長年、新宿LOFTで開催されている『DREAM MATCH』。"新宿LOFTという場所で見たい"と思う組み合わせの2組で行なうライブイベントで、最近ではTRICERATOPS×This is LASTという、アーティスト同士もさることながら集まるファンも世代を超えて音を楽しめる1日になったのも記憶に新しい。
さて、新宿LOFTは現在の場所に移転し今年で25周年を迎える節目を迎え、4月から移転25周年を記念してスペシャルなライブ・イベントが繰り広げられていくアニバーサリーに突入するが、そんなアニバーサリーのスタートにも相応しい組み合わせで『DREAM MATCH』が開催だ。先だってこのRooftopに掲載されたインタビューで、"ライブのやり方やバンドの維持の仕方など新宿LOFTとの出会いから学んだ"と語るほど新宿LOFTとの関わりが長くて深いメレンゲ、対するは"メレンゲのメンバー及びファンの方々からのアイディアもあったし、世代が一つ違う方たちで面白い組み合わせになるのでは"(ブッキング担当・樋口寛子氏)というmol-74。4月12日(金)の開催を前に、mol-74・武市和希(Vo, Gt, Key)と坂東志洋(Dr)に話を聞いた。(Interview:高橋ちえ)
mol-74が新宿LOFTのステージに立つのは8年ぶり!
──メレンゲと対バンという形での『DREAM MATCH』。この2マンのお話を聞いたときはどんな思いでしたか?
武市:mol-74を京都で始めた頃になるのかな、僕はカフェでアルバイトをしてたんですけど、そこで仲良くなった友人がいて家にも泊まりに行ったりしていろいろと音楽を教えてもらったんですよ。その中にメレンゲさんのアルバム『シンメトリー』(2009)もあって、当時よく聴いていたんです。だから今回お話をいただいたときに“メレンゲさんや!”ってすごく嬉しかったですし、そもそも前に新宿LOFTに出演したのっていつだろう? って調べたら、2016年で。新宿LOFTのお祝いで、めでたいタイミングでメレンゲさんと2マンができるっていうことはとても嬉しいですね。
坂東:そうね。僕は昔よく読んでいた『最終兵器彼女』っていう漫画の映画版でメレンゲさんが主題歌を歌っていましたし、アニメの『ピンポン』エンディングでも曲が使われていて。そんな大先輩と僕らが2マンできるなんて思ってなかったんで、とても嬉しい気持ちがあります。
▲メレンゲ
──アニメのテーマ曲を通じて耳にされた世代でもあるのですね。さらに、新宿LOFTへの出演は2016年以来になるのですね。
武市・坂東:そうですね。
武市:ミュージックビデオを撮る監督の方が主催したイベントで、My Hair is Bad、SHE'S、Halo at 四畳半、WOMCADOLE、それと僕らの5バンドで出演させてもらって。今回はそのとき以来ですね。新宿でのサーキットイベントがあっても僕ら、会場が新宿LOFTではなかったりしたので。
──8年ぶりの新宿LOFTのステージになりますが、そのときの新宿LOFTでの思い出や印象なども伺わせてください。
武市:当時、僕らが全国流通盤のCDを出して1年目ぐらいのときだったんですよね、なので大きなライブハウスに出たことがまだ、あまりなくて。(坂東と)僕ら2人とも徳島県出身なんですけど、新宿LOFTが今の場所に移転する前の西新宿にあったとき、好きなバンドのスケジュールとかを見ても“新宿LOFT”って書いてあって名前は知ってましたし、新宿LOFTという所に対しての憧れと言うか、出演してみたいなと思っていたライブハウスでしたね。それで初めて行ったときに“わ、広いな!”って思ったりしたのを覚えてますね。ステージも奥行きがあって広いなって思った印象があります。
坂東:2016年のイベントの前、2015年に『MUSIC LINKS』というイベントに出させてもらったのが新宿LOFTの最初になるんですけども、
武市:あ〜、それもあったね! 思い出した!
坂東:そのリハのときに、(共演した)雨のパレードといろいろ話したことが印象に残ってたりしてますね。
──ちょっと話が逸れるかもしれませんが、新宿LOFTに出演し始めた頃も今でも、京都で音楽活動を続けておられますよね。“東京でバンドをやろう”という発想にはならなかったのでしょうか?
武市:そうですね、上京することなく続けてますけど、僕が単純に京都が好き(笑)っていうのがあるんですよ。京都の街並みであったりとか程よく都市な部分も見えたり、歴史も感じられたりして今と昔が共存している感じだったりとか、ちょっと裏路地に入っても綺麗で絵になる感じだったりとか、そういうのが好きなところもありますね。あと、東京の満員電車が好きじゃなくて(笑)。
坂東:あ〜(笑)、うんうん。
武市:人と人が密着してぎゅうぎゅうですし詰めっていうのが。あれを経験するのかな…って思うと。バンド内でも“上京するか、しないか”っていうのがこれまでも何度かあったんですけど、住むっていうことになると向いてなさそうだな、という予感が何となくあって。僕は嫌だ(笑)っていうところと、書く曲も変わってきそうな気がするんですよね。あと京都って遠征が楽だと思うんですよ、西に行くにしても東に行くにしても。と思いつつ、僕は運転しなくてずっと坂東くんが頑張ってくれてるんですけど(笑)。
坂東:あはは。京都にずっと住んで慣れてるのもあるんですけど、東京に行ったら雰囲気に潰されそうやな(笑)と思いますね。
──今、武市さんが仰った“書く曲も変わってくる”かもしれない、というのはのは大事な部分ですよね。
武市:きっと、“自分が好き”っていうものがちゃんと多い所に住んでやりたい、っていうのがあって。あと、地元が遠くなる。距離感の問題っていうのは音楽にも関係していて、多分、京都にいなかったら今、僕たちがやっている音楽はだいぶ変わってるんだろうな、とかは思ったりしますね。
──そもそも、お二人が徳島から京都に出てこられたのは進学とか?
武市:そうです。僕と坂東が高校の同級生で、もともと高校のときにはmol-74っていうバンドはあったんですよ。厳密に言うと徳島の、同じクラスの4人組で結成はされていて。
──そうなのですね! それから、お二人が京都に行ってから現メンバーとなるギタリスト(井上雄斗)、さらにベーシスト(髙橋涼馬)が加わって2017年からこの体制で活動をされている、と。ちなみにバンド名から察するに、お2人とも理系なんですよね?
武市:それが2人とも文系なんですよ(笑)。僕が友達に化学の教科書を借りてペラペラめくっているとき、moleculeの縮約で“mol”っていう単語を見つけて…でも、文系なのに何で化学の本を借りたんやろ? って今、思いましたね(一同笑)。