トンガったアイドルを輩出することに定評のある『ミスiD 2014』にして『なでksジャパン二期生』、『アイドル好きアイドル』で『お寿司』と関係のあるレイチェルと、『透明感溢れる美麗なイラスト』に定評がある一方、興がノると『不透明極まりない奇装』で僕たちを惑わす魅惑のイラストレーター、岸田メル先生。どうにも接点の分かりづらいふたりがどういうわけか意気投合、どういうわけかイベント開催に至ったという、いくつも浮かぶ『Why?』を解きます!(interview:齋藤 航/Naked Loft、協力:トクイアヤノ)
アイドル好き、アイドルを目指す
──レイチェルさんがアイドルを目指したきっかけは?
レイチェル:手っ取り早くお金持ちになりたかったからです(笑)。努力しないでお金持ちになりたかった。CMとかに出演するとたくさんお金がもらえるっていうじゃないですか。なれなかったですけど(笑)。初代ミスiDの玉城ティナちゃんを前から知っていて、ミスiDのHPにある、応募した娘たちがいろいろ良いことを言う自己PR動画に胸を打たれて「どういうオーディションなんだろう?」って興味を持ったのが発端ですね。実際受けてみて、いろいろな人とお近づきになれて嬉しかったです(笑)。ただ、今まで審査されるっていうところから逃げて生きてきたので、怖かったですね。
──そこで晴れてミスiDに選ばれ、芸能活動を始められたわけですが、メルさんとのつながりは?
メル:ツイッターで自分をフォローしてくれていた蒼波純ちゃんがミスiDでグランプリを獲ったのを知って、なんだか嬉しくなってフォローを返したらすごく喜んでくれたんです。それで「おめでとうございます!」みたいなやり取りのなかで「もしよかったら私のこといつか絵に描いて下さい」って言ってくれて。そうしたら急にレイチェルが横から「ワイのことも描いてくれや!」って入ってきたんです。「は?」って思って(笑)。でもそこからレイチェルのミスiDの自己PR動画を観たら面白い娘だった。当時は僕に限らず、いろいろな人にちょっかいかけてたよね。
レイチェル:失うものがなかったから。その時に、ちょっかいかけた人たちが未だに交流を持ってくれたりして、良かったなと思っています。
イラストレーター、奇装に至る
──メルさんがイラストレーターになったきっかけは?
メル:もともと絵を描くのが好きだったんです。18歳ぐらいから、HPで自分の描いた絵をアップしていたら、出版社の人が目をつけてくれまして。
レイチェル:え! そうなんだ!!
メル:え!? 今、知ったの?(笑) その時は趣味の延長線上だったんですよ。当時、僕は名古屋で小演劇をやっていて、演劇をしながら絵を描いて生活していたんですが、演劇ってあまりお金にならないし、自分にそんな才能もないなと思っていたんで、芝居は一区切りをつけて、絵一本で食べていこうと思ったのが23歳ぐらいの時です。
──よく変わった格好をされているじゃないですか(笑)。
メル:あれは、よくコスプレとか言われますけど、俺そのものですから。やっぱり同じような仕事をしているだけだと自分の心が凝り固まっていくんですよ。それでフォロワーが増えたりして、こんな大量の人に向かって悪ふざけしたら楽しいだろうなということしか考えてないんですよ。
レイチェル:いたずらっ子なんですね。
メル:いたずらっ子なんです。変な格好したり、急に自分の脛の画像をアップにしたり、みんなに「ウワッ!」って思って欲しいんですよ。深い意味は全くないです(笑)。これからも思いついたらやるし、それについて何か建設的な考えがあるわけではないんです。息抜きですからね。
レイチェル:息抜き…変態だね!(笑)
メル:変態じゃないよ! 結果的には知名度も上がっているし、これがいい相乗効果になってよく働くことにもつながっているんですよ。
──最初に「ワイのことも描いてくれや!」で認知したレイチェルさんとつながるようになったのは?
メル:レイチェルの絵を描くんだったらミスiDのオフィシャルで描いたほうがいいなと思って講談社に話を持って行ったんです。プロデューサーの方も面白がってくれて、是非やりましょうって話になったんですけど、まだ形になってないんです(笑)。その場にレイチェルも呼んでくれていて、そこで初めて挨拶しました。でもお互い初対面では緊張するタイプで…。
レイチェル:なんかメル先生、すごくハキハキ喋るから怖くて(笑)。
メル:レイチェルも借りてきた猫みたいになってた(笑)。赤面すると顔を隠すクセあるよね。
レイチェル:赤面しているのに堂々とできないでしょ(笑)。でも赤面して顔を隠しながらずっと喋ってた(笑)。
メル:その時、自分のイラスト集を持って行こうとしたのに新品が見つからなくて、ブックオフで買って行ったんです。微妙な気持ちでしたね…。でも、そこそこ高かったのがけっこう嬉しくて(笑)。それからミスID2014のお披露目会があったり、共通の友人ができたり。レイチェルと知り合う前はそこまでアイドルに興味がなかったんですが、面白そうだって思うようになり、観に行くようになりました。
ツイッターのやり取りは真剣勝負!?
──そこまで打ち解け合った理由は何だったんでしょう?
メル:冗談が通じるっていうのが大きいと思いますね。ツイッターでお互いに真剣にやり取りしている時があって、こっちが面白いことを言うと、気合いを入れて面白いことを返してきたりするんですよね。真剣勝負。
レイチェル:絶対に勝ちたいっていう気持ちになるんですよね。ツイッターで面白いことを言いたい! って。
メル:ネタ振りとかしてくるので、こっちもちゃんと面白いこと言わないとナメられる! みたいな。
レイチェル:そんなこと思っていたの?(笑) ツイッターでやり取りしていると、いつの間にか距離が近くなるって感覚がありますよね。
メル:ツイッターで仲良くなるなんて、現代的(笑)。
──そういうつながりからレイチェルさんの冠イベント、『ひるなのにレイチェルNight☆』でお呼びしたんですね。
レイチェル:メル先生は喋れるし、レイたんのことをよく理解してくれている人。レイたんがウケを狙ってボケてるのに、汲み取ってくれないでスルーされるのがイヤだったんですよ。
メル:あんまりお金もかからなそうだし?(笑)
レイチェル:そうだね(笑)。でも、予算があったとしても、他の人は思いつかないよ。イベントの最初の打ち合わせからメル先生にしようと思ってました。男の人のほうが良かったんですよ。女の子だと私がすごいガツガツ行っちゃうから。『“レイチェル”Night☆』って題してるけど、自分の話にならなさそうだったんです。そういうのもちゃんと考えてくれる人っていうことで、メル先生はピッタリでした。
メル:あくまでも『レイチェルNight☆』だから、自分が一番輝くような形にしたい、と。イベント告知でも俺が宣伝しすぎると岸田メルのファンばっかり来ちゃうからやめてくれって(笑)。
『レイチェルNight☆』、武道館を望む
──初の自分仕切りのイベントはどうでしたか?
レイチェル:めっちゃ楽しかった! やりたいことができました。私は歌って踊れないのでトークしかないと思っていて、ちゃんとトークでイベントを成立させることができた。それに自分が呼ばれて出るイベントは、アイドルなど他のものについて語ることが多いので、自分自身のことが語れたのが嬉しかったです。
──イベントで完成した、レイチェル入場の煽りラップも良かったですよね。
レイチェル:完成したところがすごい良かったです。娘を見守るような目で。
メル:お客さんがめっちゃ温かかったよね。娘を見守るような目で。レイチェルが普段、ツイッターから出しているオーラが、ヲタを選んでいる感じがする。
レイチェル:選んでますね。こういう人に来て欲しいって。私がアイドルを観に行った時に振付を覚えて踊ったりして参加するのが好きなので、お客さんにも何か参加して楽しんでもらいたいと考えていて、お客さんにその場でフレーズをもらってラップをしました。先生として来てくれたラッパーのゴメスは普段はクラブとかでやっているような人なのに、「レイチェルのイベントが一番楽しかった。俺もアイドルになりたい!」とまで言ってました(笑)。ADなぎさ(バクステ外神田一丁目)ちゃんもすごく良かったし、ゲストの人選は良かったって思ってます(笑)。
──1回目のイベントは大成功で、9月20日の『ひるなのにレイチェルNight☆2』はハードルが上がっちゃってますが、どんなことをしましょう?
レイチェル:◯◯◯とか×××をしたいなと思っています。
メル:◯◯◯と××× !?(笑)
レイチェル:やっぱり参加できるっていうことにこだわりたいし、後ろのほうからステージを観ているだけっていうのは退屈だと思うので。お尻も痛くなっちゃうから。みんなが楽しめて、一人ひとりが役割を果たして、達成感を感じられるように。