活動期間を1年間限定にした理由
──今の話を聞いて、バンドを思い出すと苦しい気持ちを同時に思い出すって言葉の意味が少しわかった気がします。
眞呼:もうちょっとラクに歌詞を書いていけたらなぁと思う。
──そこはaie先生にラクに書く方法を教えてもらったらどうでしょう?
aie:俺も苦労してますよ!
一同:(笑)
──ええ?
aie:あれでしてるんです(笑)。ああ見えて。
眞呼:自分の体験じゃないと活きてこないですからね。嘘言ってもしょうがないし、絶対バレますからね。
aie:俺は観た映画の感想を書いてるだけですから(笑)。だから嘘じゃないですよ! 俺なりの感想。
──曲タイトルもaieさんはけっこうラクにつけてますよね。
aie:タイトルだってちゃんと考えてますよ。
──the god and the death starsの「夜を歩く葡萄」とか?
aie:すごい考えましたよ! 「夜歩く」なのか「夜に」なのか、「夜と」なのか?
眞呼:それ、わかる。
aie:葡萄なのかミカンなのか、とか。
眞呼:それは潰れやすい果物が良かったの?
aie:いや、果物であれば何でも。何の実でも良かったんですよ。英語にすると「walking fruits」だとして、歩く果実なら何が一番気持ち悪いだろう? って考えたら葡萄だった。
一同:(笑)
──眞呼さんにもこういうふうにラクに考える方法を身につけてほしいと思いつつ、話を戻します。当時の苦しい想いを思い出してしまうから、眞呼さんはdeadman復活を拒絶していたわけですよね。
眞呼:でも、「それでも今回はやろう」って思えたんです。それは自分を俯瞰で見られるようになってきたってことなのかなと思ったりもしているんですよね。言い方が正しいかはわからないんですけど、曲に入り込みすぎずに「誰かがやっていたものを今の僕が唄う」みたいな感じっていうのかな?
aie:deadmanのコピバンだ?
眞呼:感覚はちょっと近いかも。6月22日の名古屋でのライブも、あまり深く入り込んでやった感じではなかったし。だから、僕もメンバーも観てる人もみんな楽しいライブでしたよ。
──過去のdeadmanは、どちらかと言えば楽しい気持ちになって帰るようなライブではなかったよね。
aie:これが再結成だったらまた違ったのかもね。今回のdeadmanはお終いを見据えた上での復活だから、別にお客さんに悲しい思いをさせる理由もない。本当に終わりの時にどういう気持ちになるかはわかんないけど、でもまぁそこまでの期間は、祭りとしてハッピーモードでいいんじゃないかな。
──活動期間中、ライブも複数やりますしね。
aie:ただ今回はライブハウスがとにかく空いてなくて! 本当はチケットが売り切れなかったとしても、けっこう大きめの会場にして、観たいって思ってくれる人みんなが観られるようにしたかったんだけど、大きめのキャパの会場は1月の時点でほぼ埋まってたんだよね。それでやっと決められたのが9月平日のリキッドルームだったんです。まぁでもね、ここで観られなくても、俺たちを観たい人全員に観てもらえるようにするために今後の活動があるわけだし。
aie:初めに6月のライブが決まったんだけど、それだけっていうのも何かなって思って、東京でワンマンをやろうって話になったんですよ。それにテツくんと晁直が一緒にやりたいっていう話もあったから、だったらもうちょっとライブを増やしてもいいかなって思って。だけど、ダラダラやってしまうと大体上手くいかないっていう思いも同時にあったから、終わりだけは決めておきたかったんですよね。仮にどれだけのバブルが起こったとしても、一番最初のピークは越えられない。ダサい状態で続けるようなことにはしたくないから、1年間ってちょうどいいのかなって。
──TokiさんとKazuyaさんは1年間なま温かく見守ると。
aie:まぁ2人が俺たちに内緒でこっそりリズム隊で練習して、突然「俺たちにやらせろ!」って言ってくることがあれば、全然やってもらいますけど!(笑)
一同:(笑)
aie:でもね、今のところリズム隊はテツくんと晁直だけど、スケジュールが取れなくなったらそれもわかりませんからね。でも今のところ、2人ともできる限りはやりたいとは言ってくれてる。