良い価値のものが生み出された瞬間に立ち会えたことを本当に光栄に感じています
――『親金』は家族について深く描かれている作品ですが、ビッケブランカさんにとって家族とはどういった存在ですか。
ビッケ:家族は大切過ぎて怖くなることがあるくらい大事なものです。僕は妹がいますが、妹が傷つけられようものなら平常心を保っている自信がありません。それだけとても大切なものです。僕が長男というのもあるんでしょうけど、守っていかなければいけないという感覚があります。
――正直、最初は観るのが辛いと思う部分もありました。お金を巡ってのドロドロもあり、姉妹も仲違いしていて。
ビッケ:最初のプロレスラーに追いかけられるシーンがあるから、僕はそこまで深刻にならずに観れました。あえてあのシーンから始められたんだと思いますが、人間が持っている凶暴性をはじめのシーンの余韻で包んでいるんだと思います。あるべき姿を最初にさらしているので、そこからの流れなので凄い綺麗な流れだなと思いました。
――確かにあのシーンはコミカルに描かれていたので、重たい気持ちになりながらも最後は爽やかな気持ちになれたので。
ビッケ:序盤と終わりでは全然雰囲気が違うので不思議な作品ですよね。
――勉強にもなる映画でした。こういう制度があるというのは確かにニュースで見たなと思いましたが、どんなものなのかは理解していなかったので。
ビッケ:知識も付きますね。本当に家族間のシビアなテーマ、煩わしく思う部分を監督が分かりやすく説明しつつ、物語としても面白くなっていて。凄いバランスで出来ている映画だと思います。
――重たくしようと思うとどこまででも重たくできますからね。
ビッケ:音楽なしで描くこともできる重厚な重たいドラマにもできたと思います。そんな作品をエンタメとしても面白く描いているので、田中監督のセンスは素晴らしいですね。
――「Bitter」について田中監督や三浦翔平さんや比嘉さんも素晴らしいと絶賛されていますが。
ビッケ:光栄です。作品を盛り立てる、監督の思いを具現化するということを自分の出来ることで貢献したいという思いは俳優やスタッフのみなさんと同じだと思いますが、その仲間として受け入れてくださるのは嬉しいですね。本当に素敵な映画に携わることが出来て良かったなと思います。僕の人生の一里塚になっていく楽曲を書かせてもらえました。
――そんな『親金』もいよいよ公開されますね
ビッケ:本当に面白い映画なので皆さんに観ていただきたいです。どんな立場の人もどんな年齢の人も何かを感じられてそれがいい形で心に残っていく映画です。良い価値のものが生み出された瞬間に立ち会えたことを本当に光栄に感じています。みなさんにぜひ観ていただきたいです。
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