「オレたち売れたんじゃないか?」と思いました(スージー)
──OLEDICKFOGGYは3月にアルバム『残夜の汀線 -ZANYA NO TEISEN-』をリリースしたばかりです。
アツシ:オレ、すぐにマネージャーさんに連絡したんだけど。1曲目「消えて行く前に」を聴いた瞬間、これはコカ・コーラのCMソングにオファーしたほうがいいなと思ったね。これでコカ・コーラのCMが取れなかったら、営業力不足だよ(笑)。マネージャーさんに「御社の製品にぴったりの曲をご用意して参りました」って、しっかりプレゼンして来てもらいなよ。「武道館アーティストも言ってましたので」って言っていいから(笑)。
──あっちゃん、アルバムを聴いての感想はいかがでしたか?
アツシ:もう、1曲目からぶっ飛んじゃった! どの曲もハズレなしの安定感があって、なんだろうね、あれは?
スージー:メンバーが変わったんですよ。ベース(鹿児島大資)と鍵盤(三隅朋子)が新しく入って。その2人がすごい上手くて、やり手で。2人に引っ張られたみたいなところもありましたね。
アツシ:年間80本のライブをやりながら、レコーディングはどうしてるの?
スージー:今回は8月くらいから録り始めて、1月くらいまでかかったんですが。レコーディングはけっこう頑張りました。
アツシ:スージーの好きなニューロティカのボーカルの人は、レコーディングのときにこんな話がありました。オケを聴きながら歌ってたんだけど、ベースが邪魔で。「歌いづらいから、ベースを消してください」って、ベースを消して録りました。
スージー:ベースが邪魔って、そんなことあるんですね(笑)。
──でも、ライブのときはベースが入るじゃないですか?
アツシ:ライブのときはベースを聴いてないから!(笑)
スージー:ベースに引っ張られちゃうんですか?
アツシ:引っ張られる? ……そうなのかな? 分かんないけど、今度から「引っ張られちゃうから消して」って言ったほうがカッコいいね(笑)。あと、スージーの好きなニューロティカのボーカルには、こんな話もありました。裏が分からなくて、どこで歌が入るか分からないから、肩を叩いてもらう。
スージー:ホントですか? それはさすがにジェームスも言ってなかったです(笑)。
──大先輩の話、ためにならないなぁ!(笑) OLEDICKFOGGYは、アルバムツアーを終えたばかりですが。ツアーはいかがでした?
スージー:けっこう過酷だったんですけど、各会場がめちゃくちゃ盛り上がって。ファイナルもすごい盛り上がったから、「オレたち、売れたんじゃないかな?」と思って(笑)。このまま、トントントンっと行っちゃうんじゃないか? と個人的に思いました。
──こんな良いアルバム完成して、全国29カ所もツアーを回って。いまのOLEDICKFOGGYが絶好調なんじゃないか? と思って。ニューロティカ、今回の対バンはピンチじゃないですか?(笑)
アツシ:『ビッグ・ウェンズデー』は毎回毎回、いろんなバンドにぶっ飛ばされてるから。『ビッグ・ウェンズデー』なのに、ひとつも波に乗れてないって(笑)。
スージー:ウチ、あっちゃんに頂いた、ニューロティカのカレンダーが貼ってあって。『ビッグ・ウェンズデー』の日に赤丸してあるから、「お、今月もやってるな」と思って、気にはしてます。「いよいよ、次は俺たちだな」って思って。
アツシ:それはありがたい(笑)。
スージー:あのカレンダーって、1月は4人並んでるけど、4月くらいから、メンバー1人ずつになるじゃないですか? 今月、ナボちゃん一人だったんですけど、子どもが「この人だれ?」って言ってました(笑)。
アツシ:ホントだね、知らないおじさんだよね(笑)。
スージー:いまのメンバーになって、どれくらいになるんですか?
アツシ:カタルとナボちゃんが入ったのが96年だから、もうすぐ30年くらい。ギターはRYOくんが2年やって辞めて、ジェームスが入って。3年前にRYOくんがまた入った感じかな?
スージー:メンバー同士でめっちゃ仲悪いときとかありました?
アツシ:ない! それはまったくないね。
スージー:ニューロティカは、ずっと仲良いイメージですよね。
アツシ:1週間に何回も会ってるし、「この人はこういう性格だから」って分かってるし、カタルは「あっちゃんはこういう歌しか歌えないだろう」って分かって曲作ってくるし。生きていく上で必要な3人だから、ケンカすることもないよね。メンバーとケンカとかする?
スージー:僕はしないですね。
アツシ:バンドマンなんて、サラリーマンができない変わったヤツが集まってるんだから。ケンカしても当たり前だけど。ウチのバンドは「ヤメたい」って言ったら、「はいどうぞ」って感じだし。それぞれのメンバーが、家族のためや生活のために頑張ってるから。あんまり揉めたりしないかな。
スージー:なるほど、そうなんですね。
アツシ:本来、バンドマンなんて「オレがオレが」って人ばっかりだし、そうじゃなきゃバンドなんてできないと思うし。だから、オレがもっと我が強くて、出しゃばれるタイプだったら、ウチのバンドももっと売れてたと思います(笑)。
スージー:逆に解散してるかもしれないですけどね。
──あっちゃんの人柄に、みんなが集まってくるところもありますからね。
アツシ:じゃあ、オールディックとの『ビッグ・ウェンズデー』では、ちょっと我を出してみようかな? 先輩風吹かせて(笑)。
スージー:先輩の命令で、ボーカルの伊藤(雄和)にピエロのメイクさせましょう(笑)。
アツシ:いいね、そうしよう(笑)。
──スージーさんは、ニューロティカとの『ビッグ・ウェンズデー』で、なにか楽しみにしてることはありますか?
スージー:できたらもう1回、「ア・イ・キ・タ」を弾かせて欲しいです。以前、一緒にやらせていただいたときは、30分くらい前に言われたから、楽屋で必死に練習して……。
アツシ:観に来てただけだからね、失礼な話だよ(笑)。
スージー:「ギターソロお願いします」って言われましたからね。
アツシ:GELUGUGUのGENちゃんに、「あっちゃんはニューロティカの曲を誰でもできると思ってるでしょう?」って言われた(笑)。
スージー:小峠さん(バイきんぐ)も観に来ただけなのに、すぐステージに上げられますからね(笑)。
アツシ:そうだ。小峠くんはニューロティカも好きだけど、オールディックも大好きなんだよね。
スージー:小峠さんは学生時代、ニューロティカのライブを観に行って、一緒に歌ったこともあるんですよね?
アツシ:そう。高校生のとき、博多のライブで一緒に歌ってるんだよ。じゃあ、小峠くんとオールディックとニューロティカで、「ア・イ・キ・タ」やりますか? でも小峠くんは最近ステージに呼ぶと、「もう、いいですよ!」とか言うんだよね。出しすぎてて(笑)。
スージー:あはは。今度はちゃんと練習しておくんで、「ア・イ・キ・タ」弾かせてください。前にやったとき、最後に♪ジャカジャカジャカって弾いて、ジャンプで締めるのをやれって言われて。やったことないから、失敗したんですよ(笑)。だから今回はそれをやらせてもらって、カッコ良く締めたいです。
アツシ:お~、シャッターチャンスだ。じゃあ、みんなにそれをカッコ良く撮って、SNSに上げてもらおう。
──じゃあ、あっちゃんはお返しにオールディックのステージに立って、大好きな「消えて行く前に」を歌わせてもらいますか?
アツシ:無理無理無理! いま新曲覚えなきゃいけなくて、自分のことで精一杯だから!! でも、歌うならあの曲かな? っていうのは、だいたい決めてあるから。それは次のツーマンで(笑)。
──あっちゃんはOLEDICKFOGGYを『ビッグ・ウェンズデー』に迎えてのツーマンへの気持ちはいかがですか?
アツシ:そりゃ嬉しいですよ。前から一緒にやりたかったからね。去年、ず~っと聴いてたくらい好きなんで。オールディックのライブも堪能したいです。『ビッグ・ウェンズデー』で一緒にやって、その後は「ニューロティカ×OLEDICKFOGGY」の冠掲げて、ツーマンツアーやろうか?
スージー:いいですね、すごい嬉しいです。
──スージーさん、ニューロティカとの対バンで、OLEDICKFOGGYが負けないところはどこですか?
スージー:人数ですかね?(笑) あとはニューロティカとは違ったパンクの表現ってところは負けないと思います。
──あっちゃんはニューロティカがOLEDICKFOGGYに負けないところはどこですか?
アツシ:いや、年齢とか勝ち負けとか関係なく、1日楽しく過ごせれば良いかなと思っています。
──なんですか、その逃げの回答は。せっかくスージーさんが無理してひねり出してくれたのに(笑)。
アツシ:みんな楽しく平和で健康に過ごして、僕もすごい楽しみにしてるこのツーマンを体感してくれたら嬉しいです。オレ、やる前からこんなに「楽しみ」って言ってる対バンないよね? オレの中では中島みゆきと同じレベルで好きなバンドだからね(笑)。
スージー:打ち上げはないですか?
アツシ:平日だから、軽く(笑)。その後、週末で東名阪ツアーとかやれば、しっかり打ち上げできるよね?
スージー:そうですね、楽しみにしてます!