新宿ロフト40周年アニバーサリーライブの目玉の一つ、渋谷TSUTAYA O-EASTにて行われる『DREAM MATCH2016』が間もなく開催される。
「曲の良さを伝えたい」との趣旨の下、新宿ロフトの名物スタッフ樋口寛子が、彼女所縁のアーティストに声をかけ、世代もジャンルも音楽性も違えど、共通し「歌を大切にした」アーティストたちが集うフェスだ。
そんな『DREAM MATCH2016』の話を中心に、出演アーティストと主催者樋口を交えて行っている、この対談インタビューシリーズ。最終回の今回は、かつてはロフトプロジェクト主宰のインディーズレーベル「SONG-CRUX(ソングクラックス) 」から作品をリリースし、これを機にメジャーシーンへと駆け上がった、ロフト所縁のメレンゲの登場だ。レーベル在席当時を懐かしむだけでなく、現行の自身やイベントに向けての気概も訊くことができた。(interview:池田スカオ和宏[LUCK'A Inc.] )
━まずはメレンゲと樋口さんとの出会いから教えて下さい。
クボ:出会ってもう14~5年になりますかね?
樋口:まだタケシタさんがメンバーじゃなく、まだメレンゲ=クボさんのソロ形態の時でしたね。
クボ:「midnight charm」という、当時樋口さんが作っていたオムニバスカセットとイベントがあって。そこに参加させてもらったのが最初の出会いでした。
樋口:ちょうどその頃に、当時クボさんを担当されている方から、「今後ライブをやっていきたい」という相談を受けていた事もあり、イベントライブに出演をお願いしました。
クボ:その後にSONG-CRUXからCDを出させてもらって。その時期はマネージャー的なこともやってもらっていましたね。
樋口:メンバーとは歳が近いこともあり、「一緒に大きくなって、共に素敵な景色を見る事ができたらと良いな」と思いながら一緒に行動していました。メレンゲは私にとって「同期」のような存在です。
タケシタ:それこそ僕がメレンゲに加入した時は、SONG-CRUXからの最初の作品が出たタイミングでした。この業界で一番最初にお世話になった方が樋口さんでもありました。僕のスタート地点の一つでしたからね。
クボ:SONG-CRUXの前に、別のレーベルから2枚ほど作品を出してはいたのですが、それはメレンゲ名義ながら完全なソロ作品でもあったので。バンド・メレンゲに関しては、それこそ最初から樋口さんやロフトと関わらせて頂いたという感じなんです。
樋口:メレンゲはロフトを拠点にしながらも、いい意味でロフトを飛び出していけるバンドになって欲しいなと当時から思って付き合ってきましたね。
━メレンゲにとって新宿ロフトって?
クボ:ライブハウスとは言え、キャパも大きいので、ライブの度にドキドキするハコ(会場)ですね。それは今も慣れません(笑)。だけど、ロフトでワンマンができて、お客さんが埋まった光景を見た時はウルッときたなぁ...。
タケシタ:去年の藍坊主との2マンライブじゃないけど、このロフトを通じて、これまで色々な出会いを作ってもらっている感はあります。出会って、ライブを演って、打ち上げで朝まで飲んで、また次で会って...みたいな、出会いから親睦までが発展されていくライブハウスなんです、僕にとってのロフトは。
━今回、「DREAM MATCH 2016」に誘われていかがですか?
クボ:非常に楽しみな共演ですね。そうそう一緒にライブをやれるメンツじゃないし。樋口さんが間にいるからこそ実現したラインナップや共演かなって。とにかく特別な日にしたいですね。お客さんにとってもですが、どちらかと言うと樋口さんにとって。
タケシタ:樋口さんが声をかけたり、動かなかったら、絶対に実現しない組み合わせですもんね、これは。他の人が似たような主旨でやっても絶対このラインナップにはならない。ある意味、樋口さんがずっと歌もので、この10何年やってきている集大成って感じのラインナップですからね、今回は。
━では当日は、樋口さんのご褒美的な、このイベントに花を添える役割を?
クボ:そこまでおこがましくないですけど、「14~5年、付き合ってきて良かった!」と思ってもらえるライブをしたいです。
━では当日は、みなさんいいライブをして、みんなで樋口さんを泣かせましょう(笑)
樋口:(笑)。当日は懐かしいメレンゲを見たいとは決して思っていなく、逆に現在進行形のメレンゲを見たいです。現行で活躍しているアーティストさんに集まってもらうイベントだと自負もあるので、これまでではなく、逆にこれからに期待してもらえる、みなさんにはそんなライブをしてもらいたいです。
クボ:歌や言葉を大事にしていると自負しているアーティストばかりだと思うので、我々もそこを大事にしたライブにはしたいです。
━今後、ロフトや樋口さんに臨むものは?
クボ:せっかくのイベントなので、これを記念日だけに終わらせず、場所はこんなに大きくなくてもかまわないので、引き続き定期的に行って欲しいですね。
タケシタ:最近の樋口さんは、朝までどころか、その日の昼まで一緒に飲んでいることがあるので、もう少し短くした方が身体の為かなって(笑)。
樋口:分かってはいるのだけど、どうしても楽しい気持ちの方が勝っちゃって、長くなっちゃう時があるんですよね(笑)。
タケシタ:あとはこれからも共演を通して新しい出会いや様々な出会いをもたせて欲しいですね。
━クボさんは現在、自主のレーベルを立ち上げる為のクラウドファンディングを行っているとか?
クボ:そうなんです。ソロを年末から来年にかけてやってみようと考えています。自分の音楽を自分で責任を持てる環境で作るべき時代だと思うのですよね、今は。それもあって、メレンゲとは別にソロをやってみようかなと。どこかからじゃなく自主で出したかったんです。そこにこだわりたかったというか。で、まずはその賛同者を集めたくて。
━何かキッカケでも?
クボ:まずは「これをみんなに聴かせられないかな?」という曲のアイデアが浮かんで。それをどうにかしてアウトプ
ットしたい、自分純度の高いものを作って、お客さんと共有したいな...そんな思いからですね。
━最後にロフト40周年へのメッセージをお願いします。
クボ:40周年おめでとうございます! その40年のうちの15年を関われているのが自分たちの誇りでもあります。今後も自分たちもロフトと一緒に成長していけたらなと。とにかくずっと続けて欲しいし、ずっと続けてもらえるように僕たちも頑張ります。
タケシタ:ロフトにはこれからもずっと東京のライブハウスの中心として居続けて欲しいです。今後ともよろしくお願いします!