魅力的な物語とそれを彩る多くのキャラクターで多くのファンに支持されている『ワールドトリガー』。1月からの2ndシーズンにつづき、3rdシーズンが10月から放送開始。今まで空閑遊真・三雲修・雨取千佳の3人でランク戦を戦ってきた玉狛第2に新たなメンバーとしてヒュースを迎え大きく動き出す物語。新たな局面を迎える3rdシーズン放送を前に作品に対しても魅力・思いを雨取千佳役の田村奈央さんに語っていただきました。[interview:柏木 聡(LOFT/PLUS ONE)]
「戻ってきたんだな」と嬉しさが込み上げてきました
――『ワールドトリガー』も3rdシーズンを迎えますが、田村(奈央)さんが感じている作品の魅力について伺えますか。
田村:まず、お話が面白いです。お話が進むにつれてキャラクターが増えてきますが、それぞれがいい味を出しているんですよね。たくさんのキャラクター達を動かしながらストーリーを展開していく葦原(大介)先生の頭の中はどうなっているんだろうと思ってしまいます。
――更に盛り上がりを見せる3rdシーズンが始まりますが、そのことへの率直な感想を伺えますか。
田村:2ndシーズンでは新生玉狛第2結成!という良いところで終わったので、3rdシーズンでその続きが間隔を空けずに出来るという事でとても嬉しいです。
――1stシーズンと2ndシーズンは5年空きましたが、スグ役に入っていけましたか。
田村:5年のブランクを埋めるために(雨取)千佳のお芝居を思い出す作業をしました。1stシーズンを見返したり、(空閑)遊真役の(村中)知ちゃんに協力してもらって電話越しで千佳に聞こえるかチューニングを手伝ってもらいました。
――どういったところでチューニングが必要だったのでしょうか。
田村: 1stシーズンで作り上げてきた千佳が、5年経つとそれが自然に出来なくなっている感覚がありました。若干の誤差でも違うキャラクターになってしまうので、そこを合わせていく作業が大変でした。これで大丈夫かなという不安はありましたが、皆さんからは「大丈夫」と言っていただけたので良かったです。
――今はその不安がなく入っていけているんですね。
田村:はい。今は千佳を全うするぞという気持ちでやっています。
成長と葛藤、そういう物を大事に演じようと思っています
――千佳を演じていてどういうキャラクターだと感じられていますか。
田村: 忍耐力があってコツコツと積み上げていく子なんですね。あと、感情を表に出す性格ではないので、本当に繊細な子だなと思います。
――シーズンを重ねていく中で千佳のここが成長しているなと感じる事はありますか。
田村:2ndシーズンに入ってからは自分に今できることを行動に移していて、人が撃てないなりに仲間に貢献しようという姿勢が出てきていて本当に素敵だなと思っています。それは千佳自身が努力しているという事もありますが、自分ひとりの力じゃなく仲間の支えがあるから成長できているとも思ってます。その点がランク戦の中で少しずつ成果として上がってきているのは本当に凄いです。千佳のそういう所を私も見習いたいなと思います。
――本当に仲間のために自分も変わらなくては、助けなくては、という気持ちがどんどん強くなっているような感じますね。
田村:遠征を目指すという目標もあって心構えがどんどん変わってきているというのもあるんだと思います。3rdシーズンでは千佳の心情に変化が出てくるお話もあるので、そこが楽しみでもあり、気を引き締めなきゃなとも思っています。
――3rdシーズンで千佳が勇気を持って前進していく姿を見られて如何ですか。
田村:千佳は壮絶な過去を歩んできましたが、修と遊真と出会ったことを切っ掛けに自分の目的のために頑張っていく。最初は「自分にできることなんて」という感じで自信がなかったけれど、色んな人に支えられながら、壁にぶつかりながらも着実に成長してしているというのは作品を通して感じています。千佳を演じられるのは凄いありがたいことですし、同時に責任も感じています。3rdシーズンで描かれている千佳の成長と葛藤、そういうところを大事に演じようと思っています。
――千佳の成長とともに3rdシーズンではヒュースが玉狛第2に加入する事でチームとしても大きく変化していきますね。
田村:いままでは遊真が前衛に出て千佳や修はアシストに回ることが多かったですが、そこにヒュースが加わることで戦術面でも大きく変わります。3rdシーズンは序盤からヒュースの活躍が遺憾なく発揮されています。島﨑(信長)さんとはアフレコでご一緒させていただいていますが、玉狛第2チームとしてもいい雰囲気がアフレコブースでも出ています。いまはコロナ禍で人数制限もあって玉狛第2が全員そろったことが無いので、いつかアフレコ現場でも全員で集まれたらいいなと思っています。
――島﨑さんは3rdシーズン対しての意気込みなどをおっしゃられていたことなどはありましたか。
田村:アフレコ現場で「俺はやってやるぜ」というようなことをおっしゃってはいなかったですが、先日の『ワールドトリガーチャンネルVol.1』YouTube配信でご一緒した際に熱い想いを語られていました。
――1stシーズンからのアフレコ経験で生きている事はありますか。
田村:1stシーズンでみなさんとアフレコをご一緒出来た経験があることで、いまは現場でご一緒できなくてもみなさんの声でキャラクターの演技が頭の中で再生されてできているところもあります。本当はみんなで一緒にできるといいのですが。
――その時の経験は貴重なものですね。
田村:振り返って今思うと、大御所の方ばかりで同じ空間に居られるという事が凄いことだなと改めて感じています。1stシーズンは本当に濃かったですね。毎週飲みに行っていた印象があります。いまはそれが出来ないですが、また飲みに行けるようになれるといいなと思います。
――2ndシーズン・3rdシーズンと経験を重ねてきてご自身の中で成長を感じられることはありますか。
田村:1stシーズンではいつも必死で先輩たちの演技の凄さに圧倒されてアワアワしていたので、慌てないように気を付けています。今は地に足をつけてより役に入っていけるようになってきました。千佳の心の機微を大事にしようと意識しています。1stシーズンでもその心がけはしていましたが、よりその意識を強く持っています。