にやるけどね(笑)。
──“絶賛解散中”でも、やっぱり4人で集まっている。
大内:そうですね。集まると相変わらず楽しいし、この関係は基本なくなってない、みたいなこともちゃんと確認できるというか。やっぱり会わないと分かんないこともあるし、なんだろう……バンドとしては今、ちょっと特殊な活動の仕方というか。変な言い方をすれば、ちょっと良いとこどりみたいな活動をしてるような気がするんですけど(笑)。
河西:そうだよね、ずるだよね。
大内:でももしかしたら、それが仲良しの秘訣なんじゃないかな、みたいなことは。僕と河西はHedigan'sも一緒にやってて、河西はSuchmosの活動もあったり音楽活動が各々ある中で。無理なく音楽の楽しいところだけをやると言ったらちょっとわがままかもしれないけど、今のOLD JOEのモチベーションって結構そういうところにあるような気がしてて(頷く河西)。最も自分本意的というか、(未来は)どうしようみたいなこととはちょっと遠くのところにいるバンドと言うか。だからこそ、こんな形でもバンドってできるぜみたいなことを伝えたいとは思ってて。
河西:うんうん、マジでそうだね。俺と大内は頻繁に会ってるけど、亀山(拳四朗/Ba)、真田としょっちゅう会ってるかというとそうじゃない。昨年末にOLD JOEが作ったCDやグッズをEC販売してたんですけど、発送作業はすべて亀山の家でやってて。本当にしょーもない話をしながらの時間って結成した高校時代から変わってなくて、やっぱりいい時間ですね。自分たちで“いい時間”なんて言うのもあれだけど(笑)、今回のツアーの話もそこで生まれた話ですし。
──大内さんが“大事な解散”とおっしゃるのも分かる気がしてきました。言葉尻をかっちり考えすぎてるのはわたしのほうなんでしょうね。
河西:でもある意味、雑な作文で俺らにしか分からないような表現ですよね。俺と大内は特にそういう遊びが好きなタイプなんで(笑)、敢えての。
大内:まぁ大喜利みたいなもんですよね(笑)。それでちょっと楽しんでもらえたりもするのかなとも思ったり、もう少しこじつけて言うと、身の周りで解散してるバンドもだいぶ多くなってきて。解散してもうやらなくなったり、もう少ししたら再びやりそうみたいなバンドも出てる感じもある中で。このぐらいでやってるバンドがいると、またできやすいんじゃね?(笑) とは思ったりします。
河西:我々は我々がやってる音楽のことしか分かんないけど、みんな違うし、みんなすげぇなって思ってるんですよね。Hedigan'sとして4月に、踊ってばかりの国と対バンしたんですけど、オリジナルメンバーはもうボーカルの下津(光史)くんしかいなくて。ゆうに15年以上活動してる中で多分、休止とか解散みたいな表現で動きが止まったことって一度もなくて。そういうバンドもいれば、それこそa flood of circleがそうだと思いますけど、わりとメンバーが流動的な時期があっても止まらずにやってて。かたや俺らは別にメンバーが欠けるとかではないけど解散っていうのを選んだバンドで。みんな違うなっていうだけの話ではあるんですけど、それってすごく良いことだなと思うんですね。あんまり決まりがない感じというか。
──河西さんが今おっしゃった言葉の通りで、受け手側がバンドに対して持っている勝手な考えに過ぎないのだと。そういう意味では前回のインタビューでOLD JOEはバンドの精算も自分たちでやってギャラも手渡しといった話を伺いましたけど、そのスタンスは変わらず?
河西:変わらずですね。今ツアーでもそれを踏襲する形で取っ払いみたいな感じになると思います。しかし、令和8年に“取っ払い”なんて言葉は使わないですよね(一同笑)。でも粋な言葉だなとも思いますよ。
大内:自分らでお金を触ってると、よく分からないところにお金を持っていかれないというのは本当に気持ちがいいことです(一同笑)。なぜこれが抜かれているんだろう? みたいなことは多かったりするからね。
河西:確かにね。それは自分たちが楽できるっていう意味でもある、でもメッチャ言い方が悪いけど、やっぱり搾取構造の中にはいるんだなっていうのを思うしね。
──令和のこの時代、音楽のみならずバンドマンとしての姿もカッコいいなと思ってます。では最後に、今回のワンマンツアーに向けた思いを伺いましょう。
河西:今回は全公演、車で移動するんですよ。地元の友達がデカい車を持ってるから車を出してもらって、メンバー4人とその友達と5人で移動しながらの旅になるんで、古式ゆかしきバンドワゴンでの旅を満喫できたらなと思いますね。ライブは全部ご褒美のようなものと思って、ステージに立てたらいいなと思ってます。
大内:ツアー行程はちょっとゆとりを持って組んでいるので、ちょっと観光でもしながら帰ったりできるかもな、とか思ってて。ツアータイトルにも込めたんですけど“バカンス”だし、いろんな土地を移動して旅をして、設営をしてライブをやって片付けして帰る、ということすべてを楽しんで覚えておこうと思います。自分らの思うがままに音楽をやるということも贅沢な行ないなので、優雅に全力で過ごさせていただきたいと思います。
──ではリクエストとして、あまり更新されないSNSもバンドワゴンから更新してくれたら嬉しいです!(笑)
大内:あ、すみません!
河西:そうですね、ツアー中はそういったところも頑張ろうと思います。
──もう一つリクエストとして、ツアーをやったら音源も作ったらいいじゃん! と欲張りにも思っちゃいました。
河西:まだぼんやりとですけど、「次に録るとしたら」みたいな話とかはしてまして。来年以降の話になるかも分かんないですけど、もしかしたら制作物を作ることもやりたいなとは思ってますね。
大内:今年、リリースを伴わなかったの一つは単純に、スケジュールが限界を迎えていたからで、(ツアーかリリースの)どちらかだねっていう感じだっただけなので。
河西:この先はどちらもある、そんな年もあるかもしれないですね。















