自分の音楽をやるしかない
──5月17日のライブについてもう少し深掘りしていきましょう。バンドメンバーも既に発表されている通りで、スネオさん含め5名でのライブですね。
スネオヘアー:ギターの松江(潤)さんを中心に、レコーディングやライブでこれまで関わっていただいた皆さんに自分から声をかけてご一緒させていただく感じです。5月に入ったらリハも始まっていきますけど、メジャーデビュー日である5月22日の前後に『月面着陸』というタイトルで(ライブを)やらせてもらってて。今回は『月面着陸』というタイトルも復活させて、累積7回目になりますけども、このタイミングで東京オンリーでやらせてもらいますね。
──スネオヘアーとしては今年、デビュー24周年になりますね。
スネオヘアー:びっくりします。ただ、年数だけ経てばいいってものでもないですし(笑)、死んだ魚の目みたいな感じで24年経ってたら意味がないですもんね。泳ぎたいですよ、今はメチャクチャ泳ぎたくなってます。今回のLOFTでのライブは(自身の)24周年なのもあるので、応援してくれる皆さまにありがとうという気持ちと言えば良いですかね、細々とでもまだやらせてもらっててまだ生きてるぜ、これからもよろしくお願いしますっていう気持ちも含めて。「この曲、聴きたかったんだよね」っていうお客さんが求めるものにある程度は寄り添いつつ、新作や自分が鳴らしたい今ある楽曲や作品たちも仕上げて。バランスが難しいですけど、そういうライブをやらせてもらいたいと思ってますよ。
──それは楽しみです!
スネオヘアー:旧譜をやるのは嫌な言い方をすると焼き直しみたいですごく難しい、でも変わらず大事に、大事にしていきたい。山下達郎さんのライブを観に行っても(旧譜を)今も変わらず間違いない良い状態でバシッとお届けできる、それってすごく大事だと思うんですよね。そこにもう一つ、自分の中で新しいと思える新鮮なうみたての音楽も新しい形態でどんどん発信していく、そういうライブを観てもらいたい。やっぱり歳を取りましたよね、僕もお客さんも歳を取って年齢的なものだったりで感じ方も変わってきてると思いますし。コロナ禍で活動できなくなった時に始めたことの一つで、今も月に3回ぐらい生配信ライブをやってるんですけど、これまで聴いてくれていた同世代の人たちもいるし、全く新しい若い世代の人たちもいる。不思議なことにそういう流れもあるので、デビューした頃の音楽との向き合い方、どこに届けたい言葉とメロディなのかというターゲットを設けることもなくなりましたね(笑)。そんなことよりまずは自分の音楽をやる、その延長線上に届いていく。そういう意味では原風景に帰っている形で、それっきゃないんじゃないかなと思いますね。
──まずは自分の音楽をやるしかない。そんな気づきは、年齢を重ね続けていることも大きいのでしょうかね。
スネオヘアー:メチャクチャあると思いますね、だから他の先達、先輩ミュージシャンたちがどうやってこられてるのかもすごく気になったり、若さを失った後に何を見たり聴いてくれるんだろう、歳を取ったら掃き捨てられるだけなのか、いやそんなことはないだろうって考えていくと、老いてますし老いていくけども、自分の音楽をやっていくだけなんですよね。若いことは素晴らしいけど若者中心の世の中じゃあないし、歳取ったイコール弱体化じゃないよ、っていうのも歳を取ってから、ね。これは音楽にも直結してると思うんですけど、いろんなものを断捨離して減らしていく毎日で、今こうして暮らしている感じです(笑)。
──“生活をダウンサイジングした”と先にも仰っていましたね。
スネオヘアー:そしてもっと減らしたいなと思っているんです。例えばギターやアンプとかもこんなにいらないだろう、って。そう言いながらも新たなものに手を出してアンプが入れ替わったりシンセ買ったりしてるんですけど(笑)、でもそれは制作に対して貪欲だというところで。ものを作ったり表現する上での貪欲さ、自分はこうなりたいと思うことは大事なことだと思うし、目のギラギラは忘れないながらも、リリースや売れ行きがどうのではなくなって、そんなことよりその日(=ライブ)の夜を良い夜にしたい。それで誰かが気持ち良くなったり、感じたりしてくれたら最高ですよね。帰り道に電車に乗りながら回想して何度も(ライブを)思い返すような。LOFTでの夜もそうなれば素晴らしいのでただその瞬間をやるしかない、それだけだと思うんですよ。自分の音楽を変わらずにやり続けようという思いでようやく実際に動き始めたところで、スタッフが大変お世話になっている新宿LOFTの樋口(寛子/ブッキング担当)さんからライブのお話をいただいて本当に感謝してますし、LOFTにおいては何も考えずデカい音を出す(笑)。身勝手ですけどその日のLOFTのステージの場の説得力を自分が一番感じたいなと思ってますね。
──そんなライブには、新宿LOFT50周年、アニバーサリーの冠もついています。
スネオヘアー:まずは50周年おめでとうございます、ですよね。続いていくことがこれだけ難しい世の中で続けようと思っても続かない中で50年というのは、その時その時をちゃんとやってきたからこそだろうなと思うんですよね。そうやって挑戦し続けてきた結果が50年という通過点であって、LOFTさんはまだまだ可変していって将来的にはスタッフも全員ロボになる(笑)、その時は演者も客もロボかもしれないですね(一同笑)。そういう近未来的な姿になっても残っているようなロマンみたいなものも勝手に感じながら、常にちょっと怖さもあって、緊張感のある場であり続けるんじゃないかなと思いますね。
──スネオさんご自身も50代に入られて、LOFTのあゆみとは同世代。
スネオヘアー:そうなんですよね。個人をオルタネートしてまた戻ってきたり可変したりもしますけど、ミュージックシーンはやっぱり若い方から発掘して育てるような場でもありますし、時代時代で背景もすごく変わると思うんですよね。“その時代の雰囲気”というものがあって、それがまた戻ってきて繰り返すこともあるけど、完全に同じものはないわけですから。個人の変化の流れでなく、時代や世代の流れ、その中での50年。そう思うとセルや露出ばっかりの時代になった時に(ライブハウスから)離れたような人たちもいると思うんですけど、今やっぱり新宿LOFTみたいな老舗のライブハウスが音楽シーンのフロントラインに立つような時代がまた来てる感じがしてますね。ライブハウスのステージが持っているある種の怖さと魅力を併せ持つ、それで新しいことも発信している場であるし、ライブというものが音楽シーンにおいてこれからも、よりそんな位置であり続けるだろうと思います。
──とても面白くお話を聞かせていただきました、今後もぜひにインタビューさせていただきたいです。では最後に、スネオさんの今後のご予定も伺わせてください。
スネオヘアー:やっぱりライブをやっていきたいんですよね。その予定の組み立てをしているところで来年が25周年なので、でもそんなこととは関係なく(笑)ライブをより増やして皆さんとドカっと行きたいなと思っております。それとコロナ禍以前からずっとやっているアルバムが何年もかかってますし、動いていく年にしたいなと思っていますね。来年に向けて少しずつ(と、手を右上に上げながら)ね。本当に行くと思います、僕は行きますよ!(とガッツポーズ)















