昨年6月に初開催のmeiyo×新宿LOFT presents『aufgießer1st set』。サウナ用語で"熱波師"を意味する"aufgießer"(読み:アウフギーザー)をタイトルに冠したのは自身もサウナ好きなmeiyoで、"音楽の熱波をお届けしたい"という願いを込める。事実、昨年はSAKANAMON、メメタァと共に音楽でのすさまじい熱波を届けた日となった。
あの日からちょうど1年、5月31日(金)に『aufgießer 2nd set』と題して2回目が開催される。meiyoに加え、Aooo、ONIGAWARAという今回の出演者についてはインタビュー内で語られているのをお読みいただくとして、meiyoといえば新宿LOFTとはこんなエピソードがある。2018年頃のこと、新宿LOFTにいち音楽リスナーとしてライブに来た時。"SNSを通して樋口さん(※共催企画の新宿LOFT担当者/インタビュー内にも登場)がKANさんにまつわる発信をしていたのを見ていて、KANさんが好きなら自分の音楽も聴いてください!"と自身のCDを渡したという。それがきっかけで新宿LOFTとのつながりがスタートし、今やこうしたイベントを共催することにも至っているのだ。
さて、『aufgießer 2nd set』ではどんな音楽の熱波を浴びることができるだろう? 主催者であり出演者でもあるmeiyoにイベントのことはもちろん近況まで、たっぷり語ってもらった。(Interview:高橋ちえ)
meiyoにとって新宿LOFTは“今も憧れで、追いつけていない場所”
──最近、TV番組の『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ)に出演されてましたよね。
meiyo:あれはもう(笑)、本番の日は上手く歌うためのアドバイスもいただいていたんですけど練習すればするほど緊張していく、という感じになって。
──個人的にTV番組で久しぶりに爆笑しました。最近は音楽活動もとても充実されていてお忙しいようにお見受けしてますが?
meiyo:いろいろと曲を作らせてもらったりしてますけど、自分は曲を形にするのが結構、早いほうで。メッチャ早いと作業し始めてから1日である程度聴かせられるまで完成できるんですけど、いただいた猶予の締め切りまでの期間でなるべく早く終わらせるようにして、それで友達に連絡してサウナにも行ったりして。人間らしくありながら(笑)曲を作っている感じですね。
──“曲作りが早い”理由はどこにあるのでしょう?
meiyo:たとえば“曲を作ってください”っていうお話をいただいたら、その人とお話をしているうちに“こういう曲を作って欲しいんだろうな”っていうのを想像していくと、アイディアのタネみたいなものが見えてきて、それを咲かせる。みたいな感じの、作り方をしてまして。だから話が進まないと、全然(アイディアが生まれない)。良い曲を聴いたりすると“このアイディア良いな”って何となく引き出しにストックしてるとかはありますけど、自分自身が常に何か考えている、とかはないです。
──今このインタビューを仮にわたしがクライアントで、“新宿LOFTが移転して25周年でmeiyoさんに曲作りをお願いしたい”と置き換える場合、こうしてお話ししているうちにアイディアが出てきて曲に繋がる…と?
meiyo:確かに、新宿LOFTのそういう曲を作れたら楽しそうですね(笑)。25周年の間にワンマンをしたアーティストとか、周年イベントはどれぐらいの頻度でやっているんだろう、とかを話したり自分も調べていくうちに、“新宿LOFTを総括する”みたいな曲ができる…んじゃないかな、自分が見てきた新宿LOFTのこととかも併せながら。話したことをまとめて気持ちの良い表現にする、っていうことは(曲作りで)いつも考えてますね。仮に全然知らない人から曲をお願いされたとしても、“この人のどこが好きだから曲を聴きたいと思うんだろう?”とかを考えたりしながら、自分もその人を好きになって、どういう曲を歌って欲しいかを考える、みたいな感じで。だから曲を作る前にまず、自分もその人を好きになる(笑)ところから始まりますね。
──曲作りのスタンスがすごく前向きですよね。さかのぼって元々、そうやって曲作りをしていたところがあるのでしょうか?
meiyo:昔っから頼まれてもいないのに曲を作るっていうのを前からやってまして。奥田民生さんが好きすぎて“聴いてもらえるタイミングが来たら聴いて欲しいな”と思って曲を作ったりとか、ずっとしていたので(笑)。
──その曲が届く日も近いかもしれませんね…!?
meiyo:聴いてもらえる時が来たらメッチャ嬉しいですけど、でも今、その曲は恥ずかしいですね(笑)。
──その時には過去曲でなくとも、すぐにまた新しい曲が生まれるのでは(笑)。では新宿LOFTにまつわるお話を伺っていきますが、meiyoさんがLOFTに出演するようになってからの思い出を挙げるとしたら何でしょうか?
meiyo:ピンポイントな話としては、エゾシカグルメクラブと仲良くなれたことですね。LOFTに出る人って“尖ってる人”みたいなイメージがあったんですけど、メッチャ馴れ馴れしく声をかけてきてくれた(笑)。故に、今に至るんですけど。LOFTって怖いイメージだったんですよ、それが怖くないんだなっていう(笑)。あとは樋口(寛子)さんの親身さですね、それが嬉しくて。僕のマネージャーともメチャクチャ仲良くなったりしてて。でも、LOFTに対してはまだ、“憧れ”と言うか…僕はまだLOFTを埋めたことがないのがあって、追いつけてない場所っていう感覚がずっとあって。
──そんな新宿LOFTで昨年、『aufgießer』と冠したイベントをLOFTと共催で初開催しましたよね。振り返って1回目はいかがでしたか?
meiyo:メチャクチャ楽しかったです。僕がLOFTにお客さんとして見に行ったこともあるSAKANAMONと、LOFTで出会ったメメタァと。どっちの音楽もただただ好きでどっちも聴いてるし、2組ともロフトのイメージがあるので、LOFTでやることができて良かったですね。(対バン後に)SAKANAMONから“一緒に曲を作りましょう”ってオファーをいただいたり(SAKANAMON「4696 feat.meiyo」/2023)、メメタァは今年2月の『メメフェス』に誘ってくれて。2組とも繋がれて、いいイベントでしたね。
──イベント後もストーリーが繋がってるのが良いですよね。そして最後、フロントマン全員がステージに上がってコラボレーションしたのもとても良かったです!
meiyo:ラップをしてもらったりね(笑)、確かにあれは良かったなぁ。今回もできるかなぁ?