バンドって、バンドマンって、やっぱり良いなぁ...今回の対談を通してまず思ったことだ。今月末・10月29日(日)に開催されるBentham Presents『FASTMUSIC CARNIVAL』。"Benthamがこれから始まっていく一歩目"として、新宿ロフトとタッグを組んでホール&バーの2ステージを使った往来型のイベントを自ら初めて企画する。何と全19組(!)の出演ラインナップが並び、Benthamメンバー4人全員が奔走しながら準備を進めている中でチケットはソールドアウト間近。開催をいよいよ目前に控え、Benthamのフロントマン・オゼキタツヤ(Vo)が呼びかける形でシナリオアート・ハヤシコウスケ(Vo&G)&NITRODAY・小室ぺい(Vo&G)の三者が対談を行なうことになった。対談を通してオゼキが話したかったことは? その答えは対談を早速読み進めていただきたいし、"自然と笑顔になる人が増えたら嬉しいな"とメンバーが語っているように、お客さんも出演のバンドマンも、笑顔が多く溢れる1日になるだろうと確信するお話となった。(Edit:高橋ちえ)
このバンドを知ってる知らない関係なく、どのバンドも見てほしいという思いが強いラインナップ
──『FASTMUSIC CARNIVAL』はタイムテーブルも発表になりましたね。全出演者の中からシナリオアート・NITRODAYのフロントマンと対談したい、と思ったのは?
オゼキ:自分たちが初のイベントでラインナップも出揃って、イベントをやるにあたって仲が良いバンドも何バンドかいる中で、面識がないバンドや活動時期は被ってるけどそこまで親しくないバンドもいます。そんな方々を誘っている経緯を伝えたくて、今回はこの2組を対談にお誘いしました。
▲シナリオアート
──ではまず、シナリオアートの皆さんに出演をお願いしたお話から始めましょうか。
オゼキ:サーキットイベントで顔を合わせたり、他のメンバー同士が仲が良いのはありますし、近々の活動も知りうる限りでチェックをさせていただいて。ずっと仲良くしたいと思ってたけど距離感がムズいな…というところ、ですね!
ハヤシ:(笑)これまで対バンとかもあったんですけど、ガッツリ全員が話した感じじゃないですもんね。仲良くなりたいなって僕らも思ってたんですけど、機会がなかったですよね。
オゼキ:シナリオアートは活動もそうですけど、楽曲的にもイケてるんですよね。
ハヤシ:イケてる?!(笑)
オゼキ:メチャクチャ個人的なんですけど、バンドの楽曲は僕がメインで作曲をしてまして、僕が作れないような曲が多い印象で憧れる…メロディアスなところを混ぜ込みつつダイナミックさもあるのがカッコ良いと思ってて。
ハヤシ:超、嬉しいですね。面白い曲にしたいなと思って曲作りをしてるので、そう思っていただけてるのと、曲をいろいろと聴いてくれてる上でこうして誘っていただいてるのが嬉しいです。
オゼキ:オシャレっぽくてど真ん中の曲をずどーんとやって綺麗めに行くはずが結果的にエモく終わったりとか、それはこだわりが出てるからだと思うんですけど。だから、ライブも良くて。Benthamも、自分たちのことを言うのも何ですけど、めっちゃストレートなことをやってるけど変な立ち位置だったり、変な曲っていう認識で取られがちなんですよね。シナリオアートはそういうところを意図してやっているのか分からないけど、バンドとして通じるものが個人的にはありまして。当日はその答え合わせができたら良いなと思ってました。
ハヤシ:Benthamのライブは上がるなっていう印象がありますよね。シナリオアートはスタイルがわりと内向的な感じがあるから、(Benthamの)バーンと突き抜けてオーディエンスに伝わってみんなで衝撃を共有できる、みたいなところが好きで憧れがありますね。あと、(オゼキの)声がムチャクチャ好きなんですよね。
オゼキ:ありがとうございます! ありがとうございます!!
ハヤシ:俺がなりたかった声を、超持ってて。音源もそうですけど、ライブを見るたびに思いますね。
オゼキ:声が高い”で一括りにされて、“いい声”ってあまり言われないんですよ。だからチョー嬉しいですね! 今日はよく眠れそうです(一同笑)。
ハヤシ:俺は大好きですね。俺も曲を作る人間として曲に関しても、意識してるのかは分からないけどBenthamにはストレートだけじゃないひねくれ要素が絶対にあって、そこが良いポイントだなと思ってます。“理解されたさ”と“理解されたくなさ”みたいなのが同居してて、良いなぁって。そんなイメージで思ってました。
オゼキ:(声を大きくして)メチャクチャ仲良くなれますわ、分かってくれてる!
▲NITORODAY
──続いて、NITRODAYの皆さんにお声をかけたお話に行きましょう。
オゼキ:まずは出演、ありがとうございます。そして、はじめまして!
小室:はじめまして。全く、面識がないので。
オゼキ:Benthamのこと、知ってました?
小室:高校生ぐらいのときに、ウェブメディアで記事を読んで名前を知って。名前は知っていても関わりのないまま、ですよね。
オゼキ:何で出てくれることになったんですか?
小室:やっぱりロフトでイベントをやるというのはバンドにとって大きいことだと思うので、そこに誘ってもらえたというのが嬉しいことだなと思って、ぜひ期待に応えたいなと思いました。
オゼキ:ありがとうございます。誘った経緯なんですけども、僕がずっとNITRODAYと対バンをやりたくて。この数年メンバーにも言っている中で、情けない話なんですけどこの情熱を表に出すタイミングがなかったんですね。ライブに行ってご挨拶をするとかツアーでお誘いするとかもなかったんですけど、やっぱり好きなバンドには好きって言いたいし、自分たちのイベントではNITRODAYを呼びたいなというのがあって。だから今回、メチャクチャ嬉しいです!
小室:最初にお誘いをいただいたときは“おぉ!”ってビックリしたんですけど、誘ってもらえたのは本当に嬉しいことなので、こちらこそよろしくお願いします。
オゼキ:出演時間との兼ね合いもあると思うけど、タイミングが合えば俺たちのライブも見てもらっていろいろと伝わってくれたらなと思ってます。NITRODAY、メチャクチャ好きで、“俺はこういうのをやりたかったんだよな”っていうのがすごく強く出てて。最初に認知したときにカッケー! と思ってたけど(NITRODAYが)まだ若かったし、ウチとは(対バン等を)やらないような音楽シーンで。サウンド面もカッコ良いし、“頑張れ!”っておじさんは思いながら(笑)、いつか話したり対バンがやれたら良いなってすごく思ってましたね。
──BenthamとNITRODAYは、確かに年齢差もちょっとありますかね?
小室:今、23歳ですね。
オゼキ:俺の12個下ですもん(笑)、(Benthamのほうが)だいぶお兄さんですね。
小室:そうですね。それとさっき話もありましたけど、やっているシーンもバンドの色的にもわりと遠いところですけど、そこを超えて声をかけてもらえたのはビックリでした。
──ちなみに、NITRODAYとシナリオアートに接点というのは?
小室&ハヤシ:はじめまして、ですね。
ハヤシ:他の出演者はシーン的にもわりと知ってるバンドが多いと思いますけどね。nolalaとかirienchyにはイベントに呼んでもらったりとか、対バンをしてるバンドも多いですね。
小室:僕は、佐々木亮介(a flood of circle)さんと弾き語りで対バンをしたことがあるのと、Panorama Panama Townはそれこそロフトで対バンをしたことがあるぐらいですね。
オゼキ:バンド同士でもこういう認識なので、(それぞれの)ファンも、このバンドを知ってる知らないとか関係なしに、どのバンドも見てほしいっていう思いが強くて。僕も見たいし、“俺は好きだからみんなも聴いてみ!”みたいなバンドを入れ込みたくて。間違いないイベントを作り上げるためには面識があるとかないとかそんなのは関係なくて、シナリオアートもNITRODAYも、今回の出演者全員が必要だった感じです。
小室:面識のあるなしっていうのはイベントの良し悪しに関係ないですよね。それぞれが良いライブをやっていれば、良いイベントになるのかなと思っているので、頑張りたいです。
オゼキ:ちなみにですけど、メールでやり取りしていてレスポンスが一番早かったのって小室くんなんですよ。だから、人間的にもしっかりしてるんだろうな〜と思ったりしてました。
小室:それはただタイミングが良かっただけかもしれないです(笑)。