3ピースバンドになって
----彩さんはプレイ面で、意識して変えたりしている部分はありますか。
彩:うーん。でもやっぱり3ピースだからスカスカになんないようにっていうのは意識してますけど...立ち位置が難しいですね。もっと動いたほうがいいのか、ボトムを支えるようなのがいいのかっていうので。お客さんとかオトナたちにはもうちょっと動いてもいいんじゃないって言われてるんですけど。めちゃめちゃ今シンプルなんで、どっしりとやれていて楽しいですけどね。
のび太:今まで4ピースで活動してたんで、曲を作るときに物寂しさを感じさせない曲にしないといけないなっていうのがあって。「1個ギター足りないな」って思われないようなアレンジにしないといけない。Gt./Vo.とBa.とDr.でちゃんと成り立ってるなっていうのにしなくちゃいけないっていうのは、前回と比べて曲作りの部分では気をつけるようになりましたね。最初、ドラマーが決まる前に、新しいバンドのために6曲デモを用意して、マットに決まってからその6曲を作り上げてったっていうのがあって。そのうちの1曲が、なんか、「もう1本ギターが欲しいな」って思っちゃうような曲だったんですよ。その当時、まだ3ピース脳じゃなかったから、曲を作っても4ピースで完成するようなアレンジになってしまっていて。でもそれはアレンジをし直して、3ピースでも寂しくないアレンジになっています。最初のデモからガラッと、リズムからテンポから変わってて、それが結果的にマットっぽさもそこにちゃんと入ったアレンジになったのですごく良かった。
----マットさんはプレー時意識していることなどはありますか? また高校生の頃WHITE ASHも見に行ってたとのことですが、マットさんのプレーはどのような音楽をルーツに持っているんでしょうか。
マット:音楽はもともとヒップホップがずっと好きで、ドラムを始めたのは高校2年生のときなんですけど、ドラム始めたときにマキシマムザホルモンがすごい好きになって(笑)。SiMとかcoldrainとかがドーンってキてるときだったからそういうのを聴いてました。WHITE ASHは弟が先に聴き出したんですよ。弟の部屋から音楽が聞こえてきて、かっこいいなと思って、「なに聴いてんの?」って。で、SiMとWHITE ASHが福岡でツーマンしたときに見に行って。そのあとはどんどんslipknotとかメタル系になって、高校卒業した後、音楽修行でアメリカに行って、メタル一筋で行ったろ! って思ってたんですけど、途中で学校で仲良くなったベースの子に誘われて見に行ったセッションが、スティーヴィーワンダーとかチャカカーンとかのバックバンドしてる人たちがセッションホストで、「なんだこれ!」ってそこで気づいて(笑)。もうメタルやらなくなりました(笑)。
一同:(笑)。
マット:でも今が一番好き勝手してる気がしますけどね(笑)。
彩:むしろのび太くんがマットに寄せた曲作りをしてる感じがする。
のび太:オーディションの時に叩いてもらった時もそうだったんですけど、ヒップホップだったりR&Bだったりブラックミュージックが得意なドラムだったので、そういうのが下地にあってガレージのロックンロールをやったら、普通にロック畑の人がロックの曲をやるよりも、ヒップホップとかが得意な人がロックンロールをやったほうが同じビートを叩いても違ってくるんじゃないかと思って。そこが自分たちにとっても武器になりうるんじゃないかと。だったらマットが得意とするドラミングだったりそういうのを拾って、うまく見せられるような曲を作ったほうが面白いなと思って。だからなるべくマットには自由にやってもらいたいなっていうのがあります。フィルに関してもそこにそれぶっ込むんかい! みたいな、結構不思議なフィルがたくさんあるんですけど、マットじゃなかったら思いつかないだろうなっていうフレーズばっかなので面白い。結構曲の中でも自由にしてもらってます。
ちょっとした違和感
----6月26日に初ワンマンライブ「新鮮な未来」がSHELTERで開催されます。タイトルがいい意味で気持ち悪さ、というか引っかかりますよね。
のび太:「新鮮な未来」ってなんかこう、ぱっと、理解できるけどそのふたつを組み合わせるのか、みたいな。気持ち悪さというか、ちょっとした違和感は狙ってますね。雰囲気としては、「ショートショートの神様」とも言われる、星新一のタイトルになりそうなものがいいなと思って。あとは僕ら初ワンマンで、曲数もめちゃくちゃあるわけじゃないから、たぶん他のバンドのワンマンよりライブの時間が短いだろうなって思って、それも、「ショートショート」とちょっとかけて(笑)。
マット:それ、今、初めて知った(笑)。
のび太:タイトルが星新一感あると、中身が短くても納得してもらえるかなと(笑)。今明かしましたけど(笑)。
----ライブ後にいつも音源配信をしていると思うんですけど、狙いとかはあるんですか?
のび太:それは、今、僕らまだCDとかがないので曲を知ってもらいたいなっていうのがあって。現状自分たちだけでライブをしてるので、全国各地いろんなところに行けたらいいんですけど、実際見に行きたいけど見に行けないっていう人も一定数いる中で、なにかできないかなあって思った時に、音だけでもライブハウスの雰囲気を味わってもらえたらいいなあと思って。あと結構予習にも復習にもいいかなって思って。次のライブ見に行くってなった時にどういう感じなんだろうっていうのもわかるし、あとはライブ終わったあとの余韻というか、ライブ終わったあとにその日のセットリストでプレイリスト組んだりしている人もいると思うんですけど、だったらライブそのものを聴けたらいいじゃんっていうのもあったり。あとは単純に記録として。ダメダメなライブもいいライブも、記録として残しておくっていうのはありかなと。しかもそれをファンの人が所有してるっていうのが。バンドの活動期間が長くなれば長くなるほど初期と比べられたりしたら面白いかなと。
彩:音源配信ずっとやるのか。
のび太:えっ(笑)。強制的にやめなきゃいけなくなるまでは(笑)。
長く続けたい
----バンドの今後の目標を教えてください。
のび太:やっぱり長く続けられるように、結果も出して。めちゃくちゃ、売れたい...(笑)。売れないと続けられないし。
彩:アメリカとか...行きたいっしょ。
マット:行きたいっすねー。ヨーロッパも。
のび太:海外でもやりたいよね。
彩:マットものび太も、海外の人にすんなり受け入れやすそうな名前だし(笑)。だってドラえもんだよ?(笑)
のび太:そこに来る、「彩」の無関係さ...(笑)。
彩:「寿司」とかに改名しようかな(笑)。
----では最後に初ワンマンに向けての意気込みをお聞かせください。
マット:僕、個人的な話になっちゃうんですけど、バンド組んでちょうど1年のタイミングなんで、この1年他の仕事とかは全くやってなかったんで、1年間なにしてたんだろうって周りには思われていそうなので...先輩とかに。「1年間このメンバーでバンドを頑張ってきたぞ」っていうのをぶちかまして...っていう感じです(笑)。
彩:私はやっぱこう...安心させる、っていう感じですかね。前の話にかかってくるけど...。いろんな思いにさせちゃった人たちもいるけど、帰ってきてくれたなっていう安心感を持ってもらいたい。新しいバンド、かっこいいねって。単純に思ってもらいたいですね。安心させたいです。
のび太:結成1周年のちょうどその日に初ワンマンなので、結果的に僕らの持ち曲全部披露しても短いくらいだと思うんですけど、全曲聴かせられるので、THE LITTLE BLACKってこういうバンドなんだなって引き続き応援してこうって思ってもらえたらいいし、THE LITTLE BLACKから僕らを知ってくれた人にとってはすごいいいバンドに巡り会えたなあとか、とにかくこれからずっと応援していきたいな、好きでいたいなっていう、そういう気持ちにさせられるようなライブをやれたらいいなと思っています。一応、目標としては僕ら去年2017年限定で、「結成前夜Tシャツ」っていう、オーディションの時に撮った3人の写真をプリントしたTシャツを作ったんですけど、それを買ってくれた人限定で10周年記念のライブをやりたいっていうのがあるんです。10年後同じ構図で写真を撮って、販売するっていうのをやりたい(笑)。そこまでは解散しないように(笑)。楽しい夜になればいいなと思っています!
彩:あとはね。音源をね。もうレコーディングしてあるので...そろそろみなさんにお届けできるんじゃないかなぁ〜、です!