結成37年のNICKEY & THE WARRIORS、前作『ONE FROM THE HEART』から2年振りとなる新作『TOKYO DOLLS』をリリース。
なんてワクワクするんだろう! タイトルからピンとくるかもしれないが、ここには多くのキッズが夢中になった最高にイカシたロックンローラーたちがいる。こんなカッコいいロックンロールやパンクロックを決して手放したらダメだと、今作を聴いて思う。ポップでカラフル、そしてワイルド。あの頃、夢中になったロックンロールやパンクロックはずっとイキイキしているし、キラキラと輝いていけるって『TOKYO DOLLS』は教えてくれる。グッとくる。ジャケットの撮影は加藤正憲、デザインはサリー久保田。ぜひCDを手にしてほしい。
コロナ禍において活動を止めなかったNICKEY。できることをやろうと開設したNICKEY & THE WARRIORSのYouTubeチャンネルで、実は筆者もワンコーナーに参加させてもらっています。このインタビュー、自然体のNICKEYが感じられたら嬉しいです。バンドをやっている人、やっていない人、多くの人に、特に女性に、読んでいただきたい!(interview:遠藤妙子)
自由になったから80才まで好きにやろう
──コロナ禍にあってリリースが活発ですよね。NICKEY & THE WARRIORSとしては2年振りだけど、去年はソロのリリースがあり。
NICKEY:ウォリアーズの前作『ONE FROM THE HEART』(2019年)以降、この2年でソロのシングルも入れると今回で4枚目なのかな。
──ウォリアーズとソロの2枚組ベストアルバム『あたしのとりこ All time best 1985~2013』もあったよね。
NICKEY:あ、それを入れたら5枚、2枚組だから6枚になるんですね。
──ソロのシングル「LOVE×HURTS」は2020年6月に急遽リリースしたものでしたよね。やらなきゃ! みたいな気持ちもあって? こういうときだからこそリリースしなきゃ! っていう。
NICKEY:去年、「LOVE×HURTS」を急遽リリースしたのは、ソロのミニアルバム『太陽はひとりぼっち feat.森重樹一』が5月リリースって決まってたんだけど、コロナでライブはできないし活動が制限されて9月に延期になって。でもあたしはそのとき、今だから音源を出したいって気持ちが強くあったんです。だったらシングルを出そうってあたしが勝手に決めて。完全にあたしのわがまま(笑)。
──活動を止めたくなかった、止まりたくなかったっていう思いが?
NICKEY:そうですね。止まりたくないし、動いてることで自分も元気になるし、ファンの人が1人でも元気になれば嬉しいし。逆に活動を止めるのも勇気だと思うんです。どっちがどうってことではない。ただあたしは止めたくなかった。一昨年、ウォリアーズ結成35周年の企画をやって40周年のイメージもちょっとあったしね。もっと活動していこうって思ってたときに個人的なことでいろいろあって。やっと落ち着いて、よし行くぞ! ってときに今度はコロナで。だからって活動を止めたくないな、やれる範囲でやれることをやろうって思ったんです。
──その個人的なことは、プライベートなことだから答えにくかったら答えなくていいんだけど…。
NICKEY:全然大丈夫ですよ。
──ありがとう。ここ数年でNICKEYさんはご両親を続けて亡くされて。
NICKEY:そうなんです。
──その話をちょっとしたのは、一緒にやらせてもらってる「食レポ」(NICKEY & THE WARRIORS公式YouTubeチャンネル『食べたらお腹がパンクしちゃった』)の帰り、「あたしは自由になったから、80才まで好きにやるの」って言って。この人はなんてカッコイイんだ! って思った。
NICKEY:あ、言いましたね。
──つらい思いをしてご両親を看取って、だからこその言葉だと思うし、ホント、カッコイイなぁって。
NICKEY:いやいや。あたし、親に隠れてバンドやってたから(笑)。ずっと隠してたわけじゃないですよ。前に交通事故に遭って親は心配して、もうバンドは辞めますって言っちゃった(笑)。そこからは隠れてやってたんで(笑)。これからは好きに自由に堂々とできるなって。
──やっぱカッコイイよ。
NICKEY:遠藤さんだってカッコイイじゃないですか。
──褒め合ってる(笑)。
NICKEY:褒め合いましょうよ(笑)。それにカッコイイ女性はいくらでもいますよ。
──確かにそうだ。カッコイイ女性はたくさんいるし、褒め合うのは凄く大事。ホントにNICKEYさんを見てると自分もカッコイイ気分になるしね(笑)。
NICKEY:やっぱり女性はいつまでもカッコ良くいないとね。
──NICKEYさんは男のメンバーの真ん中に立って、絵になるよね。
NICKEY:あたし、あんまり女性って感覚がないんですよ。女が1人だからメンバーは気を使ってくれたりもするんだけど、自分ではあんまり女だからっていう意識はなくて。
──バンドってそうなんだろうね。対等っていう。
NICKEY:そうそう。対等。あたしは性格も男っぽいし。
──ライブではセクシーでゾクッとするけど、媚びてないもんね。ただただ楽しいって感じで(笑)。
NICKEY:あたしは全然セクシーキャラじゃないしね(笑)。楽しい! って感じでやってるのかな。
──ライブで手を大きく広げるアクションが大好き。母性的な包み込むっていうんじゃなくて…。
NICKEY:こういうんじゃないですよね(抱きしめるボーズ)。こういう感じですよね(手を広げるポーズ)。
──みんなもやってみなよって。
NICKEY:そうそう。けっこう気持ちいいんですよ(笑)。