衝撃の解散からはや1年...元WHITE ASHのび太と彩が帰ってきた! 100人を越える応募の中から審査を勝ち抜いたドラマー・マットをメンバーに迎え、THE LITTLE BLACKを結成。結成からちょうど1年になる2018年6月26日に下北沢SHELTERで初のワンマンライブ「新鮮な未来」を開催する。彼らは一体どんな未来を見せてくれるのだろうか。今後の彼らの活躍がますます楽しみになる1日になりそうだ。[interview:川本俊・安佳夏(下北沢SHELTER)]
THE LITTLE BLACKの結成
----THE LITTLE BLACK結成の経緯を、WHITE ASH解散から教えてください。またドラムはオーディションで決まったとのことですが、そこのところも詳しくお聞きしたいです。
のび太(Vo./Gt.): 去年の3月にWHITE ASHを解散して、彩さんと、「解散しちゃったし、また新しいバンドやろっか」って話になって、どうせやるんだったら編成も含め前とは違う形でやりたいなってなって。その時、一緒にやりたいと思うドラムの人がパッと思い浮かばなかったんです。
彩(Ba.):そうね〜。知り合いにお願いするとか、いろいろバンド掛け持ちしてる人にサポートでお願いしてみる? っていう話もあったけど。
のび太:そう、でもやっぱり新しくバンドを組むならサポートとかじゃなくて全員が本メンバーというか、ちゃんとした形でやりたいなと思って。で、いい人が思い浮かばないんだったらむしろ、うちらと一緒にやりたい人を募集かけたらいいんだ!と思って、Twitterで募集をかけてオーディションをすることになって。結果的に100人ちょいくらい応募があって、やっぱり一緒にやりたいって言ってくださった方々ですし、実際にお会いして決めたほうがいいなと思ったので、一応、応募してくれた全員会って、実際にドラムも叩いてもらって。だから1人10分、15分くらいでも...。
彩:1週間くらいやってたっけ。
のび太:8日間かな。1日14、15人を8日間。
彩:北は北海道、南は長崎まで。東京に来てもらって。
のび太:結果的に4次審査くらいまでやって、3ヶ月間くらいかけて、そこで選ばれたのがマット。
----決め手があったんですか。
のび太:決め手は...最初の時点で、合いそうだなっていう第一印象があって、すごい親しみやすかったっていうか。僕と彩さんと話をする時も、物怖じするわけでもなく、ごく自然で。
彩:馴染み感がすごかった(笑)。いろんな人と会って、準備とかしてる時間にいろいろ話したりすると、ドドラムがめちゃくちゃ上手い人でも性格的にちょっと合わないかなっていうのは、不思議なことにわりとのび太君と私はその感性が合って。あの子は気が合いそうだなとか、合致してた。
のび太:ドラム自体のテクニックももちろん重要なんですけど、一緒にいる時の感じがイメージできるかどうかとか。例えば5、6時間遠征の時に一緒に車に乗ってるイメージができるかとか、空気感とか。最後のオーディションの時に3人まで絞って、最終的に誰がいいかっていうのを彩さんと話した時に、「マットがいいなあって思うんだけど」って意見が一致したんだけど、実はその3人になった時点で、もう、内心マットがいいなって僕は思ってたんですけど、よくよくあとで話を聞くと彩さんもそう思ってたみたいで(笑)。
彩:なぜか隠してたけどね...。
のび太:なんか変に言って、そこでイメージの優劣がついたらあれだなと思って言わないでいたんですけど、実はもうその3人になった時点でマットがいいなっていうのを僕も彩さんも思ってたっていうね。
彩:そこ意見分かれなくてよかったよね。私とのび太君の人の趣味が同じだった。そこが違うと辛かったよね。
のび太:確かにね。
彩:絶対合う人が来るわけじゃないし。オーディションって。該当者ゼロっていうパターンもあるわけで。
のび太:妥協で選びたくないし、マットがいてくれてよかった。
----マットさん側の心境や経緯もお聞きしたいですね。
マット(Dr.):最初にメールで意気込みみたいなのを送ったんですけど、僕のはめっちゃ長文だったんですよ。僕は正直忘れてたんですけど...(笑)。のび太さんにあとから言われて読み返したら、だいぶアツい感じだった(笑)。
のび太:このオーディションを見て、まさに自分のためのオーディションだと思って震えてます! みたいな(笑)。
マット:僕、福岡出身なんですけど、高校生の時にWHITE ASHのライブを福岡で見たんで、その人たちがオーディションしてる! 受けよう! ってなりましたね。その1ヶ月くらい前に、ちょっと音楽やりたくないなって時があって。楽しくないなって。それを先輩たちに相談したら、それはやりたいことやってないからだよって言われて。やりたくないことを、「やらないといけない」と思いながらやってると、何でも楽しくなくなっちゃうから、やりたいことをちゃんとやったほうがいいっしょって。で、バンドしたいなって思ってた所でオーディションを見つけたから、タイミングやなぁ〜って。
のび太:震えた?(笑)
マット:会いたくて震えましたよ(笑)。
シンプルでもフックのある日本語
----THE LITTLE BLACKというバンド名は、どのように決まったんですか? 個人的に、WHITEからのBLACKというのが気になっていました。
のび太:おっしゃる通り、新しいバンドを組むにあたって、全く関係のない名前にするよりかはなんか匂わせた方が、見た人が自然と関連性を結びつけてくれるだろうなっていうのはあって。あとは純粋に何か決める時って、語感だったり字面だったり、そういうところで決めるんですけど、THE LITTLE BLACKって純粋に響きと文字で見た時のインパクトがバシッとハマったので、決めました。
----先ほど、新しくやるバンドは、前とは違う形でやりたいとおっしゃっていましたが、随処にその意識が見受けられます。特にTHE LITTLE BLACKでは歌詞が日本語中心になっていたりしますが、やはり差別化する意図があるんでしょうか。
のび太:WHITE ASHのときは語感を重視して、英語的なものでやるっていうのがコンセプトとしてあったんですけど、どうせ新しくバンドを組むならそれとは違うコンセプトというか、別物なんだっていうのをわかりやすく提示するために、「最初から全部日本語でやる」っていうのが一番わかりやすく差別化できるかなと。WHITE ASH時代も後期は日本語の曲もあったりして、そのへんから日本語でも語感重視で、尚且つ意味も通る曲を作れるようになってきたっていうのもあって。だったら別に最初から日本語でいいんじゃないかなっていうのもありました。
彩:日本語になってから歌詞がすぐ書けるようになったって言ってたよね。
のび太:前は結構、レコーディングの前日とかに詰めて書いたりしてたんですけど、今は余裕を持って曲も歌詞も完成してる状態で、みんなでできるようになった。まぁ、意味が通った方が作りやすかったっていうね...(笑)。
彩:でも今、響きを大事にしてるなって思うけど。フックのある日本語をタイトルにしたりとか。
のび太:WHITE ASHのときは「カッコイイ」ものを作るっていうのが狙いのひとつとしてあったんですけど、それは自分の中ではある程度もうやったかなっていうのがあって。で、日本語にしてからはかっこいいとかじゃなくて、いかに気になるかっていうのを重視するようになって。例えば「受け入れろ!」って曲があるんですけど、「受け入れろ!」ってタイトルってえ!? ってなるじゃないですか。急にバーンってくるなって。そういう、かっこいいっていう観点じゃなくて、いかに気にさせるかっていう気持ちが今は強くて。いかにシンプルな言葉でフックを作るかっていうのを今は楽しんでやってるっていう感じですね。