紗倉まな。2012年にAV女優としてデビュー以来、圧倒的な存在感とエロさで不動の人気を誇り、その活躍は映画やドラマ、ラジオへの出演、TOYOTAのウェブサイトにてコラムを連載するなど多岐にわたる。
そんな多彩な一面と才能を持つ彼女が、初の書き下ろし小説『最低。』を上梓した。現役AV女優が紡ぎだすAV女優にまつわる儚い人間模様を綴った4章立ての物語は、紗倉まなの秘めたる文才が遺憾なく発揮されている。
今回、紗倉まなへのインタビューを新宿ロフトプラスワンの元スタッフで、現在は成瀬心美率いるバンド、mezcolanza(メスコランサ)のベーシスト、岡野いずみにお願いしてみた。彼女はなんと地元の木更津で高校時代から紗倉まなと仲が良いのだ。というわけで、インタビューと言うよりも女子会のようなリラックスした雰囲気でおしゃべりしてもらいました。[インタビュー:岡野いずみ(mezcolanza)/文・構成:白井絢介(ロフトプロジェクト)/写真:内海裕之]
次の小説の舞台は木更津?
紗倉:YouTubeでここみん(成瀬心美)が自撮り棒で撮ってるPV観たよー。いーちゃん(岡野いずみ)凄いかわいかったー。
岡野:え、うそ、あれ観たの!? うわー、あれめっちゃ恥ずかしいんだよね。今日は『最低。』についてざっと聞くからあとは雑談にしよ!(笑)
紗倉:うん、分かったー。
岡野:ちょっと気になったのが、1章の彩乃で出てきたBARで会った男の人、あれ、まなちゃんのタイプでしょー?
紗倉:あれタイプー! なんかこういう出会い欲しいなっていう……。
岡野:あとさ、声に惹かれたみたいなのも。
紗倉:そうなのー。声、めっちゃ好きなの。
岡野:だと思った。ツイッターでさ、「紗倉まな」で検索すると「紗倉まな 最低」って出てこない?(笑)
紗倉:そうそうそう、だからそういう人なんだなーってきっとみんな思いながら調べるよね(笑)。
岡野:でも言い方悪いけど、もっとさらっと読めると思ったら、ぎっしりしてて読み込む感じだった。
紗倉:え、嬉しい。
岡野:けっこう情景とか風景を書いてるじゃん。北海道のーとかさ。あ、なんで千葉にしなかったの? うちらの地元(笑)。
紗倉:うちらの地元さー、書きたかったんだけど、道とん堀(お好み焼き屋)と赤い橋(中の島大橋)が印象強すぎて。あと野犬のイメージがめっちゃあって(笑)。
岡野:ドイツ村とかあるじゃん!
紗倉:ドイツ村!(笑) でもいつか書きたいなと思って、木更津。でもなんかリアルすぎて。
岡野:ここのラブホがいい、みたいな。
紗倉:なんだっけ、チャペルとか(笑)。
岡野:年中クリスマスのとこね(笑)。
紗倉:すんごいヤリチンの先輩がチャペルに行きまくってたらしくて、その先輩、「チャペルマスター」って呼ばれてた(笑)。そう、こないださー、久しぶりにわざわざアクアラインに乗って木更津へみちのくのラーメン食べに行ってきたの!
岡野:富士屋じゃないんだ。
紗倉:私、みちのく派だから!
本、中出し、本
岡野:まなちゃん、高専時代からさ、けっこうブイブイ言わせてたの?(笑)
紗倉:ブイブイ? え、それって……(パコパコする仕草)。全然だよ。でも今のほうが枯渇してるから昔のほうが今と比べたら楽しかったけど、性生活は(笑)。
岡野:そう、ウケたのがさー、ツイッターで『最低。』の告知のツイートとかめっちゃしてるのにさ、その流れで急に「紗倉まな中出し解禁」ってツイートしてるの!(笑)
紗倉:すんごい迷ったんだけどー(笑)。
岡野:本、中出し、本、みたいな(笑)。誰もマネできないと思う。
紗倉:フハハハハ! マジ最低。
岡野:最低。
マネージャー:でもホント、タイミングが凄い。本の出版と4周年と中出し解禁と誕生日と。みんな同じ時期に重なって。
紗倉:だから、本出しました! 4周年迎えました! 中出し解禁しました! もうすぐ誕生日です! いぇい! みたいな。なんだ、こいつ!? みたいな(笑)。
人間何回目の話
岡野:そうそう、『最低。』に登場する主人公の親とか事務所の男の人とか、AV女優の周りの人物が生々しく表現されているなと思った。まなちゃんは普段から人をよく見てるんだなーって。人の心を考えてるからあんなふうに描写できるんだなって思った。
紗倉:わー、嬉しい。
岡野:あと、あれ気になった。人間何回目の話。
紗倉:あー、あれね。聞いたことある話だったんだけど。まなちゃんは1回目だねって言われたの。なんかさ、不思議じゃない? 輪廻転生と言うかスピリチュアルな感じじゃん。阿佐ヶ谷ロフトAのイベントの時にも話したんだよね。
岡野:へー。じゃあロフトで話した話が小説に使われてるんだ! それは面白い。まなちゃんは自分で人間何回目だと思う?
紗倉:2回目以上を望むよねー。
岡野:絶対2回目以上だと思うよ! だってまなちゃん、人当たりもいいし偏見がないじゃん。素直な気持ちがありすぎるし。うちら初めて会ったの10代だったけど、今でも一切変わってないんだよね。いつまでも素直で。ホントそう思う。なかなかいないよ。だからみんなに愛されてるんだと思うよ。
紗倉:えー、嬉しすぎるんですけど!
紗倉まなはサブカル!?
紗倉:(質問用紙に記入しながら)お気に入りのマンガ……、あっ、『殺し屋1』。
岡野:少女マンガとか読まないの?
紗倉:最近はグロいのばっかり読んじゃう。
岡野:『ウシジマくん』とか? あ、まなちゃん出てるわ(笑)。
紗倉:『ウシジマくん』、めちゃ好き。『寄生獣』も好きだよ! いーちゃん、オススメあるー?
岡野:私がオススメするとサブカルの道に引きずり込むことになるけど。え、サブカルは好きなんですか?(棒読み)
紗倉:サブカルは好きですよ(棒読み)。私、なんかさ、サブカル目指してんのか? って凄い言われてたことあって。でも私、その時サブカルってよく知らなくて。
岡野:普通そうだよねー。
紗倉:サブカルってなんすか? って聞いたら下北沢が好きなー、ヴィレヴァンが好きでー、みたいなこと言われて。それで、あっ、私、サブカルかもしれません、みたいな。
岡野:みんなそうだよね。
紗倉:いまの女の子、みんな好きだよねー。原宿より下北じゃない?
岡野:サブカル・イズ・デッド(笑)。サブカルの意味が分からないし。じゃあ今度サブカルの殿堂、ロフトプラスワンの店長に「サブカルってなんですか?」って聞きに行きましょう。たぶん凄くいい答え言ってくれると思うから。
紗倉:名言が出そうだよねー。あとお気に入りの音楽かー。KANA-BOON、クリープハイプ、って書いたらマジ、サブカルだね。
岡野:KEYTALKとかね(笑)。
紗倉:とことんあっち界隈になっちゃうから。お気に入りの映画はねー、『キングスマン』。超面白い。
岡野:『キングスマン』『セッション』を挙げた時点でまなちゃん、サブカルだね!(笑)
紗倉:フハハハ! じゃあサブカルで生きよ。