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INTERVIEW

トップインタビュー南野信吾+高田佳秀(4-STiCKS)- "故郷に錦を飾る"じゃないけど、そういう感じ

南野信吾+高田佳秀(4-STiCKS)- “故郷に錦を飾る”じゃないけど、そういう感じ

2026.06.03

 ある種のブランドとも言える"新宿ロフトの店員"から、メジャー・シーンへと旅立った4-STiCKSの南野信吾と高田佳秀。何をするにもロフトだった、と言う彼らは自分たちの力で確実にチャンスを手に入れ、それを生かしてきたからこそ今の彼らがあるのだろう。(取材・文:向後由香)

*本稿は、1997年7月に発売された書籍『ROCK is LOFT 〜HISTORY of LOFT〜』(LOFT BOOKS/星雲社 刊)に掲載されたインタビューを再構成したものです。来たる6月10日(水)に新宿ロフトで行なわれる『MINAMINO ROCK FESTIVAL 2026』の開催を前に、当時の記事を特別に再現します。

“店員はカッコ良くあるべき”

──新宿ロフトにお客さんとして初めて来たのはいつになるんですか?

南野:客として来たことはなくて、東京出てきてバンド作ってライブ演りたくて、どうしたらいいか分からないからとりあえずライブハウスで働いてみよう、と。で、働くんなら日本で一番のライブハウスだろうと思って、いきなり電話した。

──その日本で一番のライブハウスっていうのは、大阪にいた頃から新宿ロフトがそうだと思ってたんですよね? それはどうして?

南野:ラフィン・ノーズとかBOØWYとか、俺らが好きなバンドがロフトに出てたんで。

高田:そう、高校時代に『宝島』とかの雑誌を見てると、やっぱりロフトなんかなぁって。

南野:何回か大阪のライブハウスも行ったんやけど、なんか自分の想像するライブハウスと違って、ホール的な感じがした。ロフトはホンマのライブハウスって感じで。写真とか見たらそんな感じだったから。

──どんな感じがですか?

高田:なんかちょっと怖そうな感じかなぁ。

──へぇ。じゃあ初めて店員としてロフトに来たときの印象ってどんな感じだった?

南野:俺もやっぱり怖いようなイメージがあったから、とりあえず震えながらロフトに入っていって。そのとき怖いっていうより店員の人がなんかカッコ良く見えた。昔っからロフトって“店員はカッコ良くあるべき”っていうのがあったみたいで。それがロフトのファッションだ、みたいな。演ってるバンドより店員のほうがカッコイイっていうのがロフトのスタイルみたい(笑)。

──(笑)そうなんだ。

高田:入った頃、深夜に店員が残って飲み会みたいなのをよくやってて、新人入ってくるとギター持って歌わされる(笑)。ギター出してきてまわして歌うっていう行為自体が、なんか違うっていうか、音楽の現場の飲み方はこうなのかって思ぉたなぁ。

──へぇ。で、BOICEとしてロフトのステージに立ったのはいつになるの?

南野:91年12月24日。伝統のクリスマス・パーティーのとき。そのときは緊張したねぇ、そこにいるのがジョーさん(G.D.FLICKERS)とかあっちゃん(ニューロティカ)とかで。BOØWYのコピーバンドやったんだよな。

高田:で、その次の年の1月にロフトの昼の部のオーディション受けて、そんで落ちたん(笑)。

──店員だからといって甘いわけじゃないというのを実感したんだ。

南野:そう、それで昼の部を半年ぐらいやって。お客さんは最初10人ぐらいで、最後のほうは17、8人ぐらいになったのかな。

──でも、結構お客さんはいたんだ。

南野:そう、俺らは最初から客がいたから。店員として働いてるときに俺らの客っていうのがいたから(笑)。

──えっ、それってどういうこと?

南野:他のバンドの打ち上げをロフトでやるやろ、そん中でメンバーの周りにいてる子はいいけどあぶれてしまった子とかはつまらんやんか。その頃、俺らいっつもカウンターで漫才しとったから、そっち見てたほうがおもろいやんか。そこで他のバンドのファンの子らと仲良くなって。だから、俺らがお客さん増やしたのは、新宿ロフトの打ち上げでお客さん増やしたようなもんやからな(笑)。

高田:そう、音楽は聴いたことないんやけど、何かバンドやってるらしいでっていうので見に来てくれて。

南野:で、バンドの演奏を見るたびにファンが減っていった(笑)。その当時は自分らの色っていうのもなかったし。ただ単に誰かの真似でしかなかったしね。その頃、バンドが固まっていないときに当時の店長だった小林(茂明)さんと話をして、遊びでやっていくならこのまま演ってけばいいけど、本気でやっていくならちょっと考えなきゃいけないだろ、って。

──それは恵まれていたというか、店員という立場にいたからこそだよね。

南野:けどロフトは何も教えてくれないんや。先輩の店員が教えてくれるのは料理ぐらいで(笑)。何も教えてくれんから、全部自分で掴んでいかなきゃいけない。それって、お金に代えられないものがいっぱいあるんだよ、ロフトには。さっき言ったように、ファンの子を増やすこともできるし、いろんなバンドの人やレコード会社の人と知り合うこともできるし、自分の名前をそこで売ることもできる。でもそれは、誰かが与えてくれるわけじゃない。自分で進んでいけば、チャンスはいっぱい転がってるから。でも自分で進んでいこうとしないと、ただの楽しいだけの場所でしかない。

何を始めるにも全部ロフトだった

──あぁ、なるほどね……。では、店員のとき見てて印象に残っているライブってあります?

南野:ロフトに入った瞬間にいろんなバンドがひしめき合ってて、そのレベルの高さに驚いたね。ロックバンドのカッコ良さっていうのを教えてもらった。

高田:まぁ、ロフトってメジャーシーンとは別の下のシーンのトップレベルの奴らが集まってるから、そのシーンの縮図が見える。そこに集約されているっていうか。ほんまに、いい部分も悪い部分も全部が見えるんだと思う。

──なるほどね。酸いも甘いも見えると。

南野:そうそう。でもホンマいろんな人に影響受けたしね。柴山(俊之)さんのRUBYとかロフトに初めて入ったときに演っとって、こんな歌があったんやとか、シアターブルックの(佐藤)タイジさんとか日本にこんな人がいたんやとか。

高田:そう、こんなにギターが上手い人がおったんやって思おたな。アフロなのになんで関西弁なんや?! とかな(笑)。

南野:(笑)そう。それでバンドを辿っていくとみんな友達だったりしてな。

──そうなんだ。じゃあ、二人がロフトで出会った人で印象に残っている人って?

南野:一番最初に名前を憶えてくれたのがスマイリー原島さんで、そこからG.D.FLICKERSのジョーさんとかと知り合って。俺らが一番世話になってるのがジョーさんやね。客がいないって言ったら「俺らの前座でやれ」って言ってくれて、「そこでお前ら客を掴め」って。バンドで悩んでるときにいろいろと教えてくれた。

高田:そういうのがある場所でもあるよね、ロフトって。新旧入り混じって演って、いいバンドはそこで他のバンドの客を取って大きくなっていくっていう。

──なるほどね。ロフトで演っていたからこそですよね。

高田:うん。それに、音楽的に非常に勉強になったよ。バンドやってる人にとっては人間関係みたいなのももちろんそうやけど、音楽的にも凄く影響与えられたよね。

南野:それはロフトから受けたものっていうのと一緒になりますよね。(編集が持ってきた企画書を見ながら)打ち上げでの思い出っていうのは?

高田:打ち上げでの思い出ねぇ、だいたい酔っ払ってますから。でも普通の居酒屋へ行って飲んで酔っ払うっていうのとやっぱ雰囲気が違う。いる人みんな何かしら音楽に関わっている人間が集まっている中で飲んで、話題もそういうことを喋りながら飲むっていうのは。一種独特のムードっていうのがあるよね。ミュージシャンとしてお酒飲む環境としては一番いいんじゃないですか。同じもの見ている奴らと酒飲むっていうのが。

南野:(またまた企画書を見ながら)その中で忘れられない出来事っていうのは?

──南野君も答えてくれないと困るんだけど(笑)。

高田:(笑)そん中でメンバーが集まったりバンドできたりするのってあるやん。うちの場合も打ち上げでベース弾いてくださいっていうところからメンバー入ってきたりしたし。

南野:そう、何を始めるのにも全部ロフトだった。

──ライブを演るのも?

南野:ロフト。

──店員やるのも?

南野:ロフト。

──酒を飲むのも?(笑)

南野高田:ロフト(笑)。

一同:(笑)

南野:メンバーが決まったのもロフト、メンバーがやめたのもロフトって。

高田:そういうことから考えて飲む場であったり、ミュージシャン同士が集まってヤイヤイ話したりできる場所って、やっぱりここ、ロフトが走りだったんじゃないんかな。最初に考えたっていうか自然にできたんかもしれんけど、ここが一番最初っていうのが日本の音楽シーンへの影響は大きいんじゃない?

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【料金】前売¥3,500 / 当日¥4,000(共にドリンク代別¥600)
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【会場・問い合わせ】新宿LOFT 03-5272-0382

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