来たる11月2日、新宿ロフトで開催される「Let's Go Beat Caravan! vol.3」。ザ・ファントムギフト、GO-BANG'S、THE PRIVATES、ROLLY -- 時代を走り続ける豪華ロックスター達が一同に介し、ライブハウスのイベントならではの熱演を繰り広げる。
イベントを直前に控えた10月某日、80年代の同時期にデビューしたザ・ファントムギフトの杉村ルイ、チャーリー森田とGO-BANG'Sの森若香織が初の対談を新宿で行った。(TEXT:加藤梅造)
(写真)左からザ・ファントムギフト(チャーリー森田、杉村ルイ)、GO-BANG'S(森若香織、WIKA)
清志郎さんの存在はめちゃくちゃデカイ
──11月2日開催「Let’s Go Beat Caravan! vol.3」では久しぶりの対バンですか?
チャーリー森田(以下、チャーリー) 昔、学習院大学の学祭で共演しましたよね。ゴーバンズの後に自分達の出番だったんだけど、ドラムが使い回しだったから、椅子に座ったら足が届かなかった(笑)
森若香織(以下、香織) ゴーバンズのドラムの子(斉藤光子)はめちゃ身長高かったから(笑)。私はLa.mamaで対バンしたのをよく憶えていて、ファントムギフトに合わせて自分達も衣装をサイケにしようって盛り上がった。かといって楽屋で仲良く話した記憶はないんだけど…
──香織さんはファントムギフトにどんな印象を持ってましたか?
香織 カッコいいバンドだし音楽センスが自分と合うなと思ってました。私もオールディーズが好きだったから。
チャーリー ゴーバンズのルーツはどんな音楽でした?
香織 やっぱりパンクですね。ラモーンズ、ブロンディとか。
チャーリー 当時、アメリカで人気だったガールズバンドのGo-Go'sとBanglesを足したような名前だし、みんなで観に行ってましたよ。
香織 ガールズバンドはまだめずらしい時代でした。
サミー前田(以下、サミー) もう伝説になってる話ですが、札幌のバンドだったゴーバンズのデモテープを忌野清志郎さんが見つけてデビューにつながったんですよね?
香織 そうです。スタジオミルクという昔からある喫茶店兼レコーディングスタジオがあって、そこに地元のバンドが集まってたんです。そのお店はアマチュアバンドのテープを店で流してくれていて、そこにたまたま来ていた清志郎さんが聴いて「いいじゃん!!」って気に入ってくれたんです。その後、RCサクセションのGee2woさんからベースの美砂ちゃんに電話がかかってきてもう大騒ぎになりました。私は親の転勤でその時は東京に住んでたんですが、清志郎さんがベースとドラムの2人も東京に呼んでくれて1週間毎日一緒に過ごしたんです。そんな夢の様なことが。
杉村ルイ(以下、ルイ) 清志郎さんはどんな感じだったんですか?
香織 妖精みたいな人でした。ふわーとした感じで「君たちいいいからさぁ、やりなよ〜」って言ってくれて。「はい!やります」みたいな感じ。私は最初ギターだったんですが、清志郎さんが「君は、ボーカルだよ」って。それで歌うようになったんです。
ルイ それはやるしかないね。
香織 その1週間は夢のような日々で、RCのメンバーがみんな集まって私たちのデモテープを録ったりしたんです。ある日、北の丸公園を一緒に散歩していて、武道館の屋根が見えた時に清志郎さんが「今度あそこでやるから観においで。君たちもいつかあそこでやりたまえ」って言って、「はい!」って無邪気に答えました。
──その数年後、本当にゴーバンズの武道館公演が実現しましたからね。
ルイ すごい話だ。
チャーリー 俺らの世代にとって清志郎さんの存在はめちゃくちゃデカイですよ。当時、僕の家の近くに国立で唯一輸入盤とブート盤が買える「レコード・プラント」って店があって、そこには清志郎さんも来てたし、あと『シングル・マン』の再発署名運動をその店でやってて、俺もサインしました。
サミー RCのサードアルバムの『シングル・マン』が廃盤になってたから、「こんないいレコードが何で買えないんだ」ってファンの署名運動があって、その後ポリドールから再発されたんですよね。
チャーリー 20歳頃、RCの曲名にもなってる「多摩蘭坂」の坂の上のボロアパートに住んでたんですが、土日にはRCのファンが多摩蘭坂に聖地巡礼にたくさん来てたんです。それで当時一緒にバンドやってたメンバーとRCっぽい格好して一緒に坂を歩いてました(笑)
香織 青春ですね!
森若香織(GO-BANG'S)