世界が広がった4人体制~3人体制時代
──そこからバンド活動も活発になっていったよね。
下平:そうだね。しばらくしてから、ベースに(児玉)真純さんと、リードギターに(田渕)水波さんっていう同い年の2人が加わって、4人体制で曲を作った。けど、その2人も大学卒業・就職の時期には脱退することになって、せっかくなら音源を残そうって、2曲入りデモ(「シーズナルカラー」、「秋晴」)を作った。
石渡:同じタイミングで、名古屋のfishと札幌のnessieと3バンドでのスプリット『とおくのともだち』(「ウォーターサーバー」、「あなたと旅する東京都」を収録)も作ったね。
──あの頃だとデモやスプリットをホリデー(HOLIDAY! RECORDS)で取り扱ってもらい、プッシュしてもらって、それで知ってくれる人も多かったよね。
下平:うん。今までとは違って、遠くに住んでるような知らない人たちにも届いてる感じはあった。
──名古屋のfishと知り合ったのはこの頃?
下平:いや、もっと前。まだなんの音源も出してない頃で、俺が趣味でツイッターで「ブッチャーズ歌詞bot」っていうアカウントを運営してて。多分それをfishのドラムのバルガス君が見つけてくれてDMが来て。「今度東京行くので会いませんか」って。
──みんな行動力すごいね。同世代で仲良くなった東京以外のバンドはfishのほかには?
下平:当時だと企画で呼んでくれてた京都の象の背とかknitかな。
石渡:今までは自分たちの半径何メートル、みたいな世界だったけど、同世代で似たこと考えてる人が別の場所にもこんなにいるんだ、って実感したね。
──みんな今もバンドが続いてるのすごいよね。メリメリはデモ出してからライブをめちゃくちゃやってた印象があるんだけど、その時期らへんで、印象に残ってるライブとかイベントってある?
下平:印象に残ってるのは、石渡が高校卒業のときに作った自主映画を上映したやつかな。その映画のテーマソングが「青さ増し」で。
──そんな昔からある曲なんだ!
石渡:そう。それの上映会を自主企画として吉祥寺WARPでやったの。高校の友達のお母さんがフード出してくれたりして、すごいホームメイド感のあるイベントだった。
下平:当時は趣旨がよく分かってなかったけど、今思うとめちゃくちゃ印象に残ってる。その映画も前に見返してみたらすごくよかった。
▲2014年9月30日開催『NEW SEASON』(石渡企画)のフライヤー
──朔子さんは印象に残ってるライブある?
石渡:さっきも言ったfishとnessieとのスプリットのレコ発で、名古屋のブラジルコーヒーでやった時かな。初遠征ライブ。
下平:カフェで座れるしご飯も食べられるっていう、東京にはあんまりない感じで、すごく新鮮だったな。
──あの感じのライブハウス、東京にはなかなかないよね。
▲2015年2月7日開催『遠くのともだち』(fish企画)のフライヤー
下平:knitや象の背に京都に呼んでもらった時は、今Pingpong Pearlで活動してる、(川井)ゆうさく君がサポートベースで入ってた。ゆうさく君時代。
▲2016年4月17日開催『京都タワーでまた会おう』(knit、象の背共同企画)のフライヤー
──京都の今はなき四条烏丸リンキィディンクスタジオだったね……。じゃあ南部先生が入ってくるのは大学卒業後なんだ。
下平:そう。ベースに南部君が入って3人になった。その時期に、今も毎年夏に茄子の松山(脩)さんが開催してる『Twin Falls』っていうイベントも始まって、Townやshuto、友達がたくさんできた。あと、チリに住んでるマヌッチっていう友達ができて、マヌッチのバンドSegunda Divisiónとスプリットも作ったり、更に新しいバンドとか友達との交流が始まったな。
石渡:その頃はみんなバンドばっかりやってるって感じで、演奏もどんどん仕上がってきて、ライブがどんどん楽しくなってきた。
▲2017年7月8日開催『Twin Falls』(松山脩企画)記念すべき第1回のフライヤー
▲2017年10月14日開催『モンスーン・アパート』第1回のフライヤー。shuto / merimeriyeah / Townの3バンド共同企画で、翌年、翌々年も開催された。
──当時のライブ、めっちゃ覚えてる。同じ曲でも会うたびにアレンジが違う、みたいな。
下平:「迷走してる」って言われたりしたけど(笑)。でも、楽しかったな。
──PVも結構作るようになったのもこれくらいの時期?
石渡:そうそう! 私の大学の映画学科の同級生の堀部(真奈)や、「Goo」の監督の逵(真平)さんが関わってくれるようになって。
下平:そもそも、堀部の卒業制作に俺が主演で出たりもしてて、ずっと交流もあったんだけど。メリメリの曲を題材にした映像作品を作ってくれたりして、今もずっとMVを撮ってくれてます。
──本当に精力的だったよね。でも、そこでコロナ禍がやってくる。どのバンドもパタっと活動止まってたけど、メリメリも結構ダメージあったんじゃない?
下平:うーん。自分は、案外ダメージはなくて。ライブが半強制的にできなくなってしまったことで、逆に曲作りに集中できる安心感みたいなのがあった。
石渡:メリメリ、元気だったよね(笑)。
──確かに曲はどんどん出してたよね。あとは、コロナ禍の中で発表してたライブアルバム、あれ、めちゃくちゃ良かったよね。
下平:新宿のNINE SPICESで録ったやつで。ナイスパの人たちがすごく協力的にサポートしてくれて、時間も気にせず、1時間以上やらせてもらった。
石渡:配信ライブだったからその場にお客さんはいなかったけど、演奏はすごく自由にできて楽しかったな。
下平:遠くの人も配信で見てくれて、「世界には見てくれてる人がいる」って実感できた。
石渡:世界!(笑)
──自分も見てたよ! 本当に良くて、あの配信を同じ時間に見てた友達に会った時に「メリメリ最高だったね!」って言ったの覚えてる。ライブアルバムとしてのちのち発表してくれてめっちゃ嬉しかった。
石渡:あれは、よしともさんが今年良かった音楽アルバムを紹介する雑誌の企画に参加するってなって、「あの時のメリメリの配信を挙げたいから音源として出してくれない?」って言ってくれて。
下平:それまで全然そんなつもりなかったけど、いい機会だと思って作品化した。
──よしともさん、めっちゃファインプレイ! メリメリはライブも最高だから、ライブの録音作品の続編期待してます!
下平:検討します(笑)。

















