最終的には自分の作品だな
――画面演出、照明やカメラワークも作品の空気感と合っていて素晴らしかったです。その演出で意識されたことがあれば伺えますか。
城定:今回はスタッフも全員初めての人ばかりなんです。「普段ご一緒されている方がいらっしゃればその方たちと一緒に」と提案していただいたのですが、あえてそうした部分もあります。制作会社の方には僕に合うと思う方を選んでくださいとお願いして選んでいただきました。そういう楽しみもありました。なので、みんながこの作品に対する思いや得意なことを出してもらい好きにやってもらえるようにしました。それが出そろった時に僕の方で微調整をしていった形で進めていきました。なので、完成形が見えない中で進めていきました。初めての方と仕事をするのは緊張するんですけど、どういう物をもっているんだろうというワクワクも大きいですし、そう来るかとなった時にこっちがどう対応するかというのをやっていくのは面白かったですね。
――現場で役者やスタッフから出てくる物を紡いでいかれていった映画なんですね。この作品に携わったことでの発見はありましたか。
城定:出来上がるまではどうなるかは分からないなと思っていました。タイトルが「殺したい」ではなく「殺されたい」ですから、その猟奇願望がどうなっていくのか、それを演じてもらって、編集して、世武裕子さんの音楽がついて本当にだんだん出来上がっていって、初号で観てこういう事だったんだと感じました。
――ご自身の手癖を押さえて撮影された本作を観られて如何ですか。
城定:最終的には自分の作品だなと思えました。それと同時にみんなで作ったなという感触も多い作品でもありました。綺麗ごとじゃなくいいスタッフ・キャストに恵まれていい作品が出来ました。
――古屋先生と言えばコアなファンも多い作家さんで、『女子高生に殺されたい』がまさかの映画化という事で楽しみにされている方も多いと思いますが、ファンに向けてのメッセージをお願いします。
城定:僕自身も古屋先生のファンですから原作は大事に、けど映画に当たってのアレンジも大胆にやらせていただきました。原作との違いも含めて楽しんでいただければと思います。
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