自分の感覚を自分の中に作らないと、自分として死ぬことができないと思った
──“自分たちの音楽がフィットする旅”の道中ですか。
Yumi:そうですね。どうなるのが良いのかもまだ分からず、まだ探している感じですね。アメリカが右派・右に傾いてきたり、イギリスのEU離脱とかいろいろとあるのを肌で感じることができたり、社会的な行動の違いも感じたりしながら。スウェーデンでは個人主義がすごいなという気づきもありましたね、エントランスフリーのスケートパークでライブだったんですけど、終演後に10歳くらいの子が“Girl Empowerment”みたいなステッカーが貼ってあるボードにサインを書いてくれ、って。
Miki:いろいろと考えてるんだなと思って、私たちも泣きそうになりましたよね。「女性なのにすごいね」とか「女の子だと思わなかった」とか、日本だけでなくどこの国に行っても言われるんですけど、もしかしたらスウェーデンでは一番感じなかったかもしれないです。私たちを一人の女性であるとか年齢がいくつぐらいとかでなく、音楽だけで見てくれている感じがすごくあって。また行きたい国だなと思ってます。
Yumi:精神的な自由とかを求めて私たちも活動をしてるので。旅はまだ続く、という感じです。
──そんなお話を伺いながらも、4月18日リリースの7インチ『Homecoming』を聴いて自分がまず出てしまう感想が情けなくも、女性のスリーピースバンドなんだと驚いてしまったことでした。タイトル曲はイントロから乾いたようなギターのサウンドに絡んでくる音といい、Yumiさんのボーカル然り。
Yumi:私たちが女性3人であることは間違いないことなので。でも、女性のバンドだけど良かったとか女の人のバンドは普段は聴かないけどライブ観たら良かったとか言われてしまうのは私の中で、ある程度良いなと思ったものに対して、女の人であることが評価を下げる要因なのかなという理論になっていたんですよ、私の中では。でも、バンドを20年やってきて思うのは、日常生活でもやっぱり女性であるということ。カフェを立ち上げるまではそれぞれ普通に仕事を持っていた時期もあるのでいわゆる普通の社会生活を営む中で、女の人というフィルターがかかる時に感じる違和感や女の人ではないと思われるのは、他の社会での動きも照らし合わせた時に確かに自然な流れなのかもしれないと思い始めてはいるんですよ。やっぱり女性的な社会の役割みたいなものってあると思うんですよね。でもそれって同じように男性にも持たれているもので、男の人だから泣き事を言えないとか意思決定をはっきりするように育たなきゃいけないとか、皆が生きることを多少強いられている面があって。誰もが人から言われることに若干でも違和感を持つことがあるのではと思い始めてバンドをやってきた中で、私は自分の感覚を自分の中にちゃんと作っていかないと、自分として死ぬことができないかもしれないと思ったんですね。言葉選びが難しいですけど、そういう何かに縛られて生きるのは皆しんどいだろうなと思い始めて、私たちはそういうものから自由になりたいと思って。でもこのスタンスを(第三者に)押し付けるのもバンドとしては嫌だし、一つの可能性とか提案として。自分たちのスタンスがあればいいかなとは思っているんですね(うなずくMiki&Kei)。
──バンドの存在としてのイズムを感じる話ですね、続けてください。
Miki:コーヒー業界の人やいろんな人と話しても、「女性だからこういう感じになるよね」みたいに思っている人は結構いて。でも私は、女の子だからこれはやらないほうがいいとか、あまり思ったことがなくて(笑)。
Yumi:そうそう、そう!
Kei:私たち自身が女性であるということに多分、こだわって生きていないからなんでしょうね。
Miki:何でもできると思ってるし、こういう格好をしちゃダメとかこういうことを言っちゃダメとか、それはちょっと男性的とか女性的だとかも感じなくていいし。男性もそんなに強く存在する必要はなくて、可愛いものを持ってもいいと思うし。「おじさんがこんなカフェにいたら恥ずかしいよね」みたいなことをカフェでも言う人がいるんですけど、もう全く本当に心の底からそんなことは思わなくて。一人でカフェ巡りができないという男性も結構いらっしゃるけど気を使う必要は全然ないと思うし、「タピオカ大好きだけど並んでるのが恥ずかしい」みたいな感じでタピオカが飲めないっていう男の人にも、人生で100杯ぐらい飲めるかもしれないタピオカを飲まないでお前は死ぬのか! って(一同笑)。
Yumi:そう、そんなのは可哀想じゃん。
Miki:だから音楽にも反映して、自由さとかを感じてもらえて聴いてくれる人がいたらいいなと思ってますね。自分たちみたいに生きてもいい、みたいな選択肢が。
Yumi:「(社会的な)フィルターって、あるようでないものなのかも」っていう流れになっていけば良いのにな、という気持ちですね。このスタンスが受け入られるとか皆に伝わるとかそれは分からないですけど、私たちはこういうスタンスでやっていきたいし、続けていきたいというのがこの7インチによく出たんじゃないかな、と思ってますね。

















