この4月から"新宿LOFT歌舞伎町移転25周年記念"と銘打ち、新宿LOFTでは様々な企画が開催されているが、5月19日(日)の『DREAM MATCH』はこのアニバーサリーだからこそ実現に至った意味合いも強いだろう。2017年に解散したWHITE ASH・のび太(vo&g)と山さん(g)が「のび山」として2人一緒に音を鳴らし、山さんが現在活動している自身の名義を冠したバンド「山岡トモタケ&FLAMINGS」もステージに立ち、さらにベース・彩はこの日限りの「スナック彩」を開店。この日、新宿LOFTでの邂逅は一体どうなるのか...現時点で出演者たちにも全く分からないようだが、分からないからこそむしろワクワクが募ってくる。
ライブを約1カ月後に控えたある日。のび太、そして山さんの2人揃って新宿LOFTで対談を行なった。その場に立ち会った者として今、言えるのはたった一言。この日を見逃すわけにはいかないということ。WHITE ASHというバンドを経てからもメンバーは各々、その時々で"今"を生き続けてきた。実に9年ぶりに顔を合わせるWHITE ASHのメンバーが見せる、彼らの"今"をこの日、ぜひ見届けて欲しいと強く思う。(Interview:高橋ちえ / Photo:丸山恵理)
WHITE ASH解散以来で昨秋、のび太&山さんが再会
──ではまず、お2人が再会したお話から聞かせてください。
のび太:(山さんと)久しぶりに会う前にまず、2017年3月にWHITE ASHを解散して、その年の7月ぐらいから俺はベースの彩さんとTHE LITTLE BLACKで活動をし始めるんですけど、2019年ぐらいに活動休止・のび太なんでお昼寝を(一同笑)するんです。それで去年の5〜6月ぐらいにお昼寝から目覚めて、THE LITTLE BLACKがまた活動を始めるんですね。自分が音楽活動を再開して“そういえば山さんって最近どんな感じなんだろう?”って、去年の9月に山さんに連絡をしたっていうのが解散以降で初のコンタクトで。
山さん:2017年の解散パーティ以来、全く会ってなかったんですよ。急に連絡が来て、“おぉ!”って、びっくりして。それですぐ歌舞伎町の居酒屋で会ったんですけど、僕は酒ばっかり飲んで、のび太はご飯ばっかり食べながら、最近聴いてる音楽とかを話して。
のび太:5月19日のライブの話とかも、一切なくてね。
山さん:他愛もない音楽の話ばっかりで、久しぶりに楽しかったなぁ。
のび太:(山さんの)何となくの動向は知ってはいたんですけど、お昼寝に入って以降の活動を何も知らなかったから。シンプルに“今も音楽やってんの? 元気にしてんの?”ぐらいの気持ちで連絡した感じです。
──ちなみに“お昼寝”の間、音楽からは離れていたのですか?
のび太:離れてました、完全にギターにも触れずに4年ぐらい。“NO MUSIC, NO LIFE.”ならぬ、“NO MUSIC LIFE”でした(笑)。
──そうだったんですね。逆に山さんは、のび太さんの動向は気にしてましたか?
山さん:SNS上では見てました。お昼寝タイムが始まったのも知ってて、それはいろんな理由あってだと思ってたし、目覚めを願おう、って。僕はバンドが解散してからも、のび太は音楽を続けてくれるであろう、ボーカルとして続けてほしいっていう願いがあったし、個人的にはTHE LITTLE BLACKもメチャクチャ応援と言うか、僕も頑張んないと、っていう気持ちになれてたから。WHITE ASHが解散してから僕は、どうやったら音楽が続けられるのかと考えて弾き語りを始めたところがあるんですけど、(ドラムの)剛も“音楽を続けたいけどできない”みたいな感じだったから、“じゃあ一緒に2人でできることをやろうよ”って。sottoっていうユニットを組んでツアーも回ってたんですけど、そのツアーファイナルがコロナの時期で中止になっちゃって、剛もコロナと家庭の事情とかもあってsottoが動けなくなっちゃって。(1人で)結構ツアーも回っていたし、“せっかく1人でも良い音楽やってるんだから、ソロでもありじゃない?“って言ってもらえたのもあって、去年から山岡トモタケ名義で活動を始めて。そのタイミングでのび太から連絡が来たから、不思議だなぁ(笑)って。続けてれば、再会もあるんだなぁって。
のび太:山岡トモタケっていうソロになったのって、去年なんだ?
山さん:そう。去年6月から今年の1月まで60本ぐらいツアーを回ったんだけど、そのときから。サポートをやってくれてるメンバーは町田のライブハウス・The Play Houseのスタッフさんだったり、プレイヤーだったりで、それも玉川大学の繋がりで。
のび太:え? そうなんだ!
山さん:今年からはそのサポートのメンバーと一緒に「山岡トモタケ&FLAMINGS」っていうバンドとしてもやってるんだけどね。
のび太:じゃあ、山さんがソロになったタイミングと、THE LITTLE BLACKが活動再開したタイミングって、ほぼ一緒だったんだね。
──昨年9月に再会したときにはこんなお話は全くしていない?
のび太:(山さんの)そういう具体的なところは聞いてないですね。今、“玉川大学”とか出てきて、そうなんだ? みたいな(笑)。
山さん:WHITE ASHは玉川大学の軽音楽部で組んだバンドで。
のび太:T.C.M.S(=玉川大学軽音楽部)ね。OBとして(大学に)行ったりしてるの?
山さん:卒業してからは全然、行ってない。まだ大きい顔では行けないなと思って(一同笑)。
のび太:ウチらが現役の(学生の)ときは、たまにOB・OGの先輩に遊びに来ていただいたりしてて。ドラムとかアンプとかの機材って代々、先輩が使ってた機材を受け継ぐ感じで、俺も入部したときは先輩が使ってたマイクスピーカーとかを譲り受けたんだよね。それで自分も、ORANGEのギターアンプにガムテープで“のび太”って貼って置いてきたんだけど、まだ機材庫にあったりするのかな?
山さん:引き継がれて、別の名前を貼って誰かが使ってるんじゃない?
──大学の後輩たちも興味を持ってくれたら嬉しいですよね!
のび太:そう、今のT.C.M.Sの子たちとは全く面識がないわけだからさ。5月の新宿LOFT、遊びに来てくれたら嬉しいなぁ。
山さん:卒業してからもう10年、時は経ってるからね。確かに!