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トップインタビューエル・カブキ - 『藝人春秋』に救われたふたりが語る漫才とお笑い!「今のエル・カブキはウケていると言っても過言ではない」

『藝人春秋』に救われたふたりが語る漫才とお笑い!「今のエル・カブキはウケていると言っても過言ではない」

2021.06.26

おまえら、悔しくないのか?

──「アサヤン」に出るようになったのはいつからですか。

上田:2018年に博士がエル・カブキの「10分おろしに出たいんだけど」ってDMをくださったんです。僕らは2016年くらいはテレビにも出て調子が良かったんですけど、2017年になったらなんもねぇぞ! って焦っていたのですごく嬉しかったですね。それで打ち合わせ場所に行ったら、博士のYouTubeのドッキリをしかけられていたっていう。

林:上田と博士の間ではやりとりがあったみたいなんですけど、僕はなにも知らなくてドッキリを仕掛けられる役だったんです。でもこいつ(上田)が妙によそよそしいからすぐ気づいちゃって。ドッキリ仕掛けるの下手すぎるし、どうしようかと思いました(笑)。もともと僕はリアクションとか取れるわけじゃないから、とにかく一生懸命喋ったのは覚えています。

上田:そこからロフトプラスワンに10周年ライブをやりたいって持ち込みをして、博士がゲストで出てくださったんです。ただ、博士はそのすぐあとに休養されたんですよ。そのあともRGさんが、「一緒に過激なことを喋りたい」って言ってくれて、「RGとエルカブキのあるあるワイドショー」っていうイベントを始めました。博士とRGさんは僕らがメディアに出なくなっても、なにかと気にかけてくれたんですよ。それで博士が復帰されたのが2021年の2月のイベントで、そこで挨拶をさせてもらいました。

──それで復帰イベントで博士と再会をして…

上田:そうなんです、そして4月に僕らはロフトプラスワンウエストで開催された「ロフトプラスワンウエスト演芸カーニバル」に呼ばれてもないのに出たんです。

林:予選を通って決勝に出たんですよ。ギリギリ通過! 審査員からは評価をもらえなかったけど、お客さんからの投票が1位だったんです。

上田:東京と真逆の反応ですよね、大阪の審査員は古いなと思いました(笑)! で、決勝に出て、「大阪に来るならライブにも出てよ」って声をかけてくれた人がいたので滞在中の2日で3回ライブをしたんです。そんなハードスケジュールをこなして東京に帰る日の朝……博士からラインが来たんですよ。

林:ただ動画だけが届いたんだよね。

上田:翌日に開催される「アサヤン」のオープニング動画を無言で送りつけてくるっていう、もう迷惑メールに振り分けようかと思いました(笑)。これはどうしろってことかなって相方に相談して考えて。どう返せば正解かわからないから、「かっこいい動画ですね! 見学に行ってもいいですか?」って返したら、「おまえら、悔しくないのか? 出たくないのか?」って(笑)。

──めんどくさいですねー(笑)。

上田:それでまた相方に相談して、「出てやるよ!」って返したんですよ。それなのに次の日に阿佐ヶ谷ロフトに来たら、「おまえは客席だ!」って座らされて客席で観覧しました。でもまぁ、とりあえず博士が元気になってよかったなって思いましたけど。ただ、その日の帰りにいろんな人に僕を紹介してくださって、「あ、博士は仲良くしたかったんだな」って気づきました、友達の作り方が下手すぎるんですよ(笑)。それで前田日明さんがゲストの回のときに博士から電話がきて「前田日明にいちばん詳しいのはキミのはずだから、キミを指定する。」って。いや、その誘い方! 

──「おまえらくやしくないのか!」っていうところから急にデレましたね。

上田:「今度、出てくれない?」でいいのに(笑)。いかに博士が普通のコミュニケーションを通らないで来たかってことですよ。やっと今は普通の会話ができるようになりました。

──エピソードを聞いていてもわかりますけど、博士とすごくいい関係性ですよね。

上田:よくそう言ってもらいますけど、僕は『藝人春秋』を読んじゃっているからすごい先輩だって思っているし、毎回ちゃんと準備しないとこわいなって思っています。

──前田さんに関しては、上田さんが格闘技に詳しいからという指名だったと思うんですけど、上田さんはいつも完璧な下調べをして来ますもんね。今や完全に「アサヤン」レギュラーとして出演されていますし。

上田:いや、あれは実はレビュラーじゃなくて、毎回グループラインでアピールしているんですよ。「僕は今、こういう本を読んでいてこういうことを喋れます」って自分から言ってるんです。

林:代表予選だよね。

上田:コンビを組んで12年ですけど、オーディションもそうだし「アサヤン」もそうですけど、いろんな人に自分をアピールするっていうことをずっとやってるだけなんですよね。

──上田さんが持ってくる資料の量はすごいですもんね。本にもたくさん付箋を貼っていて。

林:付箋だけ貼って、本の角をちょっと傷つけて読んだふりだったりして。

上田:実はその本を読んでなかったらひどいよね(笑)。ネタのときは相方と一緒にコンビで呼んでもらっているし、博士にはお世話になっていると言っても過言ではないです。

──過言ではない(笑)!「お世話になっている」でいいじゃないですか(笑)!

上田:過言ではないです(笑)。

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ダースレイダーとの出会い

上田:「アサヤン」に出たら漫才もちょっと変わりましたね。今までにない感覚をつかんだ気がします。

──その集大成が6/27の単独ライブ「カミハンキンポー」ということでしょうか。

上田:単独ライブをやるのは、自分たちもちゃんとしておかなくちゃいけない! っていう感じです。これまではまわりの人に甘えようとしていたけど、世間に対して「エル・カブキはこういう活動をしていますよ」っていうのを出しておかないといけないなと思ったんです。……あとは、博士がいつ倒れてもいいように(笑)。

──阿佐ヶ谷ロフトではダースレイダーさんと「ダースレイダー寄席」もやってらっしゃいますが、ダースさんとの最初の出会いはいつだったんですか。

上田:ダースさんを知ったのも博士の「メルマ旬報」で書かれているからなんですよ。ダースさんのやっているラップやお笑いがありつつ詩人や社会学者が出たりする「片目と語れ!」っていうイベントに、「エル・カブキはどうですか?」って言ってくれた人がいたんですけど、博士が日記とかによくエル・カブキの名前を出してくれていたからダースさんにもすぐ話しが通って。「片目と語れ!」の第1回目のゲストは宮台真司さんだったから、そういうインテリ層が好きそうなキング牧師のネタを持って行ったら宮台さんがすごくおもしろがってくれて(笑)。そこから、ダースさんが「時事ネタの配信をやりませんか」って声をかけてくれたんです。

──そのタイミングだったんですね。

上田:いざ当日になって、僕らはYouTubeにアップしていた時事ネタを持っていたんですけど、ダースさんとなんかずっと噛み合わなくて。

林:ダースさんは僕らのことをニュースを扱うふたりだと思っていたみたいなんですよね(笑)。でもいざ絡んでみると、僕らは芸能ゴシップみたいな東スポみたいなこともやっているから、あれ? ってなったみたいで。「そういうのじゃないんだよなー」って言われました。

──あははは(笑)!

林:それでフリートーク調になったんですよ。

上田:ダースさんがほんとうにやりたかったのはプチ鹿島さんとやっている「ヒルカラ​ナンデス」みたいなものだったんだろうな、と。だけど俺らはずっとしがみついてやろうと思っています(笑)! だから、「アサヤン」もダースさんが出てくれた回は感慨深いですよね。

林:集合した! って感じしますよね。

──上田さんは、LOFT9でも格闘技系のイベントをやっていますよね。

上田:田崎健太さんのことも、博士の「メルマ旬報」で知っていたんです。だから、田崎さんの『タイガーマスクと呼ばれた男』が文庫化になったタイミングで、記念イベントをやりませんかって声をかけて、そこに中井祐樹さんと佐山聖斗さんを呼んでくれて、その流れでエンセン井上さんも呼んでくださったんです!

──すごいですよね、格闘技界の気になる人をいつも呼んでいる感じがします。

上田:この前、東京ドームのRIZINでは中井さんとエンセンさんがセコンド同士で対峙するっていうことがあって。日本に柔術を持ち込んだふたりですよ?!

──2000年前後に格闘技界にいた人にとっては胸アツですね。

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