12月10日(水)ロフトプラスワンウエストにて、一風変わったあの女子会の、2回目の開催決定!『キネプレpresents映画館女子ガールズトーク in Xmas ~クリスマスにはこの映画がオススメ!なんて、フツーの話はしたくない~』関西のミニシアター女子が、宗右衛門町に集結する待望の夜会。仕掛け人である、関西の映画・映像情報ウェブマガジン『キネプレ』編集長の森田和幸が、全貌を語ってくれた。(interview:松本尚紀/LOFT PLUSONE WEST)
映画制作への興味から、ウェブマガジン『キネプレ』へ
―ウェブマガジン『キネプレ』を、始めたきっかけを教えてください。
森田:僕が広告代理店に勤めている時に、友人が映画の専門学校に行ってたんです。そこの映画製作の授業にすごく興味があって、取材をする為に学科長の許可を貰ってもぐりこみました。昼間は仕事で、夜は授業に行って、土日は自主映画の撮影。そんな生活を1年ぐらいやって、卒業制作が出来るまでを追ったんですよ。そうしたら彼らが卒業後に、映画制作チームを作るってなりました。僕は映画の技術的な事はわからないんですけど、広告代理店に居て、ライターもしていたので、チームのマネジメントしてくれないかと。そこでまず、チームを宣伝する為にフリーペーパーを作りました。僕がいた広告代理店はフリーペーパー専門の広告代理店だったので、その経験を生かしながら。
―どういったものですか?
森田:知らない人にも読んでもらう為に、映画の情報が載っている冊子誌にしましたね。その当時は2008年くらいで、ぴあの部数が減ったり、エルマガジンが休刊したりしたんですよ。だから、それの代わりになるフリーペーパーを作ろうと思ったんです。チームの宣伝だけでなく、映画監督のインタビュー、映画情報、8ミリフィルムの撮り方、特殊メイクのやり方なんかを掲載してましたね。第2号では、河瀬直美さんのインタビューも書きました。でも、フリーペーパーって制作に時間がかかるから、情報を出すまでの時間も遅くなるんです。それでは、ギリギリで決まったイベント情報などを紹介することができない。あとやっぱりお金もかかりますし。だから、それをウェブに移したんです。
―もともとはフリーペーパーで、それをネットに移したのがキネプレの始まりなんですね。
森田:はい。ただ、キネプレ自体は最初ブログで始めたんですよ。ブログメディアという形で、1年間くらい試験的にやってました。映画制作チームのメンバーに、いろいろと映画や映像に関する記事を書いてもらってたんです。でも、そもそも彼らは映像を撮りたくてチームをやってるから、物書きに関してはモチベーションがバラバラで(笑)とある知り合いの方に、僕の記事と、他の人の記事との差が大きいって言われちゃいまして。そこでブログを一旦止めて、ちゃんとしたウェブサイトにしようと思いました。それが今のウェブマガジンとしてのキネプレですね。
大学時代の自分へ宛てた記事
―キネプレの記事は、森田さんが1人で書いているんですか?
森田:いまの段階はほぼ1人ですね。ひとまず記事のテイストや媒体としての方向性を統一したかったので。デザインや映像制作を任せてる人は、他に3人ほどいます。記事は、最近1000本に到達しました。2年半で1000なので、一日1本以上配信した計算になりますね。
―掲載する記事を選ぶ基準は、森田さんの中で何かあるんでしょうか?
森田:この情報を載せてほしいって、様々な映画関係の方から依頼が来ることもあるし、こちらから面白い活動を探すこともあります。その中から選ぶための、一つの基準にしているのは「大学時代の僕が興味を持つかどうか」。そもそも僕は、大学に入ってから映画に興味を持ち始めたので、まだまだ素人に近いんです。だから、素人の僕目線で引っかかるポイントがあるかどうかは大きいですね。その時の自分に宛てた手紙のように書いています。でも僕みたいな人間は、実はいっぱいいるだろうと。共感してくれる人たちは結構いるんじゃないかと思ってます。
―記事を書く際に、意識している事などは?
森田:ネットの記事はパッと見てパッと去れる手軽さがメリットであって、デメリットでもあるんです。だから最初の見出しの段階で、紹介しているのはどんな人や作品、イベントで、どういう内容なのかっていうのがわかるように心がけています。事前知識がしっかりないと読めないものには、極力したくないなと思ってます。
―キネプレの、今後の展望を教えてください。
森田:まずはこれからも坦々と記事を書いていくこと。たくさんの情報が集まり、蓄積されていくことで、サイトの価値が上がっていくと思ってます。あとは映画に関する場を、作っていきたいです。キネプレのプレは、報道や広報のpress(プレス)なんですけど、他にも意味をこめたんです。ひとつは遊ぶという意味のplay(プレイ)、もうひとつは場所のplace(プレイス)。今までは無い発想で、映画に関わる人が交流する場や、遊べる機会を設けていきたいなと考えています。
関西の映画ファン必見!ミニシアター女子から見える、2015年の展望
―ロフトプラスワンウエストでのイベント『映画館女子ガールズトーク』を始めたきっかけを教えて下さい。
森田:去年の12月に、キネプレの累計30万アクセスを祝うイベントを、大阪・十三のシアターセブンでやったんです。その中で映画館で働く女性を集めて、短いトークをしてもらいました。そうしたら「もっとたくさん話を聞きたい」という声が多かったので、今年の7月に、『映画館女子ガールズトーク ~甘いものと映画は別腹です~』を開催しました。
―なぜ、映画館で働く女性に注目したのですか?
森田:毎日取材している中で、「関西のミニシアターの人って、意外に女性が多いな」って思っていたんです。しかも若い方が大半で、個性がある。見た目はバリバリって感じじゃないんですけど、皆さん芯が強いんです。それがすっごく意外で。昔の僕は、ミニシアターの支配人に高齢な男性ばかりのイメージを抱いてたんですよ(笑)
―実際にロフトプラスワンウエストでイベントを開催して、反響はどうでしょうか?
森田:イベントに来てくれたお客さんに、「ミニシアターって、意外と若い女性が頑張ってるんだ」と知ってもらえたと思います。ミニシアターを、身近に感じられたんじゃないかと。あと、イベントの存在自体が広まることで、イベントには行けなかった人にも「そうか、映画館は若い女性が多いのか」と気付いてもらいたいなと思っていたんです。こうすることで、映画館の存在自体がニュースになるんじゃないかと。
―イベント自体をメディアとして、発信しているのですね。
森田:そうですね。だからタイトルも映画館女子にして、一目でわかるようにしました。 ―12月10日(水)『キネプレpresents映画館女子ガールズトークin Xmas ~クリスマスにはこの映画がオススメ!なんて、フツーの話はしたくない~』について教えてください。 森田:イベントのタイトルにはクリスマスが入ってるんですけど、単純にクリスマス的な映画の話をするんじゃなくて、1年の振り返りをしようと思ってます。関西のミニシアターで、どんな映画が印象的だったかなどを、女性目線で喋ってほしいですね。そうすることで、2015年のミニシアター界の展望が見えてくればいいですね。
―2015年1月13日(火)にロフトプラスワンウエストで開催の『2015関西ウェブメディア新年会!』について教えてください。
森田:関西のネットメディアの方々をお呼びしてのイベントですね。街ネタ系メディア中心の1部と、カルチャー系の2部にわけようかと考えてます。1部2部に共通して掘り下げたいのは、ネットというグローバルな手段で、「なぜローカル的な題材を取り上げるのか?」ですね。ネットは世界中に伝えることができる媒介なのに、そこであえて地域に限定した話題を発信する。キネプレもその「あえて」をやっている媒体の一つなんですけど、各メディアのその思いを探りたいですね。