神戸を拠点に全国のライブハウスを駆け回るバンド、セックスマシーン!!。メンバー4人全員がコーラスも取りつつフロアにいる全員を"ゲストボーカル"に迎え、スタッフ含め会場内全ての人がセックスマシーン!!の一員となる形で唯一無二のライブを繰り広げる。コロナ禍でもライブの灯を消すことはなく『どこでライブやっとんねん!』と題し、"3密を避け"る形で岩山や大海原からライブを生配信、お茶の間から多数のゲストボーカルが参加したことも記憶に新しい。とにかくチャレンジングでアグレッシブなセックスマシーン!!が今年で25周年というアニバーサリーで新宿ロフトを舞台に『セックスマシーン!! 結成25周年イベント「明日への活力」〜再・バンド名による影響を考察編〜』と題し、7月21日(金)に打首獄門同好会とライブを行なう。まさに"バンド名を考察"するに相応しい(!?)盟友バンドに対する思いや、昔懐かしい新宿ロフトとのご縁など、たっぷり語ったお話をお楽しみください!(Interview:高橋ちえ)
たくさんのゲストボーカルと、新宿ロフトで大声で歌いたい
──セックスマシーン!!(以下、セクマシ)と言えばこのコロナ渦中にトークイベントに出演してもらいましたが、実はそれより前に新宿ロフトとの思い出があるそうですね?
森田剛史(Vo&Key):そうなんですよ〜、イベントをしようとしてロフトを仮押さえしたんですがキャンセルすることになって、間に入ってくれていた方にキャンセルと伝えたつもりが(ロフトには)伝わってなくて。結局その日、京都の磔磔(ライブハウス)とロフトでライブをやることになっていろんな人に手伝ってもらって、昼にロフトに出て新幹線で移動して京都に行って。それ以来、僕はブッキングに関する帳面を触らせてもらってません(笑)。
ケンオガタ(Dr):ロフトはガガガSPの山本(聡/Gt)さんがトリで締めてくれて、“無事終わったよ”って、電話で報告をもらいました。
ロフト樋口(ブッキング担当):2012年の1月っていう記録が残ってますね(詳細はこちら)。イベントタイトルが笑っちゃうんだけど、『セックスマシーンに事務能力がありませんでした vol.1』だったみたいです!(一同笑)
──注意書きに「※セックスマシーンは京都でもライブがあるため、1番目の出演となります」って書いてあるのも面白すぎます(笑)、主催なのに!
オガタ:そんなことも経て、よりバンドとしても強固となり、今回は改めてこのロフトで!
森田:しっかりとしたイベントをね。われわれはもともと、“○周年!”みたいな打ち出し方をあんまりしてこなかったんですよ。数えていくことに興味がなくて、今日や明日が大事やと思ってたんで。
オガタ:俺たちはロックをし続けるだけなんだ! っていう姿勢がね、あったんですけど。
森田:その考えが変わり始めたのは20周年のときで、やってみたらメチャクチャ楽しかったっていうのと、同世代のバンドもしぶとくやってる友達がたくさんいて。ガガガSPだったりPANだったりの記念公演に行ったときにグッと来てしまって、“なんて美しい光景なんだ、俺もこれをやってみたい!”って、羨ましかったんで。
オガタ:お客さんの立場に立っても、記念のそういう景色のところに一緒にいたいっていう思いもあるでしょうしね。
森田:そう、一緒に歩んできたんだというのを確認できる場所を作るのはエェなと。それと、先輩方が武道館公演をリレーでやっておられたのを見に行ったこともあって、“周年のライブ、やるぞ!”っていう気持ちになりましたね。年数を重ねていくということはとても美しいことだし、それを周知していくというのはエェことだなぁと。怒髪天、フラワーカンパニーズとかの武道館は見に行きました、(ロフトに大きくポスターが掲げてある)ニューロティカは(自分たちの)ライブと被ってて行けなかったんですけども。
──確かに。遡って、セクマシ20周年のときにはどんなことをされたました?
森田:アメリカ・ジョージア州に行きました。クラウドファンディングもして、“セックスマシーン!!のバンド名の元であるジェームス・ブラウンの故郷に行くぞ!”っていう。それでベスト盤も出して。
──そうでした、アメリカでライブもされたんでしたよね?
森田:そうですそうです、現地に行ってからライブができそうな場所で“ライブをやらせてくれ!”って交渉して(笑)。
──そして今回は25周年のアニバーサリーになるわけですが、新宿ロフトでやろうと思ったのは?
森田:やっぱりこの数年、声を出しちゃいけないとか密集しちゃいけないとかが大いにあって。それが今まさに、声を出せるライブも出来るようになってきた。勿論コロナ渦に手に入れた武器もやり方も持った上でさらに、自分たちがバンドとして志していた“全員で大合唱をするぞ!”っていうことができる場所として。これまで自分たちの主催イベント等はシェルターをお借りしたりしていたんですけど、キャパシティ的にもちょっとずつ冒険して、誰がどう見てもライブハウスっていうこの新宿ロフトの空間で、集まる全員で大声を出したいなという思いですね。
──バンドがこれからも歩んでいく節目としてとても良い場所だと思います、大御所の先輩方含めいろんな方が立っているステージですしね。
森田:初めてロフトに出たとき、楽屋に大槻ケンヂさんのサインがあって“ワオ!!!”って思ったのをすごく覚えてまして。25周年になってもちょっと照れくさいんですけど僕ら、まだまだ野望があって。自分たちより年上の人も年下の人でも、どんどん一緒にライブをするゲストボーカルを増やしていきたい。なのでこの25周年から始まっていくんだ、これを機にガンガン、アピールしていく状況を作りたいんですよね。
オガタ:ここから先、っていうのをライブで示すっていうことやね。
森田:ニューロティカにしても、武道館があって(今年は)日比谷野外音楽堂でやるっていうことに繋がってて。マジでカッコエェなって思うんですよ。本人には言わないので(笑)、ここで言いますけど!
──この先のストーリーを新宿ロフトから紡いでいく、そんなこの日は打首獄門同好会(以下、打首)との2マンです。
森田:打首さんとはもう10年ぐらいの付き合いで。
オガタ:最初、バンド名的にすごい怖い方が来るかと思ってたら…蛸殴総本山(大阪のメタルバンド)ぐらいに、名前は怖い(笑)。
森田:蛸殴総本山も名前はそうですけど、面白いいろんな曲があるんですよ。
オガタ:僕らの“セックスマシーン!!”っていうのも名前だけ見たら、ハードコア? とかパンク? とか、どんなバンドなんだろう!? ってなると思うんです。けど、僕らは鉄球のように熱いライブをする、その熱さは奏でている音こそ違っても僕はソウルフルやと思ってるんです。という意味で、ジェームス・ブラウンから来ているセックスマシーン!!っていう名前は合ってるな、とは思ってるんですよね。
森田:そうなんですよ、だからライブをまず見てさえいただけたら。(バンド名の)文字だけだといろんな誤解が…打首さんもあったと思うんですけど、“コイツらは暴れて設備を壊しそうだ”みたいな印象を(バンド名から)与えがちなんですよ。それで20代前半の頃はインストアライブも断られ続けましたからね、むしろエプロンも率先して着けて設備を綺麗に並べ続けていくのに(一同笑)。インストアをやるようになってからも毎回、自分のお気に入りのアルバムを店舗で買って“CDはプレゼントに最適!”って(集まった)皆に言わせて、それをプレゼントするなんてこともやってました。
オガタ:大体、ブラック・サバスを選んでましたね(笑)。