絶対、中途半端なことはできない
南野:では、今だから言えるエピソードっていうのは?(笑)
高田:(笑)それはじゃあ、南野さんのほうから。
南野:僕ですか? 僕はねぇ、ずっと昔から一番好きだったバンドがBOØWYでして、ある日来はったんですよ、ライブの打ち上げで、氷室(京介)さんが。ロフトのちょうど中央の打ち上げの席に座られて。で、ジョーさんとか(仲野)茂さんとか僕のよく知っている人が氷室さんと昔からの友達で。で、ジョーさんが紹介してやるから来いと、俺は呼ばれてですね。中央の席に行って氷室さんに挨拶をして握手をしてもらって、「がんばれよ」「こうやって歌っているのか(氷室特有のお腹に手をあてて歌う振りマネをする)」って言われたときに涙が出そうになりました(笑)。「僕、がんばりますっ!」みたいなね。
高田:俺も布袋(寅泰)さん見たときは覚えてるな。RUBYのライブの打ち上げがロフトであって、凄いミュージシャンが大挙していたのよ。藤沼伸一さんや池畑(潤二)さんもいてて、久美ちゃん(山下久美子)もいて俺にとってはビッグメンバーがガーッといて。印象としては布袋さんは“デカイなぁ”と思った。それで布袋さんが帰り際に柴山さんを抱き上げてぐるぐる回していたのを覚えてんなぁ(笑)。
南野:あと、ドラマーの高橋まことさんがGEENAのライブの後の打ち上げで、知り合いになって説教くらったりもしたな(笑)。延々2、3時間説教くらいましたよ。「お前の演りたいことは何なんだ、お前は氷室になりてぇのかよ?!」と(笑)。「南野信吾っていう自分の色を見つけろ、そしたらお前はロフトのステージに立った俺たちと一緒なんだから、一緒のステージに立っているんだから」と。「お前がマネっこでずっと演っていくんならロフトのステージには立つな、ここはそういう所じゃないんだから、自分の色で勝負する所なんだ」って言われて。で、約束したんだよ、俺がデビューして自信を持ってデッカイ所で演るときには見に来てくれって。
──(笑)へぇ、そうなんだ。
高田:俺あったわ、エピソード。ギ○ムのライブが怖くてねぇ。俺2、3回体験したけど、激こわ(笑)。ギ○ムって昔ラフィン・ノーズとかと演ってたという知識しかなくて。ライブが始まったら雰囲気が違うねん。見てたら客の花道ができて、客が左右に分かれてて。なんやろと思たらボーカルがステージから降りてきてその辺のヤツを殴り倒すねん(笑)。ノックアウトされると、怖いスタッフ連中がタンカで上に運んでいくの。見てたら最後までノックアウトされないで戦った外人がいて。そしたらキスしてたよな、和解のキス(笑)。
南野:怖いよねぇ。
高田:俺がカウンターで仕事していたときもゴミ箱飛んできたからね、鉄の。ガッシャーン! って凄い音するから何かと思ったら、ボーカルがこっち向かって投げてた。あと、ライブの演奏中にボーカルに酒ついだことがあるねん。カウンターに来るとみんな横に隠れるのよ。俺、逃げ遅れて一人取り残されて。コップを目の前に置かれ、最初、水注いだらカウンターにこぼされた(笑)。演奏してるんやで、客もみんな見とるし、あかん殺されると思った(笑)。
──凄いねぇ(笑)。じゃあ、自分たちが演ったライブで一番印象に残っているのは?
高田:最初のワンマンって印象に残っている。けっこう事の重大さが身に染みるっていうか。
──初めてワンマンっていうのを演ったのもロフトだよね。
南野:そう。やっぱり新宿ロフトでワンマンを演るっていうのが俺らの中では凄いことで、端から見ても“新宿ロフトワンマン”っていうのは凄いことなんじゃないかな。
──じゃあロフトとかシェルターとかパワステとかいろんな場所でライブ演ったと思うけど、やっぱりロフトのステージに上がるときって気持ちが違うもの?
南野:違うね。やっぱり店員だったっていうのもあるかもしれないけど。
高田:変な意味で、ちょっとしたプレッシャーになったりする。
南野:中途半端なことはできないなぁって。店員の人たちみんな見ているし。僕らも店員だったから、つまんないバンドなんか見ないのよ。コーラ飲んでたり、タバコ吸ってたりするんだけど、自分たちが見たいなって思うバンドのときはみんな立ってずーっと見てる。その様子は、ステージから見えるからね。
──じゃあ向こう(カウンター内)の反応も気になるんだ。
南野:気になる。それに、PAの人とか照明の人とかも見ているから余計に、知っているからこそ甘えみたいなものもないし。
高田:言葉悪いけど他の場所は演り捨てじゃないけど、演ったら演ってしまったで後々じっくり話を聞くこともないけど、ここはそういうわけにはいかない。後々の評価もすべて次に繋がっていくから。
南野:あとやっぱり、自分たちもたくさんの(ロフトで演っていた)バンドに影響を受けたっていうか、いろんなものをもらったから、僕らもそういう(与えられる)バンドになりたいなと思って。新しい店員の子とかが、俺らも頑張ったらああなれるのかって思うようなバンドじゃないとっていうのもあるしね。
高田:今はまだちょっと早いけどな(笑)。
──まだ教えられるところまでは行ってない?(笑)
南野:ただそういう精神みたいなのは教えられるから。
高田:なにくそ精神(笑)。
──(笑)では、最後に二人にとってロフトとは?
南野:……切っても切れないところ。“家”みたいなもんかな……。
高田:難しいなぁ~。あまりにも身近なもんで、うちらが店員だったから身近に感じすぎてる部分ってあるやんか。普通に重く感じている人と比べれば、全然フランクに入っていけるし。
──でも我に返るとここは憧れの地ロフトだ、って思わない?
南野:あるねぇ、だから甘えるところじゃないよね、決して。“家”って言っても安心できる場所っていうんじゃなくて……、やっぱり負けて帰りたくないじゃん。
高田:“故郷に錦を飾る”じゃないけど、そういう感じ。
南野:そうそう! そういう感じの“家”だね。今、メジャーにいるけど、首切られて面倒見てくださいっていうことは絶対したくない。
──絶対に錦を飾らなきゃいけない場所なんですね。
南野・高田:そう。
【4-STiCKS プロフィール】
1991年12月に前身である“BOICE”として新宿ロフトで初ステージを踏む。その後、新宿ロフトを拠点に精力的に活動を続け、幾度かのメンバーチェンジを経て、93年に現在のメンバーとなる(南野信吾=ボーカル、高田佳秀=ギター、柳沼宏孝=ベース、三田村昇=ドラムス)。94年、東名阪ツアー、ロフトワンマンなどライブバンドとしてどんどん飛躍していき、95年、バンド名を“4-STiCKS”と改名。96年3月、EPIC / SONYよりシングル「I wish you」でメジャーデビュー。4月に日清パワーステーションでワンマンライブを決行、500人を動員する。その後、シングル「See You Smile」、アルバム『STICK IT OUT!』を発売。7月24日、ロフトの20周年を記念した日本武道館イベントにボーカル南野とギター高田は出演を予定している。
*プロフィールは1997年当時のものです。















