20年前の11月11日
──活動の中でターニングポイントとなったライブとかはありますか?
渡邊:最初はもっと軽い気持ちでアスパラ始めてね。こんなに長くやるつもりもなかったし。前の潤くん(ex-ASPARAGUS)のときも。
一瀬:でもやっぱ20年前の11月11日のSHELTERはすげー緊張してたから覚えてる。レコ発で発売日で。曲足りないからマドンナのカバーしたりとか。それでも11曲とか12曲しかなくて。それでもありがたいことにお客さんたくさん入ってくれてて、ヘタしたらソールドアウト? してたイメージなんだけど。そういうバンドの経験がなかったから覚えてて。それこそドラムの位置がまだ横だった時代で。また20年後の11月11日にSHELTERでやらせてもらうのは感慨深いし、やっぱ縁だし。凄いよね。自分が凄いっていうわけじゃなくて、20年って凄いからさ。20歳だからさ。やらせてもらうのはありがたいよね。あとはマイナス面なんだけど、10周年の渋公は個人的には凄いターニングポイントになった悪夢のようなライブだった。悪夢は言い過ぎかもしれないけど(笑)。
渡邊:節目のときって誰かなんかあるね。10周年のときは一瀬がバイオリズム的にね。
一瀬:まぁずっとダメだったんだけど。
渡邊:いいときにバイオリズム悪いのよ俺たち。バンド的に調子いいなーって周りが思ってるときも誰かがヤーマンなんだよね。病んでる男の子のことなんだけど(笑)。
一瀬:個人個人のバイオリズムのどん底具合が同じどん底なんだけど、回避の仕方を年取ってわかってきたというか。酷くなくなってきたというか。みんな個々いろいろあるとは思うんだけど。
渡邊:経験もしてるし、考え方も変わってきてるから。昔はバンドもそうだし、人としてもどうなってもいいやーっていう感覚で生きてきたところがちょっとあって。今は全然ないけどね。悪い意味だけど世の中とか全てをバカにしてたというか、舐め期があって(笑)。いろいろな経験があって今があるからいいとは思いますけどね。
原:『3P3B MEETING』がアスパラ入ってすぐあって。SHORT CIRCUIT解散して、もう『3P3B MEETING』は出れないんだなぁってそのときは思ってて。だからなんか印象的に覚えてるかな。
渡邊:2人とも優しすぎんだよ! SHELTERで引っ掛けようとしてない?(笑)
──全然SHELTERのだけじゃなくても大丈夫ですよ(笑)。
一瀬:でもSHELTERばっかりだったじゃん?(笑) ショーサキもキャプヘジもさ。
渡邊:ナオウが最初入った頃、賛否あったよね。
原:もちろんもちろん。
一瀬:ナオウは辛い思いしたと思うよ。
渡邊:潤くんと比べられたり、逆に俺に風当たり強かったり。ナオウはもともとベース&ボーカルじゃん? ベース弾かせてなに従えてるんだって。家来化させてんのかよって(笑)。逆にナオウは潤くんと比べられたりして。潤くんとは背丈が全然違うって言われたりして(笑)。
原:最初の頃は潤くんが夢に出てきたりすることも多くて(笑)。潤くんってすごく優しいのよ。それこそ俺が入りたての頃とかもライブ見にきてくれたりして。好きなようにやっていいんだよって言ってくれたしさ。だから潤くんからの圧とかも全然ないんだけど。でも潤くんが夢の中で見守ってるの。うんうんって頷いてライブ見てるの(笑)。そういう夢をよく見てた。
渡邊:それ気にしてるじゃん、ナオウが(笑)。
一瀬:そりゃあ気にするよね〜。ナオウが一番大変だったと思うよ。後釜で入るっていうのはね。
渡邊:でもナオウが入ってあれよあれよとバンドもいい感じになってきて。
原:タイミングもちょうどアスパラ的にもアクティブな時期だったし。ビークルとかとよくやってた時期かな。
渡邊:ビークル兄さんにはよくフックアップしてもらってたからね。
一瀬:そのときにね。もうちょっと精神的にも伴ってしっかりやれたら良かったんだけど。
渡邊:みんなクレイジー!
一瀬:クレイジー! クレイジー・ゴナ・クレイジー!(笑)
渡邊:ほんと俺らTRFだからね! 3人が全員DJ KOOみたいな(笑)。
一瀬:今思うとね、あのときこうしてればと思うことばっかり。メンタル面もそうなんだけど。取り返しのつかないことばっかり。
渡邊:だから今辞めれてないんだよ。よく言うじゃん? 成功の秘訣は? って。辞めないことだ! みたいな(笑)。
一瀬:成功してないし!(笑)
渡邊:だから辞めなければもしかしたら成功できるかもしれないし。でもね辞めちゃったらね…みたいなさ。変な実業家が言うことみたいだけど、そうだなー、とも思うから。
一瀬:この前たまたまG-FREAK FACTORYの25周年のライブ見に行ったんだけど、茂木(vo)が「強いから残ったんじゃない。残ったから強いんだ」って言ってて。それはなるほどなーって思って。別に俺たちは強いから今まで生き残ったんじゃないのよ。生き残ったからどっかで強くなったのかもしれないなって。強いから云々じゃあないんだけど、長くやるどっかにご褒美みたいなものとか、メンタル的に何か強くしてくれるところとかあるのかなって。辞めちゃったら終わりだから。長くやるってどこかいい部分もあるのかなって。
──楽曲面のお話だと、皆さんお気に入りの曲とかはあるんですか?
一瀬:難しいよね〜。
渡邊:もっといい曲作れる! って思ってる(笑)。
一瀬:曲っていうより得意、不得意とかもあるから。ドラム叩いてるからさ。だからどっかで優劣つけちゃってるところもあるかもだけど。でもアスパラの一番面白いところは本当にいろんな曲があるから。パンクでもないし、総じてロックなんだろうけど、すげーポップな曲もあるし、暗い曲もあるし、はたまた80年代前半のシティポップみたいな曲もあるし。そういうのもやれるのが堪らなく楽しいよね。ジャンルレスというか。忍がいろんな曲書いてくるのが一番の魅力なのかな。いろんな曲がやれるっていう強み。だからこの曲が好きっていうより俺はそこかな。
原:ワンマンとかやるときに、みんなで曲順とか考えるんだけど。それがいつもけっこう難しくて、あれもこれもやりたいって増えちゃうんだよね。でもそれは楽しいところでもあるから。その作業もね。それがアスパラの楽しいところでもあるんだよね。