朝まで一人で喋り続けるオールナイトライブ5時間、さらに10時間喋り続けるトークライブを敢行したウエストランド井口が今度は自身の誕生日当日に、ストイックトーク部門と、自分へのご褒美・激甘トーク部門の二部に分かれたイベントを開催! ステージ上でも楽屋裏でも常に喋り続け、ほぼ毎日配信されているウエストランドの【ぐちラジ!】【ぶちラジ!】でもとにかく喋る。どうやったらこんなに喋る人になったのかがなんとなく分かったような、祝35歳記念インタビュー。[interview・構成:鈴木恵(LOFT / PLUS ONE)/高橋啓]
これがツッコミか!
——生誕35周年記念なので、生い立ちからお伺いしたいと思いますが、そういったインタビューってされたことありますか?
井口:そんなに振り返ったものはないですね、初めてです。こういう機会はありがたいです。
——小さい頃の記憶はどれくらいからありますか?
井口:自分が思う最古の記憶は、親に連れられてスーパーでチョコを買ってた記憶ですかね。ちゃんと覚えてるのは幼稚園からで、唯一はっきり覚えているのが、僕が泣いてたら幼稚園の先生がそれを慰める為に、今度の遠足で好きなお菓子選んでいいよって言って。ペロペロキャンディーが欲しいって言ったら、当日に先生が持って来たのが不二家のペコちゃんの小さい棒についたアメで、これかい! ってなった覚えがありますね。僕はアラレちゃんとかに出てくる、グルグル巻きのあの大きなのが欲しかったのに、なんだよこれ! ってなりました。
——今の井口さんとつながるような話ですね。
井口:もしかしたらそれは人生最初のツッコミかもしれないですね。これじゃねえんだよ! っていう。
——当時はどんな子だったんですか?
井口:親曰く、1歳になる前から喋り始めてて、2歳になる頃にはもうペラペラに喋ってたらしいんで。とにかく喋るのは早かったっていう風に聞いてます。
——小学校では目立つタイプだったんですか?
井口:小学校3年生までは学級長とかやったり、真面目でした。成績も学年トップだったんですよ。でも4年生の時から、帰り道にあった崖から飛び降りる遊びにハマって。田舎でバス通学だったんですけど、バスの時間になっても崖遊びしてて乗り遅れちゃうみたいなのを繰り返してるうちに、どんどん成績が下がっていきましたね。
——でも活発そうな小学生ですね。
井口:まあそうですね。小学校4年生頃に、サッカーをやり出して。成績落ちてきたとはいえ真面目だったんで、ふざけてる友達をダメだよそんなことしちゃ、とか正してたんですよ。そしたら周りに、「井口、すごいツッコむな」と言われだして、これがツッコミか! ってなったんですよ。それから『ツッコミ井口』ってあだ名になりました。ツッコミって、僕からしたら性格が真面目だから正してただけなんですけど、お笑いに詳しい友達から言われてそこで初めて知ったんですよ。
——お笑い自体は、その頃あまり意識して見てはなかったですか?
井口:普通に好きではありましたけどね。ツッコミって言われてからこういうことがあるんだって思ったし。あとは、人一倍背が小っちゃかったんで親も心配してて『芸人だったらいいけどね』みたいなことをポロッと言っていて、それが残ってるんですよ。芸人だったらいいんだって思った記憶があるんで。それが意外に始まりかもしれないですね。
思春期がなかった
——中学になって部活とかはやりました?
井口:小学校からずっとサッカーをやってました。
——思春期はどんな感じでしたか? 周りがいろいろ変わる時期ですが。
井口:周りが変わっていくのが気持ち悪くて受け入れられなかったですね。思春期が多分なかったんで。急に女子と話すの緊張するやつとか、そういうのが全くわけわかんなかったんですよね。なんか大人になってる感じが気持ち悪くて受け入れられなかったんです。アイドルとかも何も好きにならなかったし。SPEEDが全盛期でみんな好きだったんですけど、同い年なのに活躍してたんで嫉妬してましたね。いずれ会うだろう、絶対負けてないだろうって思ってました。今考えたらわけわかんない勝負なんですけど。
——好きな人とかもいなかったんですか?
井口:そういうのもなかったですね。田舎なんでバレンタインデーとかイベントごとは東京のことだと思ってましたからね。本当に、恋愛なんか東京の出来事だと思ってましたよ。
他校から『ツッコんでください』
——河本さんとは中学と高校と一緒でしたっけ?
井口:中・高一緒ですけど、中学の時はほぼ話したことがないというか。高校の時に同じサッカー部になったんで、そこからですね。同じ部活で同じ方向に帰ってたんでそこでふざけてたみたいな延長ですよ、今もずっと。
——何か始めるきっかけがあったんですか?
井口:みんなふざけてたのに、急に真面目になってちゃんと就職をしていく時期、単純に落ちこぼれだったからですかね。正直いうと中学の時も高校の時もツッコミで有名だったんで、いろんな人からオファーはあったんですよ。なんか喋ってればコンビみたいだなとかはよく言われました。高校の時なんか、他校からツッコんでくださいって人も来てました。
——何ですか、それ?!
井口:他校の人が文化祭とかで来た時にツッコんでよみたいな。ツッコミで軽く街に轟いてましたからね。今思うとすごいですよね。後輩の女子とかからも言われて。なんかツッコんだら、『うわーツッコまれた!』みたいな。
——あら、チヤホヤされてる時期ですか?
井口:いやいや、完全に笑われてましたよ。1個下に弟がいたんですけど、なんか奇跡のバランスで弟がイケメンというか、彼氏にしたい人1位とかに選ばれてて。それだから下級生からお兄ちゃんって呼ばれてたんですよ。ということは弟ありきじゃねえかよって。馬鹿にされてたんでしょうね。
——大学で上京ですよね?
井口:そうですね。お笑いやるための口実として、適当にこっちの大学を決めて受けて。それで出て来て、ちゃんと活動する前に(河本と)ケンカ別れみたいになっちゃったんでそのまま大学通って、みたいな。その間は何もしてないんで。若かったですから。
——またお笑いをやろうってなったのはいつ頃ですか?
井口:大学を卒業して、就職しちゃうと自分の性格的に一生懸命働いちゃうだろうなと思ったんで、あえて就職せずに1年くらいフリーターみたいなことをやっていて、1年後くらいに河本と再会してまたやるかっていう感じですね。