7月25日にNEW SINGLE『通りゃんせ』をリリースするKraのVo.景夕、Gt.タイゾ、Ba.結良、Dr.靖乃へのSpecial Interviewを決行! このinterviewを読んで曲たちを聴くと、新たな発見があること間違い無しです!!
本誌に載せきれなかった『通りゃんせ』の楽曲への想いや、新アー写の撮影秘話&新衣装のお気に入りポイント、そして2018年下半期の意気込みは後日公開のwebRooftopにて掲載です。お楽しみに![interview:河西香織(新宿LOFT)]
コンセプトは"狐"
----今回のシングルのコンセプトを教えて下さい。
景夕:"狐"ですね。
----新アー写や今回のジャケ写もまさにそんな感じですよね。
景夕:そうですね。元々そういう感じのをやりたくて。今回はヴィジュアル面からコンセプトを作っていった感じだったんです。
靖乃:キーワード的にあったよね。景夕から「こんなのをやりたいんだよね」って話をメンバーは前々から聞いてて。前回の軍服の衣装で【ケラる】ツアーを周ってるのと並行しながら、次にやろうとしてるテストメイクを景夕がしてみてて、その写真を俺らも見せてもらってて。ちょうどツアーの真ん中の...、どこでだっけ?
景夕:大阪だね。大阪の空き日でテストメイクをしてみんなに送って。
----では今回のシングルはコンセプトが決まっていての楽曲ってことなんですね。
景夕:ちょっと和っぽい雰囲気のテイストで、ってくらいの感じはありましたね。
----以前のインタビューで、毎月選曲会を行なっているっていう話があったんですけど、その選曲会で出た楽曲ではなくってことですよね?
タイゾ:いや、もう一新して。
景夕:あれは、結局まっさらになったよね(笑)。
タイゾ:今までが、先に曲が出来てコンセプトがいつも後付けだったんで、それではやりづらいってなったのもあって、先にコンセプトをくれっていうことを話してて。そっちの方がいろいろと決めやすいし、後からテーマとかを決めちゃうと、「これ、無理矢理だろ」っていうのがどうしても出てきちゃうんで。
靖乃:コンセプトに沿った曲調みたいになることを考えると、奇跡的な出会いがないとねってなるもんね(笑)。
タイゾ:そうだね。偶然の産物的なものに頼ることになっちゃうので。だからコンセプトを景夕からもらって、選曲会もやってたけど、新たに曲を作ろうって感じでしたね。
作詞・作曲について
----『通りゃんせ』『放逸』の2曲とも和のテイストを感じたんですけど、作詞をするにあたりどういった想いがあったんですか?
景夕:「すごい和だ」っていう感じではないので、時代背景的なものを大正・昭和初期において、疾走感を大正時代の巡るめくなってた時代感っていうのでおきつつ、歌詞でもそういう表現をして、時代は慌ただしく流れてはいるけれども、狐自身からしたら、周りは変われても自分はそのままでいくっていう動物の性質っていうのがあって。その時の流行りだったりを「椿の紅をひいて」とか、そういうもので出しつつ、人を想う心っていうところを、少しでもその人に気に入られるようにとか、そういう風なのを描きつつっていう感じの曲なんですけど。両方の曲に共通してるのは、どんな人、物でも後戻りが出来ないというか、そういうことをシーンとして書いてはいますね。大正、昭和と慌ただしく機械化とかもいろいろ進んでいく中で、無くしたものもあって。それでも良くなった部分もあれば、無くしてしまった部分っていうものは、「あの頃が良かったな」って思う時もあれども、そこに囚われず、みんなが幸せになるようにっていう感じなのが、『通りゃんせ』で、もっと前を向いて生きなさいっていう感じの歌詞ですね。『放逸』は、それとはまたちょっと視点が違って、俺の中では性別が違うんですけど。『放逸』は男で、だる〜とした感じの性格さを出しつつ、ゆったりと風の吹くまま自由に生きるっていうところなんですが。自由に生きた代償っていうのはあるじゃないですか。それも分かってはいつつとも、性分としてそうにしか出来ない人の歌ですね。
----では作曲に関してですが、それぞれどんなイメージやコンセプトで作曲したかをお聞きしたいです。まずは『通りゃんせ』はどうですか?
タイゾ:和風のテーマを景夕からもらってはいたんですけど、いきなり琴の音がメインで入っていたりとかっていうのは、ちょっとKraじゃないなっていうのがあって。曲調でもろに和風にするよりは、Kraが昔から持ってる何となくメロディが和を感じる音階だったり、そういうところで和風味を出そうっていうのをメンバーにも話して。和風にしないようにって言ったら極端な言い方ですけど、曲調は和に寄せないようにしましたね。だから逆にオーケストラの音とかを入れてみたりとか。メロディも今回は俺が付けたんですけど、バックの音は全然和ではないので、メロディで和を感じさせないといけないので、難しかったですね。「和だけど和じゃない」がテーマですね。あと仮タイトルが『通りゃんせ』だったんですけど、まさかそれが本タイトルになるとは思わなかったですね(笑)。
景夕:なんか、特に「通りゃんせ、通りゃんせ〜♪」って言ってるメロディのところが、「もうこれしか合わない気がするな」って感じだったんで(笑)。ちょうど落としのところで1回しか出てこない強調される部分じゃないですか。でも、言いたいこともこれだし、ちょうどいいなって。仮タイトルと本タイトルが合ったのって、初めてかもしれないよね。
タイゾ:なんだかんだ、初だね。
----では、『放逸』はどうですか?
結良:僕も別に和をそんなに意識はしてなくて。僕がメロディを付けたら自然にそうなっちゃうからいいやって思って、好きなように作りました。ただサビは、リズムパターンを変えて雰囲気をガラッと変えたいなっていうのがあったんで、2パターンというか、展開する感じにしましたね。そういうのをヴィジュアル系のお客さんは好きかなって思って。そういう展開するのが、僕は結構好きなんですよ。
----楽しいですよね。歌詞にも掛詞みたいなのが使われている部分があって、面白いなって思いました。「こんこん」とか「こうこう」っていう言葉とか。
景夕:そこの部分は意識しましたね。狐の鳴き声が「コンコン」と「コウコウ」なんですね。「こんこんと積もる雪」っていうのと、「こうこうと照る月」っていう表現があって、そこを元にその後の歌詞を過去の心情も含めて、来ない来ないって思う夜もあれば、来ないけれどもその想いに応えて欲しいって乞う気持ちがあれども返してくれる人がいないっていう、自由に生きつつも寂しさを感じるって部分を表現したりしましたね。
聴きどころ
----ではこのシングルの聴きどころをお一人ずつお願いします!
タイゾ:パッと聴いた感じは、結構新しいことにいろんな面で挑戦している音源になったなって思います。その中でもKraっぽさは残ってるんですけど、今回は景夕のメイクも含めて挑戦してる部分が音でも出てるのかなって出来上がったCDを聴いて思ったので、イヤホンで細かく聴いて欲しいですね。大体は歌をメインに聴くとは思うんですけど、聴き込んでいるうちに、「楽器はこんなことをやってたんだ」みたいな発見も面白いのかなって思ってて。発見したのをライブで観るみたいな、そういうのが今回は結構聴き応えがあるんじゃないかなと思うので、ぜひイヤホンで聴いて下さい。
景夕:いろんな表情がみて取れると思いますね。歌い方に関しても1曲目、2曲目でちょっと変えてはいるし、歌詞に合わせた表情っていうので声も作るっていうところがあったので、そういうところをしっかりと聴いてもらいつつ、今回出した曲調だけじゃないっていうKraらしさは聴きどころなんじゃないかなって思います。
靖乃:シングルと言いつつ、ミニアルバムくらいのサイズ感というか、すごいバリエーションに富んでると思いますね。6月に2daysの東名阪でのワンマンツアーっていうのをやってて。ガッとライブで攻める空気感や、その中でいろんな曲が織り込まれていくっていう流れだったり、アコースティックライブとしても、もっとしっとりと落ち着いたところであったりとか、その中でも跳ねてる感じの空気感を作れたりだとか、いろんな場面がいっぱい盛り込まれてるツアーをやってるんですけど、これって今まで長年積み重ねてきて、作り上げてきての今現在のKraっていうバンドのこの4人で持ち得てる空気感が結構凝縮されていて、それを更にサンプリングした感じっていうか。美味しいとこ取りで、今このバンドが持ってるポテンシャルだったりっていうものを、すごい端的に分かってもらいやすい感じのパッケージは出来上がったんじゃないかなとは思ってるので。入り口の1枚として聴いて頂いて、すごく俺らの幅を感じてもらえるものになってるんじゃないかなと思ってます。
結良:そうですね、4曲とも色が違い過ぎるところですかね。同じ人が弾いてますけど、全然同じ感じじゃなかったり。『通りゃんせ』と言いつつ、カップリングの2曲に関してはタイトルとは関係ないですからね(笑)。そこで色の違いと、『放逸』の間奏の時のそれぞれの楽器の音とか、結構いろんなことをやってるので聴いて欲しいなって感じですね。
・・・全文は後日webRooftopにて公開!
(Rooftop2018年7月号)