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INTERVIEW

トップインタビューReguRegu「シネマート新宿にてショートフィルム上映会『ReguReguのパペトピア劇場』を開催! 毛皮と骨でつくられたパペットたちが織りなす不思議な7つの短編とアルフォンヌのショータイムへようこそ──」

シネマート新宿にてショートフィルム上映会『ReguReguのパペトピア劇場』を開催!
毛皮と骨でつくられたパペットたちが織りなす不思議な7つの短編とアルフォンヌのショータイムへようこそ──

2019.02.08

 昨年末、5年ぶりに発表した3作目となる作品集『パペトピア』が高い評価を得ている札幌在住のアートユニット、ReguRegu〈レグレグ〉が、東京のシネマート新宿にてショートフィルム上映会『ReguReguのパペトピア劇場』を3月2日(土)と3日(日)の両日にわたり開催する。選りすぐりの6篇の短編と本邦初公開となる『フムペとカムペのおはなし』の上映に加え、小磯卓也が昨年復活させたアルフォンヌの生演奏を堪能できるほか、作品に登場するパペットたちの展示を鑑賞できるなど内容は盛りだくさん。札幌が活動基点の彼らだけに東京での上映会自体が稀少かつ貴重なのは言うまでもないが、昨今のReguReguはショートフィルムの製作だけにとどまらず、漫画の執筆に挑戦してみたり、サントラをライブで再現するためにバンドを再始動させたり、さまざまなジャンルを軽やかに跳び越えて自由な創作活動を追求する過渡期にある。その過渡期ならではのカオスな面白さや未完成の美しさが作品から伝わるだろうし、表現を志す人は映画も音楽もアートも純粋な想いがあれば手づくりでここまでやれるよというReguReguからのメッセージを受けることもできるはずだ。目下、『フムペとカムペのおはなし』の製作が佳境を迎えている小磯とカヨの2人に、『パペトピア劇場』開催に向けた現在の心境を語ってもらった。(interview:椎名宗之)

リンチが狂っているのと同じように、いつものように狂っている

──昨年末にギャラリー犬養で開催された個展『ReguRegu Exhibition #7 パペトピアへようこそ』を終えた感想から聞かせてください。

カヨ:昨年末の展示では、自分の中の小さな自分と遊ぶ、というパペトピアの世界を表現するために、滑車仕掛けの小さな小磯さん人形を、小磯さん本人が操るというパフォーマンスをしてもらいました。来場者の方が階段を登ってくるたびに、小磯さんが滑車をまわして人形を踊らせ歓迎するというヘンテコな演出でしたが、おそらくそのパフォーマンスがきっかけとなって、ご来場いただいた方々との会話が弾んだような気がします。そのため、今までお話ししたことがなかったたくさんの方々から、どの人形のどの部分が好き、怖い、面白い、といった感想をいろいろ聞けましたし、毎年の年末の犬養での展示を楽しみにしている、と言ってくださる方や、何度も足を運んでくださる方もいたり、とてもありがたく幸せな時間を過ごすことができました。
私は、美大にも行っていないし、小磯さんのようにバンドをやっていたわけでもないので、すべてが勉強不足、経験不足の状態。いい歳をして知らないことだらけで、いつも周りの素敵な方々から教えてもらって、助けてもらってばかりいます。だから人に作品を観てもらうという状況は何度やっても緊張するし、逃げ出したいような気持ちになる。そんな中、こんなに楽しんでもらえている、というのは奇跡のようで、本当に嬉しかったし、つくってきて良かったなぁ、と思いました。

小磯:札幌在住の漫画家、工藤正樹さんが発行してる同人誌『年刊誌 怪奇』の3号に誘われて、ReguReguで漫画(『流星譚』)に初挑戦したり、アルフォンヌの再結成ライブがあったりと、今までとは少し違う領域に首を突っ込んだせいか、初めての方が大勢来てくれて、毎日が新鮮で楽しかったです。

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▼漫画『流星譚』▼ ※クリックすると拡大します

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──5年ぶり3作目となるショートフィルム作品集『パペトピア』の反響はお2人のもとにも届いていますか。印象に残った感想があれば聞かせてください。

小磯:僕らが感銘を受けた『シュヴァンクマイエルとチェコ・アート』の著者である赤塚若樹さんに『パペトピアの歌』が出来た時にすぐ観てもらい、「いいですね。リンチが狂っているのと同じように、いつものように狂っているというか」という感想をいただけたのがいちばん嬉しかったです。昨年、デヴィッド・リンチのドキュメンタリー『アートライフ』を観て、本人はずっと幸せそうで、なんて健康的にイカレテルんだろうと〈呆れて〉いたんですが、いつのまにか私たちもそうだったのかーーって!!

カヨ:犬養の個展会場で「『パペトピア』を買ってから何度も観て、泣いている」と言ってくださった女性がいました。やさしそうな旦那様に「せっかくだから言いなよ」ってうながされて、はにかみながら、そう伝えてくださって。その様子がとても温かく素敵で、ご夫婦がお帰りになったあと、こらえきれず泣いてしまいました。私のような地味な人間の頭の中で生まれた作品でも、届いて欲しいところにちゃんと届いて、ちゃんと伝わっている! そう思うと、嬉しすぎて恥ずかしいような気持ちで胸がいっぱいになって、なんだか涙が出ちゃったんです。



──「前作の『よどみのくに』は展示も作品も自信作だったのに伸びなくて、『パペトピア』が売れ残るようなら、もうDVDは出してもらわなくていいねって話していました」と小磯さんがブログに書かれていましたが、今回は展示会も連日盛況で、会場販売分のDVDも完売したとのこと。この前回と今回の違いをどう見ていますか。

小磯:そういえば、そんな弱気なことを書いて、カヨさんに注意されたことがありました…。多分、誰でも〈追い風〉や〈向い風〉が吹くことがあるのだろうと思いますが、今回は久しぶりにビュウビュウ後ろから風が吹いてきて、転ばないようにするのが大変です。

 

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ReguRegu ショートフィルム作品集
『パペトピア』

2018年12月12日(水)発売
SECRETA TRADES STD21
定価:2,500円(税込)

amazonで購入

【収録作品】
『人造生物ホーンファミリー主題歌』(2016年)
『ずっとさがしてる』(2017年)
『パペトピアの歌』(2018年)
『触角』(2014年)
『ふとどきな果実』(2015年)
『捕食』(2016年)
『いちばんのり』(2018年)
『ReguReguマッチCM』(2016年)
『夜のねむり』血と雫 Music Video(2014年)
『目覚めの夜』血と雫 Music Video(2018年)
全10篇 / トータル78分収録

LIVE INFOライブ情報

FLYER_表_web.jpg『ReguReguのパペトピア劇場』
【日時】2019年3月2日(土)19:00の回/3月3日(日)16:45の回
【会場】シネマート新宿 スクリーン2(東京都新宿区新宿3-13-3 新宿文化ビル7F)
【登壇者】小磯卓也(ReguRegu)/影山裕之(GARAKUTA KOJO・LisaloomeR)/コルネリ
【司会進行】椎名宗之(Rooftop編集長)
※登壇者は予告なく変更する場合がございます。
【料金】2,000円均一
【チケット販売】2月9日(土)午前10:00よりオンライン予約、劇場窓口とも販売開始。

【上映作品】※全82分
『人造生物ホーンファミリー主題歌』(2016年)/2分
『ずっとさがしてる』(2017年)/15分
『パペトピアの歌』(2018年)/5分
『いちばんのり』(2018年)/15分
『夜のあしおと』(2013年)/12分
『ふとどきな果実』(2015年)/13分
『フムペとカムペのおはなし』(2019年 ※新作)/20分
*全作品上映終了後に〈アルフォンヌ〉ライブ(約20分予定)、ライブ終了後は10分程度のトークを行ないます。

【作品展示】
フムペ、カムペ(『フムペとカムペのおはなし』『いちばんのり』より)
画学生(『夜のあしおと』より)
フレディー君(『ずっとさがしてる』『パペトピアの歌』より)
食堂の女(『ふとどきな果実』より)

【その他】
ロビーにてDVD、ReguReguTシャツ、トートバッグなどのオリジナルグッズも販売予定。

問い合わせ】シネマート新宿 03-5369-2831

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