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INTERVIEW

トップインタビューxiexie - USインディーを分母に置いたオルタナティブ・バンド、その始まりから現在に至る道程で見えてきたもの

USインディーを分母に置いたオルタナティブ・バンド、その始まりから現在に至る道程で見えてきたもの

2023.08.10

私のことを良いって言ってくれる人がやっと現れた!!(笑)

──xiexieの結成の経緯を詳しく教えてください。

飛田:やっぱりMeariさんと会ったから組んだっていうのが大きいんですけど。出会いは、共通の友人がいるヨガ教室で(笑)。

──ヨガ?(笑)

Meari:その共通の友人はピラティスのインストラクターで。朝活ヨガパーティーっていう、普段なら絶対行かないような(笑)。そこで、その人が「なんか2人、音楽性合うんじゃない?」って突然(笑)。

飛田:それでFacebookを交換したんです。それが2018年。僕は個人的にトラックメイキングをしてまして(RENGE)。もともとエレクトロ系でハウスミュージックを作っていこうっていう個人的な夢があったのですが、ボーカリストは常にフューチャリングで考えていたこともあって、その時期たくさんボーカリストに声をかけていたんです。そんな流れの中でMeariちゃんのFacebookでm-floの曲を歌っているのを見たところ、これは楽曲を語る力があるいい声だなって。これは素材にもなる声だって思いましたね。

──じゃあ、先にRENGEの方で歌ってからxiexieに。

飛田:そうです。子どもの頃から最上級のロック畑のカルチャーを知ってるのは大きいし、Meariちゃんはバンドをやりたいっていう感じで、とにかくもがいてたんですよね。自分を表現したいんだっていうパワーだけは伝わってきたんで、こういう人とだったらバンドを組みたいって思いました。

──声をかけられてどうでした?

Meari:私のことを良いって言ってくれる人がやっと現れた!! と(笑)。それまで結構自信失くすことが多かったんです。オーディションもたくさん受けてきたんですけど、「何も感じない」とか言われたことも結構あって。あと、飛田さんの演っていたall about paradiseは私もとても好みなバンドなので。「ぜひぜひ、一緒にやろう」ってお返事しました。

──曲は最初から今みたいな感じでやろうって思ってたんですか?

飛田:xiexieはもうブレてなくて。いわゆるUSインディーみたいな音楽を日本でやってるバンドいないなって思って、そういう意味では最初からそうですね。

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──幸田さんとはNY&BICYCLES(読み:ニューヨークと自転車・通称:ニューチャリ)で一緒にやられていたわけですけど、また一緒にやろうってなったのはどういう流れでですか?

飛田:ニューチャリっていうバンドは、人間関係の問題があって音楽辞めるっていうよりかは、ボーカリスト(幸田)が自分の歌に挫折していって、「ちょっと音楽離れようかなって思う」ってなってるところで、「もったいないな、音楽の能力高いのに」っていうのが僕の中にあって。ずっと「諦めちゃダメだよ」ってメッセージを送っていたんです。それで、「こういうボーカリスト(Meari)と出会ったんで、やってください」みたいな、もう選択なしに(笑)。ベースの開君とは、あの人、スターバックスの店長だったんですけど。

Meari:しかも渋谷のTSUTAYAの中の。

──相当デキる方じゃないですか。

飛田:ニューチャリ時代に対バンしたことがあるんです。てるち(開)とは、僕のドラムはすごい合うだろうなっていう。黒っぽさもありながらガレージ感も持ってる。その中立感はとても心地いいだろうなと思って、「一緒にやりたいな」と思ってたら、たまたまスタバで「あれ? てるち(開)がいる」って(笑)。

──すごい(笑)。

飛田:次回行ったら誘おうって思って。コーヒー頼むときに「あらっ! バンドやりましょう!」って(笑)。だからMeariちゃんとやるってなったときに、幸田くんとてるち(開)はすぐ浮かんだ2人かな。人間性の部分や、相性の良さとかいろいろ考えて。

──実際集まってやってみてどうでした?

飛田:最初はあんまり目標を定めるというよりかは、「自分の人生を豊かにするためにバンドを4人で続けていこうね」みたいな感じで始めていったんですけど、音を出したときに、ボーカリストを今までやってた幸田くんがギタリストになって。結構アバンギャルドなギターを弾くんですけど、フロントマンをやってきたからこその図々しさみたいなものがよく出るんですよね。それがバンドっぽさになるし、Meariちゃんも親御さんのシナロケですごいバンドを見てきてるから、それも全然自然だったと思うんですよね。だから、「これは、なんかいいかも」って僕自身エンジンかかってきた感じですね。それですぐレコーディング始めました。

──Meariさんは実際やってみてどうでした?

Meari:「da da」っていう曲を歌ってみた自分の声を聴いて、今までで一番自分らしいかもなって思ったし、自分史上一番カッコイイって思ったんですよ(笑)。

──もうお芝居とかではなく、バンドでいこうと?

Meari:お芝居好きなんですけど、苦手意識があって(笑)。それよりも、バンドが楽しいです。最初の頃は、自分の中のバンドのボーカル像になりきってたんですけど、最近は自然体になりました。今はお客さんの顔とかも見えたりして、リアルなコミュニケーションを心がけてます。

実は、バンドの裏コンセプトは、“SF”なんですよ

──xiexieの曲のジャンルの名称としては“インディー”って言葉がつくと思うんですけど、全然インディーの人たちじゃないと思っていて。例えば「sea bird」とか、すごいメジャー感がある曲だし、Meariさんがいることでバンド全体がキャッチーになっていますよね。そういう部分も見据えて誘ったんですか?

飛田:そうですね。絶対的ポップ感みたいなのはあるなって思います。やっぱりただのアンダーグラウンドで終わりたくなかったし。こういうバンドが日本にいますよっていう。

──xiexieの曲って基本すごく心地良いんですけど、一瞬危うさを感じるんです。例えば、田舎の綺麗な景色の中の入っちゃいけない森とか、一瞬次元がズレて迷い込んじゃって、戻ってくるみたいな。ギターのサイケデリックな感じとか、リズムをわざとずらしてもたってるところとか、不協和音みたいなのが、歌詞と合ってすごく効いていて。音数が少ないから余白がある分、イメージが湧く。曲は基本的に幸田さんが多いんですか?

飛田:コード進行は幸田くんが作ってきますね。

Meari:メロディと歌詞は、やまちゃん(幸田)が作ってきたものをアレンジしてます。

飛田:面白いのが、幸田くんって、こういうアレンジでこういう曲にしたいっていうのを言わないんですよ。バッ、て30分くらいギター弾いたら「適当にやっといて」って。「じゃあ、俺好きにやっちゃうよ?」って、僕がエフェクターかかってないところをかけても、何にも言ってこないし。だからライブが大変なんですよ(笑)。本人が「どのフレーズだったっけ?」って。「この4人が感じる着地でいいよ」、「みんなでやろうよ」っていう彼の余裕っていうか。もちろん、てるちもベースラインは自分で考えてるし、「ここのアレンジこうしようよ」って口出ししてくれるし、誰かが独裁しているというよりかは、「みんなが楽しいと思わなきゃダメだよね」みたいな。僕らも今まで何度も失敗してきてるんで、僕とやまちゃん(幸田)のこれまでの続きでもあるんですよね。だから、ニューチャリ時代はケンカが多かったんですけど。

──ああ、そうなんですね。

飛田:xiexieはひとつもケンカしなかったりするのも、長くやってるからだし。そういう部分では、みんながみんな関わっています。だから今回の新曲の「Green / FILM_SONG.」に関しては、ほぼMeariちゃんがメロディ全部書いてるし。曲によってその人の才能を引き出していこうよっていう柔軟な。

──Meariさんが作った曲はありますか?

Meari:1曲あったんですけど、やらなくなった(一同笑)。ライブで1回やったけど。いや、私はめっちゃカッコイイと思ってんだけどね。まだ未熟なんで。

──歌詞と曲がすごく合ってると思うんですけど、事前に曲のテーマとか共有されているんですか?

飛田:実は、バンドの裏コンセプトは、“SF”なんですよ。

Meari:もうそこだよね。やまちゃん(幸田)の好きなものもなんとなく分かってきたので、こういうことだよねって。私も、やまちゃんの音ありきでイメージが湧いてくる。

──もともとSFっていうテーマが全員の共通認識としてあるわけですね。納得です。

飛田:やまちゃんは一貫してるので。前のバンドから基本的には「こういうアルバムがやりたいよね」って言っても、なかなか若いときはそれが実現できなくて。それがなんとなくxiexieで実現できてるのかなって思います。

──例えば「alien」とか「walking man」の歌詞って、すごい切ないじゃないですか。疎外感、異物感みたいな。そういう気持ちってMeariさん自身も感じているんですか?

Meari:う〜ん…あんまない(一同笑)。これは大和(幸田)くんが書いてきた。

──そうなんですか!? てっきりMeariさんかと。その2曲もそうですが、xiexieの楽曲全体の要になっているのは、実は幸田さんの世界観なんですね。

飛田:「いやいや、いるじゃ〜ん、こんな長くやってる友達が」みたいなのはあったんですけど。

LIVE INFOライブ情報

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DONERA FES
出演:xiexie / Mellow Youth / マリースメック
DJ:はにゃちゃん
2023年8月11日(金)下北沢SHELTER
OPEN 18:00 / START 18:30
前売¥3,000 / 学生¥1,000
チケットはライブポケットにて発売中
問い合わせ:SHELTER 03-3466-7430

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