とにかくハッピーで、肩の力を抜いて楽しめる映画になってる
──全体としてはリリカルスクールの素の部分を活かした作りになっているだけに、終盤のライブ・シーンが一層キラキラした感じになっています。
M.C.BOO:あのシーンで爆発してるよね。
デモ田中:爆発ですからね、映画って。
──なんですか、いきなり名言風な発言は! しかもちょっと岡本太郎のパクリっぽい感じの(笑)。
M.C.BOO:これがサンプリングです(笑)。
minan:ライブのシーンでは、ヘアメイクや衣装も、それまでの日常のシーンとは変えてキラキラに仕立ててもらってね。
yumi:ライブ・シーンの撮影は感動しちゃいましたね。この映画って本当にヘンテコなのに、リリカルスクールの等身大が詰まってるんですよ。いつもライブしている場所が使われてたり、いつもお世話になっているお客さんも出てくれてて、たくさんのスタッフの方が手伝ってくれてて、そこで私たちもいつものようにライブをしていて。等身大だけどこんなに素晴らしい映画になった。この映画の撮影を通して、ものづくりが楽しいなって自分の中で再認識できました。
mei:撮影場所に使わせていただいた渋谷のマルイさんは、普段からよくイベントをやらせていただいている場所で。それが美術スタッフさんなどの力もあって、普段のインストアイベントの時とは見違えるようなステージになっていて。ライブのシーンはこの子たちが一番輝くところだから! って、みなさんの熱意がすごく伝わってきて。それまでのよくわからない出来事とか(笑)、自分たちがヘラヘラしてた部分から、リリカルスクールのカッコイイところを一気に見せられたと思います。
minan:それまで、うどん踏んだりしてたのがね(笑)。
yumi:一気に画が締まった!(笑)
hime:実は私、ライブのシーンがあんなにたくさん使ってもらえると思ってなかったんですよ。リリスクのライブには、普段から小さいお子さんも遊びに来てくれるんですけど、大人から子どもまで楽しめるっていう部分は、映画になってもブレてなくて。私たちはライブを大切にしているグループだから、映画にもその魅力が詰まってると思います。
ami:リリカルスクールのことを知らなかった人も、このライブシーンを観て実際のライブにも遊びに来てほしいですしね。知ってる方は、この映画でさらにリリスクのライブいいよなって思えるんじゃないかな。
minan:キャッチコピーにもある〈ウルトラハッピーパーティームービー〉っていう言葉に尽きるというか。とにかくハッピーで、肩の力を抜いて楽しめる映画になってる。何も考えずに楽しめる映画って、最近少ないじゃないですか? 私たちらしさが詰まった映画に仕上がってると思います。
ayaka:そうだね。ヒップホップの良さもアイドル映画の良さも、もちろんリリカルスクールの良さもギュッと詰まっていて。やっぱりこの映画は私たちにしかできないなっていうのがあらためて実感できたし、監督をはじめたくさんの方に支えられて愛されて完成した作品なんだなって思います。そして、また6人でお芝居したいなって思いました!
宮内 健(みやうちけん)
1971年東京都生まれ。音楽雑誌の編集部勤務を経て、フリーランスのライター/エディターとして活動開始。『bounce』編集長、東京スカパラダイスオーケストラと制作した『JUSTA MAGAZINE』編集を歴任し、2009年にフリーマガジン『ramblin'』を創刊。現在は音楽コラムサイト『TAP the POP』などの編集・執筆活動を中心に、様々な形で音楽とその周辺にあるカルチャーの楽しさを伝えている。